舞台撮影での最低限の注意点

私は趣味の応用として、今まで40本くらいの舞台撮影、編集をしてきました。
その経験から、自分なりのノウハウを手に入れ、実践してきたので、参考までに紹介していきます。
特に、限られた条件の中でのちょとした工夫は、映像の雑誌や入門書にあまり書いていないように思います。

まず、その工夫が必要かどうかは、撮影したものを誰が何のために観るかによって変ります。

もし、スタッフや出演者が、舞台の確認用や記録用に撮影するのが目的であれば、これから紹介する撮影、編集方法は無駄であり、むしろ邪魔になるかもしれません。
記録用に撮影した映像は、ほとんどの場合、後から見直されることはありません。工夫するだけエネルギーの無駄です。
その場合は、ただ、舞台全体を無人の固定カメラで撮影すればOKでしょう。

注意1:固定カメラは舞台全体を画面に入れる

仮に、舞台でのお芝居が、主に舞台上の片隅で行なわれるとしましょう。

心情的にはそのお芝居をできるだけアップではっきりと撮りたいところですが、カメラは全体を捉えるように設定します。

そうしないと、短時間とはいえ、必要な対象が映っていない時間が出来てしまいます。

映像を鑑賞する側からすると、見たいものが画面に入っていない、という時点でストレスが高まり、見る気が失せます。

もちろん、単なる記録映像としても失格です。

たとえ被写体が小さくても、「映っているほうがマシ」ということを忘れないようにしてください。

バカバカしいほど当たり前に聞こえるでしょうが、

「少しでも鮮明に撮ろうとしてアップを狙ったために、結局、カメラで捉えられなかった」という失敗は思いの外、多いのです。

運動会や旅行ビデオでそんな失敗をよく見ます。

時々、「こういう映像なんですが、編集で何とかなりませんか?」というご相談を受けますが、映っていないものは何ともなりません。

会場が狭くて、舞台の全体がカメラに入らない、という事があるので、簡単に広い映像を撮影できる、「ワイドコンバージョンレンズ」を買い足しておくことをオススメします。

ワイドコンバージョンレンズ(ワイコン)は、手持ち撮影などでも必需品です。

注意2:オートフォーカスにしない

固定カメラは必ずフォーカスをマニュアルモードにして、舞台中央の床あたりにピントを合わせておきます。

厳密には舞台中央以外はピンボケということになりますが、舞台全体を広く捉えた映像になるため、被写体の写り込みも小さく、問題はでません。

なぜ、オートフォーカスではダメかと言うと、出演者が舞台を移動したり、照明が変化する度に、カメラが思わぬ誤作動をして、一時的にひどいピンぼけ状態になるからです。

ここでの注意は、ピントを合わせる場所です。

カメラを設定する場合、多くは、舞台に登場人物がいません。

単にカメラを設置して、画面中央にピントを合わせると、ピントは舞台奥の壁に合っている事になります。

奥行きが広い舞台の場合などは、壁にピントを合わせると、登場人物には全くピントが合っていない映像になります。

そこで、舞台中央の「床」などにピントを合わせる必要があるわけです。

注意3:明るさをマニュアル設定にする

カメラが無人の場合は、どちらがいいかは分かりません。

その舞台の照明の設計によります。

明るさはオート設定にして、失敗したところは諦める、というのが現実的な妥協点でしょう。

失敗を最小限に抑えるためには、撮影中、カメラマンが常に操作できる状況にして、適切な調整が不可欠です。

ビデオ映像の明るさは、「レンズに入る光の量」「シャッタースピードの速さ」「電気的な信号の増幅」によって調整されています。

使う側からすれば、単に「明るさの調整」として操作できる筈です。

この「明るさの調節」が、舞台全体を捉える映像に限っては、オート設定ではうまくいかないことが多くあります。

ちょっと、オート設定の仕組みを考えてみましょう。

基本的に、明るさのオート設定では、画面全体の光の量を計測して、カメラが最適と判断した明るさに調整することになります。

 

大抵の場合はオート設定でもそれなりに上手く映るのですが、カメラマン泣かせなのが、舞台特有の照明である「スポット照明」です。

スポット照明というのは、演出上、意図的に周りを暗くして登場人物だけを浮かび上がらせるために使われます。

観客が目で見ている分には何の問題もありません。

観客は、スポットライトで照らされた人物の顔が重要だと認識して、そこに意識を集中できるからです。

ところが、機械であるカメラには、演出を認識する能力がありません。

暗い舞台で、一箇所だけ明るく照らされていると、カメラは「全体が暗すぎる」と判断します。

そして、全体的にバランスが良いと思われるところまで、画面を明るくしてしまうのです。

その結果、演出上は暗くて見えなくて構わない背景が少し明るくなり、スポットで照らされた人物の顔は明るくなりすぎて、白くつぶれた状態になってしまいます。

ビデオ映像は、パソコンのビデオ編集ソフトで色々な加工・修正が出来ますが、明るすぎて白くつぶれた映像は修復が不可能です。失敗した部分として諦めるしかありません。

ですから、舞台の撮影では「明るすぎる状態にならないように」ということを心がけて、随時、調整する必要がるのです。

カメラマンは明るさを常に調整できる準備をしておいて、照明の変化に応じて、出来るだけ早くスムーズに対応しなければなりません。

具体的には、「いつでも画面を暗くできること」を心掛けて準備しておけばいいでしょう。

若干、暗すぎるという程度であれば、ビデオ編集ソフトの補正によって、補正して少しマシな映像にすることは可能です。

 

以上が固定カメラ撮影の最低限の注意点です。

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