動画マニュアル撮影のコツ
一目瞭然が魅力の動画マニュアル
今回は作業のビデオマニュアルの撮り方についてお話しします。
作業手順というのは、説明が煩雑になりがちです。「目の前でやってみせる」のは、一番わかりやすい説明になります。
ですから、作業手順をビデオで撮影しておいて、後からビデオマニュアルとして活用する発想は正しいわけです。
その時にやってしまいがちな失敗と、注意について説明します。「やってしまいがちな失敗」は、ビデオカメラを持ったカメラマンが、「自分が撮りやすい角度から撮ってしまう」ということです。
撮影の失敗例
例えば、小さな機械を分解して、部品を交換する手順を説明するとします。
通常は、テーブルの上にその機械を置いて、ドライバーなどの工具を使って機械を分解していきます。
その様子をビデオカメラを使って撮影しようとした時に、大抵の人は「作業者の向かい側」から撮影をしてしまいます。それは単純に撮りやすいからです。
しかし、作業者は自分の目で見て、その機械をいじっているわけです。
「作業者側からは見えても、向かい側からは肝心なところが見えない」ということも、よくあるわけです。それを、何も気にせずに、ただ漫然と撮影してしまったりすると、後から見てよくわからない映像になります。
仮に、手元が全て見えるとしても、問題があります。映像を見て、それを参考に自分も作業しようとした時、
- 自分の目の前にある機械の見え方
- 映像の中の機械の見え方
が、角度的に全然違うので、頭の中でそれを切り替えて、考えながら使わなければいけないということになってしまいます。
例として、車の運転について、ビデオマニュアルを作ることを想像してください。ウインカーを出して右折する解説をするとします。右手でウインカーのレバーを操作して、ハンドルを回します。
車の正面方向からカメラで撮っても、その動作自体は見えるかもしれません。ところが、実際に運転をする時には、正面から自分を見るという機会はないわけです。
正面から見た映像を見ながら、その操作をするためには、自分の頭の中で視点を回転させて、「逆から見た状態」を想像しながら操作する必要があります。
ウインカーのレバーを上げる下げるというような単純な話であれば、一瞬で判断はつきますが、少し複雑な操作になれば分かりづらいですし、間違いのもとになります。
ポイントは撮影位置
本来、「マニュアル」は、余計なところに頭を使わなくても、一目瞭然で判断できる内容を目指すべきです。どうするべきかというと、運転手の後ろから、カメラで撮影をするのが正解です。
そうすると、その映像で見ている映像は、実際に運転席に座った時の映像と角度が似ているので、ほぼ「見たままのことをすればいい」というマニュアルになります。
機械の部品交換の映像も同じで、正しいカメラマンの位置というのは、作業者の「後ろ」です。作業者の肩越しに、その作業を撮影すべきなんです。
理想的なのは、作業者の目の位置からですが、もちろん頭が邪魔になります。
右肩の上から、あるいは左肩の上から、という風に、できるだけ手元がよく見える角度を探しながら撮影をする必要があります。
肩越しに撮れば、角度的に作業者の目から見た映像と近いので、手元が死角になることが比較的少なくすみます。慣れるまでは撮りにくいかもしれませんが、ビデオマニュアルの理想は、あくまでも「見てわかりやすい事」です。
この感覚に慣れて、常にカメラは作業者の後ろから撮ることを心掛けるようにしてください。
撮影時、カメラはいちいち止めない
それから、ビデオマニュアルを作るときのコツですが、手元がよく見える位置を探しながら、カメラの位置を変える間も、録画を止めないことです。写真を撮るように、「構図が整ってから撮影をする」というような撮り方をすると、ファイルがブツブツと切れてしまって、後から映像の管理も煩雑になってしまいます。
動画撮影が10分で終わろうが、20分かかろうが、お金がかかるものではありません。肝心なところを録り逃したり、あるいは、ファイルの管理が煩雑になるくらいであれば、一連の作業はカメラを止めずに一気に撮影してしまうというやり方がおすすめです。
作業メモとして使うだけならこのままでも使えますし、不要な部分を編集して見やすく加工することで、マニュアル化も出来ます。
映像編集をしてマニュアルを作る際は、必要であれば映像を止めて、そこに注意文のテロップを入れる加工も可能です。
編集作業については升田企画でご協力できるので、是非ご相談ください。