ミニチュアと感じさせないコツ

ミニチュアのジレンマ

ミニチュア撮影は、ミニチュアセットを使った撮影です。

昔の日本映画を見てもわかりますが、「ミニチュアセットのシーン」というのは、大抵の場合、一目で「ミニチュア」とわかってしまうんです。

私は特撮映画が好きですし、ミニチュアセット自体がが好きですから、それでいいんですが、作品としては、本来は、それが「ミニチュアセットだ」ということは。誰にも気づかれずに映画を鑑賞してもらうべきです。

 

私たちが映画を作ろうという時に、やはりミニチュアセットを作るときがあります。

出来上がったミニチュアセットは、できるだけリアルに撮影したいわけです。

 

リアルに撮影するコツはいくつかあります。

 

最も効果的なのは、太陽光の下で撮ること。

例えば、建物や、乗り物のよくできたプラモデルを、部屋の中で写真に撮るのと、外に持って行って太陽光の下で写真を撮るとを比べてみると分かるんですが、太陽光の下で撮った写真の方が、はるかにリアルなんです。

太陽光線というのは、ミニチュアセットをリアルに見せる、最も有効な方法です。

 

それともう一つのポイントは、カメラをなるべく低くすること。

例えば倉庫のシーンがあるとします。

倉庫の全体像を見せるために、ミニチュアセットを作る。

もし、そのミニチュアに合わせて自分の体も小さくなったとしたら、カメラの高さは、ミニチュアの人の目の高さくらいが自然でしょう。

つまり、カメラを地面に接するような高さから、そのミニチュアセットを撮影すると、リアルなわけです。

 

ところがミニチュアセットを使うと、普通は撮れないような、「上からの映像」というのが撮れるんです。

これは面白い構図です。

ドローン撮影でもしない限り撮れない、「空からの映像」が撮れるのが、ミニチュアセット撮影の魅力の一つではあるんです。

 

ところが空から撮ると、「いかにもミニチュアセットなんだな」と感じさせてしまいます。

 

実際、ドローンで撮った、上から見た映像というのは、たとえそれが本物でも、ちょっとミニチュアっぽく見えますよね?

高いビルから街を見下ろすと、全て「おもちゃ」のように見えます。

 

ですから、ミニチュアセットを上から撮ると、さらにミニチュアっぽく見えてしまうという危険があるんです。

でも、ミニチュアだからこそ、上から撮れる。

ここに作り手としては、非常にジレンマを感じるわけです。

実物感を出すのは人間の映像

ミニチュアだとバレてしまうことを防ぐための方法としては、そこに人物を合成することです。

 

上から見た映像は、特に根拠はなくても「模型だな」と感じるものです。

いくら精巧な車の模型を横に置いたとしても、「精巧な模型が置いてあるな」とわかってしまいます。

 

ところが、そこに一人でいいので、トコトコと歩いている「実際の人物」を合成したらどうなるか。

 

もちろん、合成自体を自然にする必要はありますが、そこに人物が合成されて動いているというだけで、途端に「本当に空から見ている映像だ」と錯覚してしまうんです。

 

人が画面に出るだけで、本能的に、その「人」を基準に、映像を判断する。

つまり、そのミニチュアセットは、ミニチュアとして認識されなくなるんです。

 

ですから、ミニチュアセット使った映像には、チラッとでいいので、できるだけ人物を合成する、これがミニチュアを使いつつ、ミニチュアセットだということを隠す、最善の手だと思います。

 

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