数年かかる?「自分史」を完成させられない方へ
目次
200枚の原稿を書き上げられますか?
「自分史を書いてみたい」
そう思われる方が年々増えています。
地域の生涯学習プログラムにも、「自分史を書こう」というものがよくあります。
ただ、多くの方がイメージする自分史は、原稿用紙数百枚分の文章が詰まった、立派な本です。
生涯学習センターで書き方を教わったとしても、原稿を最後まで書き上げるのに、たいへん長い時間が掛かります。
原稿は完成するまで、家族や友人に見せないでしょう。
自分史の本が完成して
- 面白かった
- 懐かしかった
と喜んでもらえることを想像しながら、何ヶ月も、何年も、原稿を書き続けることができますか?
多くの人は、途中で書くことを止めてしまい、書きかけの原稿だけが手元に残っているのではないでしょうか?
思い出の中のエピソードを形にすること
自分史は、エピソード集です。
- こんな事があった
- 当時、こう思っていた
ということを、できるだけ詳しく書き出すことで、あなたや周りの人たちの姿が見えてきます。
当時の時代背景や景色までもが、自然と浮き上がるところが大きな魅力です。
記憶の共有 新たな想起
あなたの身近な人は、あなたのエピソードを聞いて、とても懐かしく記憶を共有できるでしょう。
面白いことに、あなたの極めて個人的なエピソードを読むと、それが克明であればあるほど、あなたのことを知らない第三者も、「自分の記憶」が掘り起こされて、懐かしい感覚を覚えます。
もしかすると、あなたも誰かの自分史やエピソードを聞いたことで、ご自分でも自分史を書くことを思い立ったのかもしれません。
これも、自分史の持つ、不思議な魅力です。
長文執筆に慣れているのはプロだけ
「自分史の書き方」という本は書店で見つかるでしょう。
ただ、それを読んでも、なかなか自分で書けるものではないというのも現実です。
「小説の書き方」という本を読んでも、簡単には書けないと想像できますよね。
そもそもの問題は、読み書きができるからと言って、自分史ほどの長文を書き慣れている人は、ほとんどいないんです。
「自分史の書き方」を教えている人は、そもそも物書きなんです。
コツコツと毎日書いて、それを何ヶ月も何年も続けられる人たちです。
あなたが、日記やブログなどを書き慣れているとしても、自分史を最後まで投げ出さずに書き上げるのは簡単ではありません。
書くより話すほうが100倍楽
ここに、おしゃべりが好きで、その話を聞いていると周りの人も楽しめる、という人がいるとします。
「あなたのおしゃべりは楽しいから、そのまま文章に書いてくれ」と言っても難しいですよね。
話せば1分間の笑い話も、文章にするためには何倍も、何十倍も時間が掛かってしまうんです。
しかも、素人の書いた文章です。
恐らく、おしゃべりの時の楽しさは表現できません。
ここからは、私が提案する、実践的な自分史の作り方の話になります。
「書くより話すほうが楽」
これは、ポイントになる事実です。
あなたが自分史を書こうと思ったからには、少なくともいくつかは、書いておこうと思ったエピソードや考えがあるはずです。
それらを、まず口に出して表現してみましょう。
まずは「映像版・自分史」が現実的
あなたは、立派な装丁の「自分史」を作りたいのかもしれません。
でも、その前に「映像版の自分史」を作るほうが、実はずっと手軽で、短い時間で完成させられます。
具体的に言うと、あなたが原稿で書こうと思っているエピソードを、スマホやビデオカメラの前で話して、その映像をまとめて映像作品にする方法です。
「カメラの前で話すのは恥ずかしいよ」
と思いますか?
確かに、自分が喋っているところを自分で見ると、気恥ずかしさは感じるでしょう。
でも、やってみると分かりますが、その恥ずかしさにはすぐ慣れます。
そもそも、恥ずかしいのは自分だけで、あなた以外の人は、あなたの話している姿を見慣れているので、別に何とも思わないわけです。
先程、「書くより話すほうが楽」と言いました。
書くことは、話すことの何倍も何十倍も時間が掛かるとも言いました。
ということは、書きたいと思っているエピソードは、書かずに話すことで、その時間を何十分の一に短縮できることになります。
途中で原稿執筆に挫折して、それまでの苦労が水の泡、という危険が無くなり、まずは映像版ではありますが、作品を完成させられます。
質問されると人は話せる
「カメラの前で話なんか出来ないよ」
と思われるかもしれません。
確かに、テレビに出ている芸人ではありませんから、次々とテンポよく、面白おかしく話をすることは難しいでしょう。
ただ、
「何を話そうか」
と考えながら話すのは困難ですが、聞かれたことに答えるのは簡単です。
テレビのトーク番組で、話が苦手なゲストも、司会者の質問に答える形で、面白いエピソードを披露してますよね。
ですから、あなたもカメラの前で話す時、「司会者がこれについて質問した」という想定で、それに答えて、エピソードを教えてあげる、という形で話せば、比較的スムーズに話は出来ます。
最初は緊張や照れもあってぎこちないかもしれませんが、どなたでもすぐに慣れて、普通に話せるようになります。
見せられる方も「本」より「映像」が楽
撮影した映像を適切に編集して、「映像版・自分史」が完成します。
あなたは、完成した自分史を、家族や知り合いに見せるでしょう。
それが、「本」であるか「映像」であるかによって、相手の負担は大きく異なります。
もちろん、本を読むのが大好き、という人であれば、本の自分史も喜んで読んでくれるでしょう。
しかし、実際は、素人が書いた長文は読みづらいことがほとんどです。
義理堅い人は最後まで読むでしょうが、読まないで放置する人も多くいるでしょう。
そうすると、あなたと会うたびに「自分史、読んでくれた?」と言われないか気になって、後ろめたさから、あなたと距離を置くようになるかもしれません。
知り合いにも楽しんでもらえることを想像して書いたのに、かえって疎遠になるのでは本末転倒です。
しかし、映像版であればどうでしょう?
映像を見せる方法は、DVDを渡すほかに、YouTube(ユーチューブ)というもので、インターネット経由で見せる方法があります。
多くの人は、スマホをお使いですから、その画面で直接、時間のある時にあなたの話を見ることが出来ます。
知り合いが懐かしいエピソードを話しているのですから、楽しくないはずがありません。
仲間内で連絡し合って、それぞれが気楽に見てくれることでしょう。
映像から書籍という方法
「あくまでも映像版は書籍のための準備」というのであれば、このあと、ご自分の映像を見ながら、一つ一つのエピソードを文章にしていきます。
ゼロから文章を考えるのに比べ、格段に筆が進むことを実感するでしょう。
書籍用に加筆しながら完成させた原稿を使って、街の印刷屋さんに相談すれば、立派な自分史の書籍版も完成させられます。
まずは「幼少期編」を
「自分史を作ろう」という人は、とかく壮大な作品を想定しがちです。
幼少期から現在までの大一代記を形にしたい気持ちはわかりますが、作家でない限り、完成はほとんど不可能です。
まずは、描く期間を「幼少期」に限定して、「映像版・自分史」から挑戦してみてはいかがでしょうか?
自分史作成支援サービスについてのご相談等は、下記フォームから遠慮なくお寄せください。