営業用の動画を活用する
飛び込み営業VS動画営業
私は、飛び込み営業をしたことはないんですが、会社員時代、仕事をしている時に飛び込み営業が来たのを見たことは何度もあります。
「ちょっと今よろしいですか?」と明るく入ってくるんですけれども、大抵の場合、よろしくはないんです。
今の時代、そんなに余裕のある仕事は、なかなかありません。みんな時間に追われて仕事してる。
私が働いていた業界も、従業員はサービス残業が当たり前でした。サービスの単価が安くなってますから、やることは山積みになっていて、とても時間内には終わらない、という状況でした。
そんな中で、自分達に必要かどうかも分からない営業の話を、飛び込みでしに来るというのは、はっきり言って迷惑なだけです。その情報が今、自分たちにとって有効である可能性は極めて低い。
もちろん偶然、「そういう提案が欲しかったんだ」という所に営業マンが来る可能性も、ゼロではありませんが、ほとんどの場合は迷惑。
営業する側にとっては、空振りに終わるわけです。「1日に何十件営業に回れ」というようなノルマで、修行のように飛び込み営業をする話も聞きます。
それは、「メンタルを強くする訓練だ」という言い方もあるかもしれませんが、その訓練のために仕事の手を休めなければいけない相手の迷惑は考えないのでしょうか?
営業する側も、ほとんど空振りに終わる作戦ですから、決して良い手だとは言えない。ただし、営業というのは「接点」を多くしないことには始まりません。
「何とか接点を多くしたい」ということも分かるんですね。
対面営業の限界
例えば、新商品のパンフレットがあるとします。でも、パンフレットを置いて行って、見てもらっただけでは売れない。そのパンフレットを使って、自分が営業トークをすれば、売れる確率がグンと高くなるということを、営業マンは体験的に知ってるわけですね。
そこには、営業マンの「スキルの差」も生まれます。
同じ商品を、同じパンフレットを使って売っているにも関わらず、
- ある人はよく売れる
- ある人は全然売れない
というようなことが起きるわけです。
営業マンが相手と会って話をするというのは、非常にコストがかかります。1日に回れる人数というのも限られてます。
ある担当者と営業マンが話をしたとして、
- なるほど、それは面白いかもしれない
- うちの会社に必要な情報かもしれない
- ただ今、自分には判断がつかない
- 今度上司を同席させるからもう一度日を改めて来てくれないか
となる事があります。
営業マンとしては、商談が一歩進んだ気がしますから、アポイントメントをとって、日を改めて訪ねるわけですが、決裁権を持った上司の前で同じプレゼンをしたとすると、
- それはちょっと違うね
- うちに必要な話じゃない
- 申し訳ないけど、これはいらないです
という結論になることが、よくあるわけです。
動画で営業する
私がおすすめしたいのは、営業トークそのものを「動画コンテンツ」にまとめる、ということです。パンフレットの映像を使ったり、場合によっては、実物を示しながら、その商品・サービスのメリットだとか、「それを使うことによって、状況の改善ができますよ」というようなことを、「営業トーク」と全く同じように説明する「動画コンテンツ」をまず作るわけです。
例えば、名刺交換をする機会があった場合に、大抵はそこから長々と説明をするわけにはいきませんから、「ちょっとこういう動画があるんで、時間がある時に見てもらえませんか?」というような案内を渡すわけです。
これは、QRコードが貼り付けてある案内チラシでもいいですし、あるいは名刺交換した後に、挨拶がてらメールを出しますよね?その時に、URLを知らせると、相手はさらに見やすくなります。
動画のメリット
自分の営業トークを、対面でするのではなく、動画版を見せるとメリットがあります。
目の前で営業トークを始めた場合は、仕方ないから聞いてくれるかもしれません、その時は聞くのに一番適したタイミングではない可能性が高いわけです。
- お腹が空いていて、早く昼食を食べに行きたいと思っているかもしれません
- 次の予定のことで、頭がいっぱいかもしれません
そんな中で、ライブのトークを聞かせて効果が出る確率は低いわけです。
それに対して、「動画を都合のいい時に見て下さい」と言った場合、本当に「都合のいい時」に見る可能性が高いわけです。
- ちょっと今時間が空いた
- 昼食を食べながらスマホで見てみようか
- 次の打ち合わせまで10分ぐらい時間が空いてる
と、その人が見ようと思って見た場合は、受け取る情報量は非常に多くなります。
先ほどと同じように、例えば、決裁権がない人がその動画を見たとする。
- これはなかなかいい話かもしれない
- 会社にとってメリットがある提案かもしれない
と言った時に、自分の上司にそのメールを転送して、「こういう営業が来たんだけれども検討してみたらどうでしょうか」というようなことで、その動画が社内で共有される可能性も出てきます。
「これはうちには関係ないよ。やめとこう」という話であれば、そこで余計な呼び出しをされずに済むわけですし、逆に、「なるほど、これはもっと話を聞きたい」と言った場合は、この動画以上の、「さらに一歩進んだ段階の話をしてくれないか」というようなことになるわけです。これは営業する側にとっても非常に効率が良いはずです。
1日に100件飛び込み営業するのは不可能ですが、名刺をもらっている相手に、1日100件、「この動画を見てください」というような連絡をすることは可能です。相手も、興味がなければ見ないだけですし、都合が悪い時には見ないだけです。
この動画のメリットと営業トークを組み合わせると、非常に有効な「営業ツール」ができると思います。
是非、検討していただければと思います。