ストーリー作りの前に撮影場所を考える
映画に必要なのはストーリーと映像
当然まずストーリーを考えるわけです.
ストーリーを考えて映像を設計しないことには映像は撮れません.
その時に次々とイメージが沸いてくる人であれば困らないかもしれません。
でも、何の制約もなしに「白紙の状態」からストーリーを考えるのはなかなか難しい。
かえって、何か「制約」があった方が、方向性が決められることもあります。
方法の一つとして、「場所の制約」を決めてしまうというものがあります。
映画の中にはいろんな要素があります。
- 誰が演じるのかという人の制約
- 何人出るのかという制約
- 場所の制約
どんなシーンがあるのか。
この「場所」をまず決めてしまう。
例えば、ごく普通のやり方で自主映画ショートムービーのようなものを撮ってみようという場合は、大抵、仲間と今、集まっているその場所で撮れないかということを考えるわけです。
誰かの自宅で集まって話をしてるとしたら、そこを舞台にした映像ならここで撮れるじゃないかと。
「この部屋だけを使って話を考えよう」というような選択をすると、「その場所しか使えない」という制約はあるんですが、かえって考えやすいんです。
何もかも自由で、「何でもありだよ」というよりも、「この部屋を舞台にする」と決めた方が、話は考えやすい。
特に映像化する場合は、自由にストーリーを考えてしまうと、次の段階でつまづきます。
「撮影する場所」探しの段階です。
「理想的な場所」はたいてい見つかりません。
いくつかの場所については、もともとその場所を想定して考えたりすることもありますから、すんなり決まったとしても、「どこに存在するか分からない場所」が舞台になっていることも多いはずです。
あるいは、「場所は想定してはいるんだけれども、実際にそこでは撮影できない」ということも多いでしょう。
それで、「撮影できないから、ちょっと話の設定を変えよう」ということで、変更作業をすることになります。
変更することによって、物語に影響がなければいいんですが、それによって大抵は映像的に寂しいものになっていったり、初めに感じた面白さが損なわれたりするというようなことがあります。
ですから、初めから登場する場所を決めて話を考えると、格段にイメージの実現性が高くなるんですね。
具体的な場所を想定することによって、細かな演出描写も可能になります。
想像上の場所ではなくて、知っている場所ですから、「役者にこういう芝居をさせよう」とか「ここからこう撮ろう」とかいうことが、事前に、具体的に想像できるようになるわけです。
私は「背景」と「人物」を合成した映画を主に作っていますから、現実にその場所で撮影をする必要はありません。
背景の映像さえあればいい、ということで、どんな作品を作るかということを考える前に、「絵になりそうな場所」で「背景の撮影」をするようにしています。
例えば観光地に行っても、景色のいいところで、
- ここでもし俳優が出てきてドラマを撮影するとしたら、こういう映像を撮るだろうな
- 人をここに立たせて、ここにカメラを置いて、背景にあの寺が写るように撮影するだろうな
というようなことを想定して、必要になるはずの背景映像を撮っています。
撮影は簡単です。
私の場合は、ビデオカメラを回しっぱなしにして、ぐるっと周りの景色を撮るというやり方です。
もし、その風景の中に「滝」とか「川」とか「上から木の葉が落ちてくる」というような動きがある場合は、三脚に固定して10秒ぐらい、撮影をしておくということもあります。
概ねこの「背景撮影」はすぐに終わります。
手持ちカメラなら、一箇所でほんの1分もかからない。
「絵になる場所」「ここは何かのシーンに使えるな、というような場所」で背景撮影をしておけば、ストーリーを考える時に、「この場所を使う」という「お題」を用意することができるんですね。
そうすると場合によっては、ストーリーも考えやすいということもあると思います。
今回は、「場所を決めてからストーリーを考えましょう」「合成映像でシーンを作るのであれば、背景映像をストックしておきましょう」という話をしました。
参考になれば幸いです。
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