ストップモーション撮影用の恐竜を作る(2021.10.31更新)

モンスタームービーの撮影に使用する、ストップモーションモデル(試作品)の制作過程です。

※試行錯誤したままを随時追記したので、ボツになった工程も含んでいます。

骨組みの工作

骨盤と大腿部

当初の予定では、球体関節は9mmのプラスチック球を使った共通パーツを使用する予定でしたが、股関節部分は足全体の重みが掛かって、9mm球では摩擦力が小さすぎる懸念が出てきたので、全面的に設計変更です。

股関節部分の球は、25mmの木製の球を使い、それに応じて、球を挟む板も、20mm幅のものにします。

赤いビニールテープは、球と板の間の摩擦力を一定にするために巻いています。

脛の部分

大腿骨の下部に球状部品を取り付けます。

脛の部分のパーツを作成して取り付けます。

踵から足先

踵の先までは、脛と同様、ボールジョイント関節。

指の部分は、園芸用のアルミ針金。

試行錯誤を繰り返した末、ポリプロピレン製のネットをカゴ状にして、骨になるアルミ針金を編み込んで固定。短く切ったゴム管を被せて、アルミ針金を束ねる。

出来るだけ接着剤を使わない構造にしたいので、カゴごとギプスのように踵部分に被せて、細い針金で綴るように繋ぎ止める。

背骨と胸骨

背骨は動きが少なくて、金属疲労も少ないと見越して、アルミ針金でシンプルに工作。

頭部原型

頭部は建築部材の発泡プラスチックの角材から削り出し。

この部分は、量産モデルでは木粉粘土を型抜きして作る構想。

下顎と上顎の口の中。造形はフォルモ粘土。

量産モデルでは、樹脂粘土を型抜きする予定。

一応、頭部の骨組み原型完成。

肉付け

骨格に、切ったスタイロフォームを貼り付けて肉付け。

後に被せる表皮は、要所要所、このスタイロフォームにピン止めすることで、「着ぐるみ感」を防ぐ構想。

ここまで作ったところで、スタイロフォームの隙間の大きさが、後々問題になりそうに思えてきたので、改良を加える。

芯にしているアルミの針金はジグザクにして、ねじれ状態も調整できるように変更した上で、スタイロフォームの間を詰める。

胴体と首の部分も同様に、スタイロフォームの間を詰めた状態で作り直し。

シルエットと、動きを考慮して、スタイロフォームをカッターナイフで整形。

口の中と爪

下顎と、上顎の見える部分はそれぞれ別パーツで制作。

原型のフォルモ粘土を枠に固定する。

離型剤代わりに洗剤を原型に筆塗り。

シリコンコーキング(充填剤)を型取りシリコンの代わりとして使用。

まずは、洗剤を溶かした水に入れて団子状に練る。

シリコンコーキングは水と反応して固まるので、「べとつかない団子状になる」筈が全然、べとつきはおさまらず、結局、片栗粉を混ぜて練る。

べとつきを無理やり片栗粉で抑えつつ、型枠の中に押し込む。

一晩で固まり、思いの外、まともな型が出来た。右端は爪の型。

爪の原型は角材の削り出し。(後にボツ)

型に木粉粘土を押し込んで乾燥させる。

樹脂粘土で作ったパーツ。

型から抜いた爪。歯は直接整形したもの。中央から切断して2本分として使う。

このままオーブンで熱を加えて硬化させる。

130度で10分加熱x2回。

歯を取り付ける。

補強を兼ねて、水で溶いた水性ボンドを表面に塗る。

頭部を背骨と接続。

樹脂粘土の爪も、本体の手足に取り付ける。アルミ針金に直接ボンド接着。

骨組み部分は、これで一応の完成とする。

表皮の型紙

まず、骨組みを覆う皮部分を作成するための型紙づくり。

骨組みに合わせてスタイロフォームをカット。

スタイロフォームの成形。

皮膚の余りを作るため、予め足を45度外側に開いた状態にしている。

裏から見たところ。型紙は完成後、左右反転させて反対側を作るため、原型は片側しか作らない。

スタイロフォームの原型にラップを貼り付け。

その上からテープを貼り付け、ラップを立体の状態に固定する。

(透明テープのため分かりにくい)

