「動画は見栄えが大事」という勘違い
ビジネス動画の活用例などを、様々な立場の人が解説しています。それらは、もちろん「一理ある」のは事実ですが、多くは「大企業向けのセオリー」をそのまま解説している印象があります。
ここでは、主に中小企業や個人起業家にとって、有効な情報をまとめてみます。
目次
見栄え重視のテレビ的発想は無駄
「動画」と言えば真っ先に浮かぶのが「映像」です。
映像を使ったメディアの手本として、どうしても「テレビ」をイメージしてしまうのは仕方がないかもしれません。テレビ映像の魅力は、業務用カメラで撮影された「美しい映像」です。
しかし、家庭用ビデオカメラの性能がどんどん上がって、業務用カメラに匹敵するほどの美しい映像が撮れるようになってみると、気付いたはずです。
「映像が綺麗」でも、内容が薄ければ、全く魅力を感じない……
手軽に撮れるスマホのカメラも性能が上がっています。もう、映像が綺麗で喜ぶ時代ではないんです。映像のクオリティーはそこそこでいいんです。内容が良ければ、大資本を元に作られたテレビ番組より、はるかに大きな商業的成功が手に入る事は、ユーチューバー達が証明しています。
多くの映像業者たちは、「そうは言っても高画質なものの方が良いですよ」と言うでしょう。当然です。自分たちに撮影を依頼してもらえないと、商売にならないからです。もちろん、画質が悪いより良いほうが望ましいに決まっていますが、当然、費用対効果で考える必要があります。
私は、通常のビジネス動画には、業務用カメラ品質の撮影映像は不要と考えています。
必要なのは「有効な情報」
「映像は多くの情報を伝えることが出来ます」と良く言われます。しかし、勘違いしてはいけないのは、「文字の5000倍の情報を伝えられます」と言った時の「情報」は、全てが有効な情報ではないということです。
例えば、ニュース。
原稿を読むアナウンサーだけを映している限り、「映像」と「原稿の文章」が持つ、本質的な情報量は変わりません。
ただ、
- アナウンサーの髪型
- 着ている服
- 顔色
- 声の調子
といった、ニュースに関係ない情報が、プラスαで伝わることになります。これらの情報は、単なるノイズです。「映像は情報量が多い」という場合、これらの要素も含めて過大に表現している事を忘れてはいけません。
ニュースを発信する時に、「現場の映像」を加えたり、言葉だけでは正確に伝わらない「物」を見せたりすることで、はじめて「映像が持つ情報量の多さ」が生きてきます。つまり、「映像を利用して有効な情報をどのように加えるか」を意識して、動画を設計する必要があるということです。
伝達に適したメディアはそれぞれ
大きく分けて、メディアには
- 文字
- 画像
- 音声
- 動画
があります。
どれが優れている、ということではありません。
例えば、視覚情報は効果的です。そのため、文字+画像で作られた情報は一般的です。
しかし、運転中のドライバーに情報を伝えるためには、視覚情報でなく、音声情報が適していると言えます。
このように、各種メディアには一長一短があります。
そんな中で、動画だけは、「文字」「画像」「音声」という、別の種類のメディアも全て取り込める、という特徴があるので、最も効率的で、利用価値が高いと言えるわけです。
「音声」+「文字」の圧倒的効果
映像は、カメラで撮影したものだけではありません。実は、文字情報も、音声と組み合わせることで、想像以上の効果を生みます。
例えば、インタビュー映像で表示されるテロップ。もちろん、「音を出さなくても内容がわかる」という効果もありますが、別の大きな効果があります。
テロップのように話している人の「声」と「文字」を同期させると、見る側は、内容が格段に頭に入りやすくなります。聴覚と視覚で情報を補完し合いながら認識できるので、理解に使うエネルギーを、圧倒的に節約できるんです。
テロップよりも、もっと単純化した映像として、文字だけの画面と音声の組み合わせもあります。文字だけ表示させた画面を「フリップ」と呼びます。
フリップとナレーションを組み合わせただけの映像は、けっして、見栄えはしませんが、情報伝達の効果は絶大です。
- 文字だけ
- 音声だけ
という映像に比べると、圧倒的に情報を相手の頭の中に伝える事ができます。
最初に形にすべき動画
これらの、動画の特徴を考慮して、必要な「ビジネス動画」を企画していくのが、升田企画の仕事です。まず最初に「ビジネス動画」を活用するのであれば、「自分に何ができて、誰の役に立てるのか」ということを、簡潔にアピールする事をオススメします。相手の抱える問題を、解決するための「提案」をすることで、「有益な情報発信」になるからです。
ジャンルの違う複数の事業がある場合は、それぞれを別の動画にして、メッセージをシンプルにすることが大事です。
動画の形式は、
- 担当者のトーク
- 商品映像
- イメージ映像
- フリップ
- ナレーション
などの組み合わせが考えられますが、単に見栄えを良くするために、イメージ映像を多くしても意味がありません。
効果的な映像素材がないのであれば、「フリップ」と「ナレーション」をメインにして、相手にとって必要な情報を、的確にわかりやすく構成するほうが、はるかに効果的です。この種類の動画は、大掛かりな撮影が不要なので、低予算でビジネス動画を作成することも可能です。作成した動画は、自社のHPやfacebookのビジネスページなどの、各種SNSなどで公開して、反応を確かめながら活用することになります。
もし、あなたのビジネスのアピールとして、具体的な動画の活用方法が思いつかない場合は、まずはメールのやりとりで、一緒にアイデアを出してみませんか?
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