再現ドラマの手法を使った「一人映画」の可能性

創作活動が一人で完結するかどうかという問題

映画作りに限ったことではありませんが、何かを達成しようと思えば、最も重要なのは「行動力」です。

 

自分で計画を立てて、実行していく必要があります。

ですから、全てお膳立てされた遊びしか出来ない人には、創作の楽しみは味わえないでしょう

 

創作活動の多くは一人で完結するものです。

  • 小説執筆
  • 絵画
  • 手芸
  • 陶芸

どれも、自分ひとりで完成させられます。

 

映画作りは、複数の人数で楽しめるのが大きな特徴の一つですが、同時に創作が進まないネックでもあります。

 

学生時代であれば、気の合う仲間を集めることは簡単ですが、社会人が仲間を集め、頻繁に合同で活動する時間はなかなか取れません。

そのため、相当に魅力的な活動であるにも関わらず、「映画作り」という創作は身近にならないのではないでしょうか?

 

昔ながらの、プロを真似たやり方で映画を撮ろうとすれば、大勢のスタッフが必要になります。

私は、20年以上前から、スタッフの人数を減らすことが、「趣味の映画作り」のポイントだと考えてきました。

 

もし、自分が「監督兼カメラマン」になれば、スタッフ一人でも最低限の撮影が可能になります。

  • 同時録音のためのマイクマンも必要
  • 光の演出をするために、レフ板担当者も欲しい

という具合に、高望みしていくと、スケジュールの調整だけで、撮影期間が数倍に延びてしまいます。

 

趣味の映画作りは、プロの体制と違い、実は「未完成」という事が頻繁に起きます。

その理由の多くは、撮影期間が長くなりすぎることです。

お金で契約するスタッフや出演者と違い、基本的には「遊びの一環」で集まるメンバーですから、時間が掛かりすぎると飽きてしまって、集まりが悪くなるんです。

 

ですから、特に撮影期間を短くする工夫は最優先にすべきと考えています。

 

ただ、スタッフは最低1人でも出来るとして、一人芝居の設定ならともかく、出演者は大抵、複数必要です。

一人芝居で成り立つ、面白い話を考えるのが、極端に難しいということもあります。

 

そこで、やはり複数の出演者を用意することで、スケジュール調整に時間が掛かり、撮影期間が長くなってしまうということが起きるわけです。

 

そこで私は、見ている人に気付かれないように、一人の出演者が何役も演じて映画を作れないかと考えました。

 

もっと言えば、監督兼カメラマンの自分が、出演者として何役も演じることによって、「一人で映画撮影を完結できないか」という可能性を探っています。

 

もしこれができれば、誰かの都合に合わせて撮影スケジュールを立てる必要がなくなります。

自分にさえやる気があれば、最短期間で撮影が完了するはずです。

「再現ドラマ」の演出を応用する案

一人で完結させられる撮影法として、「再現ドラマ」の演出を応用出来ると思います。

 

再現ドラマというのは、多くの場合、ナレーションやモノローグが中心になっていて、それに即した映像がはめ込まれたものです。

 

特に、歴史ものの再現シーンで特徴的なのは、「登場人物の顔がはっきり映らないこと」です。

 

実在の人物をモデルにした物語では、顔がはっきり写ってしまうと、モデルとの違いが目立ってしまう、というようなこともあるのかもしれませんが、構図がとても変わっています。

 

普通の映画だとしたら不自然な、「顎から上が写っていないような構図」で人物を描くことがよくあります。

後ろ姿も多いですし、わざと人物のピントをぼかすこともあります。

 

顔がはっきり写っていない上、再現ドラマ中の登場人物は、基本的にセリフを言いません。

セリフもナレーションやモノローグで代用しています。

 

かなり特殊な映像のはずですが、多くのテレビ番組などで見慣れているせいか、それほど抵抗なく見ていられるのではないでしょうか?

 

この手法を逆手にとると、メリットがいくつか思い浮かびます。

 

1.演技力がない人でも、出演者として成り立つ

 

感情を表現するような場合、役者は「台詞回し」や「顔の表情」で演技をします。

 

しかし、再現ドラマの場合、例えば「悔しさ」を表す時に、「拳を握りしめている手のアップ」といった、「見てわかる動作」を使って表現をする手法をとります。

ですから、演技力という技術でなく、「記号」としてその感情を表現することができるわけです。

これは、素人役者を使う場合に有効です。

 

2.一人何役でもこなせる

 

顔が映りませんから、工夫をすれば一人何役も演じられる可能性があります。

 

私は元々、グリーンバック撮影を使って、「人物と背景を合成して映像を作ること」を提唱しています。

それを応用すれば、一つの画面に複数の人が登場する場合でも、一人何役もこなして、画面の中に同時に登場させることが出来るわけです。

 

通常であれば、一人何役も演じて同じ画面に合成すると、顔が同じですから不自然になってしまいます。

 

しかし、顔が映らない再現ドラマ型の演出であればどうでしょう?

演じている役者が同一人物とは分かりません。

 

再現ドラマ形式の映画が、どのようなシナリオに適しているかは、考証が必要でしょう。

色々と制約はあるとは思います。

 

例えば、書簡小説のように、手紙に書かれた内容で展開するような小説の映像化には適しているかもしれません。

手紙を読んでいる主人公のシーンと、「そこに書かれた世界を再現する」という構成の映像は作りやすそうです。

 

何にせよ、映画は自由です。

「こんなものは映画ではない」という批判を恐れる必要はありません。

 

私は、映画作りの練習も兼ねて、「一人映画」を推奨します。

一人映画の可能性の一つとして、再現ドラマ形式の演出は、研究する価値があると思います。

 

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