展開図を意識しながら切断予定の線を描き込み。

切り込みを入れてテープで固定したシートを原型から剥がす。

平面の展開図になるように、切込みを入れる。

シートを台紙に仮止めして、形をなぞる。

型紙の元が完成。

台紙を元に厚紙で型紙を作る。ところどころ穴を開けて、テープで布を仮止め出来るようにする。

型紙に合わせて、フェルトを切断。

フェルトを糸で縫い合わせる。

※この方法はヌイグルミを作るには使えるが、工作性の悪さと、骨組みとの相性がイマイチのためボツにした。

足指の皮膚

体全体の皮膚とは別に、足指部分の皮膚を作ります。

このタイプの恐竜の後ろ足は、ニワトリなどとそっくりな形をしていて、前向きに大きな指が3本、後ろ向きに小さな指が1本あります。

このモデルでは、工作性を優先して、3本の指の皮膚を同一の型から作ることにします。

まずは、骨組みのサイズに合わせて、樹脂粘土で指1本分だけ原型を作ります。

型取りのために油粘土に半分埋めて、離型剤としてワセリンを塗ります。

原型の上に、シリコンコーキングを塗ったところ。硬化を促すために、霧吹きで水を掛けます。

シリコンが硬化したら、土台の油粘土を取り除いて、反対側にもワセリンを塗ります。

反対側にもシリコンを塗ったところ。

シリコンから原型を取り外す。

※この方法も、工作性の悪さからボツにした。

改めて、指の原型を作り直し。爪と一体化した原型にし、下側は木粉粘土に固定することで型にする。

ここからは、原型の上側の型取りです。原型と型を外しやすくするために、ワセリンを使用。

原型と下側の型である木粉粘土部分に薄くワセリンを塗る。

充填用のコーキング剤(ホームセンターで300円程度で購入)を原型に塗り込む。

一昼夜乾燥させた後、上下の型から原型を取り出す。

 

 

 

足指の複製と組み立て作業。

今回は工作性を優先して、後ろ足の3本の指を同一の型から複製する。

指の曲げも表現したいので、アルミの針金と網戸の押さえを用意(共に100均で購入)。

足指の関節を表現するため、網戸の押さえを1センチに切り、二つ折りにした針金を通す。

針金を、中空微粉体の軽量粘土(これも100均)で包む。

粘土を型に押し込む。

型から外しやすくするため、肩にはあらかじめ、片栗粉を少量付けておく。

型に押し込んだ後、粘土を取り外す。

シビアな形状の精度は無くていいので、粘土の乾燥を待たずに型から抜いてしまう。

指の腹側は、シリコン型を作った時に原型固定用にした木粉粘土の台座を、そのまま型として使う。

こちらはシリコンと違って、粘土を型から外しにくいので、粘土の余分でつまみやすい形状にしながら肩に押し当てる。

指の上側と腹側を計6本、型から抜く。

軽量粘土乾燥後、指の腹のつまみ部分を切り取り、指の上側にボンドで貼り付ける。

指の上側と下側の隙間は、水で溶いた軽量粘土を塗り込むように筆で埋める。

園芸用の植木鉢の底に敷くネット(ポリプロピレン製)をカットする。

これも100均で購入。

ネットを四角柱に折る。ポリプロピレンなので折り目から断裂はしない。

ネットで作った四角柱に、指の付け根の針金を縫い込む形で取り付ける。

ネット部分を骨格の足首部分に針金で取り付けたところ。

指の付け根部分を軽量粘土で埋める。

軽量粘土は乾燥すると、発泡スチロールに近い質感になる。

曲げることによる亀裂は、水性ニスの被膜コートで防ぐ計画。

皮膚の下地

表皮の下地として使用する不織布に塗装する。塗料は水性アクリル。

乾燥後の不織布をもみほぐして柔らかくする。

細かく裁断した不織布を、関節の動きが悪くならないように注意しながら、骨格の上に貼り付ける。

 

 

 

表皮の造形

ワニやイグアナを参考に、表皮の鱗のパターンをデザイン。

パターンごとに樹脂粘土に造形する。

膝がしら、踵、膝の裏の部分のパーツも作る。

鱗の原型に、離型剤としてワセリンを塗る。

シリコンのコーキング剤を原型に塗り込む。

硬化したシリコン型を原型から剥がす。

酢酸ビニル樹脂(木工用ボンド)をシリコン型に塗り、表皮のパーツを量産する。

本体全体に表皮のパーツを貼り付ける。

厚みのあるパーツは、酢酸ビニル樹脂以外に、中空微粉体(軽量粘土)で作って、同様に貼り付ける。

頭部の仕上げ

口の中を塗装し、口の横の粘膜部分は、ピンクに塗装した不織布を貼り付ける。

頭部の原型を石粉粘土で制作する。

乾燥後、ニスで補強する。

原型を台座に付けて、ワセリンを塗り、シリコンコーキングを塗りつける。

シリコン硬化後に原型を取り外す。

シリコン型に酢酸ビニル樹脂を塗り付け、さらに内側に中空微粉体を塗り付けて、立体的な皮膚パーツを抜き出す。

皮膚パーツを頭部に貼り付ける。

前足の制作

園芸用アルミ針金と紙製ストローを組み合わせて、前足の芯を作成する。

前足の芯に中空微粉体を肉付け。

酢酸ビニル樹脂の樹脂粘土で前足のツメを作成し、前足に取り付ける。

乾燥した前足を、本体に木ねじ止めする。

前足の付け根にスポンジを肉付け。

前足と同時に作っていた足の蹴爪を後ろ足に取り付け、不織布を貼り付けて境目を隠す。

同様に、前足の付け根に不織布を貼り付けて境目を隠す。

仕上げ

塗装前にニスでコートする。

塗装前の完成形。

水性アクリル絵の具で全身を塗装する。

テスト撮影

本体に撮影用の台座を取り付け。

テスト撮影として、グリーンバックのセッティング。

ストップモーション撮影は、撮影時間短縮のため、リモコンシャッターなどを一切使わず、すべて動画で撮影する。

撮影映像から手が映っていない部分を静止画出力して、順番に並べ、動画を作成する。

背景画像と合成して、テスト映像を完成とする。

このテスト撮影は、1ショットあたり数分でラフに行なった。

結果を踏まえ、コマ撮りの際に適切な「動きの細かさ」など、ノウハウを蓄積していくことにする。

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