犬をペットとしてでなくパートナーにする話

野生動物は人間を舐め始めた

野性動物と人間社会の摩擦が時々起きます。比較的身近な例として、猿や猪、熊などによる農作物被害があります。ニュースで大の大人が大勢で猿や猪を追っている場面をみますが、明らかに動物に負けています。観光地での猿の被害などは完全に猿になめられている状態です。
「そもそも初めは動物が棲んでいて、人間が新参者なのだから、我慢するべきだ」という意見もありますが、「必要以上に自然を壊す」ということと「生きていくために自然を壊す、開拓すること」とは意味が違うと思います。そのなかにおいて、自然と共存するためには、人間より遥かに身体能力が勝る動物を味方に付けることが有効だと思います。

最も頼りになるのは犬です。

犬というのは実は謎の多い生き物で、先祖の狼の持つ特徴の一部を捨てて、人間と共存する事を進化の方向として選んだと言われています。学者によっては「寄生」という表現をしています。確かに犬と接していると、人とは全く違う種類の動物なのに、ここまで信頼しあえるという事が驚異的と思える事があります。単に餌をくれるからなついている、というのとは次元が違うことは多くの人が実感していると思います。
そして犬というのは、自分の役目を理解さえすれば、本当に仕事として、自覚をもって働きます。猟犬も盲導犬も警察犬も、単に犬の性質を利用して使っているのではなく、犬が仕事として自覚しています。番犬もそうです。優れた番犬は、見知らぬ人が来たときに烈火のごとく吠えたてて飼い主に知らせますが、決して無闇に咬んだりはしません。そして飼い主が出てきて自分の役目が済むと、吠えるのを止めます。
土産物の売り場に猿が来て商品を盗んでいく、という現場には、犬を繋いでおくだけで防げるでしょう。猿は人をバカにしても、犬を侮りはしません。
畑が猪に荒らされるという現場にも、犬を連れていくのが有効だと思います。もし、昼に猪が出れば山に追い立てるでしょう。夜、無人になったとしても、犬の臭いがあちこちに残っているので、警戒心を持つに違いありません。
実は、観光地に犬を繋いでおく、という案はずいぶん前から言っていたのですが、最近はそういう対策をとっている、という報道を見ました。同じことを考えている人がいたようです。
ぜひ、畑仕事に犬を連れていくことと、もうひとつのアイデア、山の一角に芋やカボチャなど、手入れをしなくてもある程度育つ作物を植えて、猿や猪を引き止めるための畑づくりを提唱したいと思います。

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