生配信よりコンテンツ化を活用すべき理由
目次
大口取引先と主力商品にだけ頼るのは危険
「ビジネスにおいて、『1』は最悪の数字」という言い方をします。
- 主なクライアントが1社しかない
- 商品/サービスが1つしか無い
この状態は、状況の変化に対して非常に脆弱です。
商売が上手くいっている時も、『1』に危機感を持って対処していた人は、コロナ自粛の期間中、細々とだとしても活動を続けられました。
- 開店できない飲食店でも、料理の宅配に切り替えたり
- 商品の店舗販売を通信販売に切り替えたり
という人は、商品や売り方を『2つ以上』、持っていたわけです。
今回の状況を教訓に、
- 違う種類の商品・サービスを用意する
- 売り方を2種類以上、用意する
という準備はしておくべきだと思いませんか?
オンライン化の推奨
また、今回のコロナ騒動をきっかけに、様々な分野で「オンライン化」が話題になりました。
例えば、「打ち合わせ」は、オンライン会議で事足りる時代です。元々、これは、コロナ騒動に関わらず、活用すべきだったんです。
30分の打ち合わせをするために、片道2時間かけて相手先まで行く、という事があります。そんな、「無駄なコスト」を掛け続けていることに疑問を持って、改善案を考えるべきだったと思います。
「自分はアナログ主義だから、打ち合わせは直に会うに限る」という人もいます。もちろん、直接会って話す事には大きなメリットもあります。オンラインでは伝わらないということもあるでしょう。
しかし、「費用対効果」を考えてください。
ただでさえ、諸外国と比べて「生産性が低い」と言われている日本です。
リアルに集まって行う、「打ち合わせ」に掛かるコスト。そのコストを上回る「価値」が、本当にありますか?
オンラインのやり取りでは情報量が足りなくて、オンライン会議を2回行う必要があったとしても、費用対効果で考えると、リアルな会議1回分より、割安ではないですか?
私は、例外的に意味のある時以外、「打ち合わせ」はどんどんオンライン化するべきと考えます。
でも、「何でもかんでもオンライン化しよう」という傾向には注意が必要です。
オンラインでも、特定の時間の制約からは逃げられない
オンライン配信は様々な分野に応用できますが、発信する側にとっても、受信する側にとっても、主なメリットは「移動時間の節約だけ」ということを忘れてはいけません。発信者も、受信者も、「特定の時間、拘束されてしまう」ことは、リアルな「場」と変わりません。
意見をやり取りする「打ち合わせ」であれば、リアルタイムのオンライン通信を利用する必要があるでしょう。しかし、「提案」「報告」といった、「情報をほぼ一方的に伝える部分」に関しては、「リアルタイムのオンライン通信」を使う必要は全くありません。
例えば、教室ビジネスにおける「授業」を考えてみてください。
講師は自宅から授業を発信できるかも知れません。生徒も教室に通わず、自宅で授業を受けられます。自分が移動しなくていいメリットは小さくはありませんが、それだけです。
「授業の進みが遅い」と感じる生徒は、リアルな授業と同様、講師の進めるペースに合わせなければいけません。逆に、理解が遅い生徒は、リアルな授業と同様、置いていかれがちになります。
ストックできる「動画コンテンツ」
有効なのは、「情報の動画コンテンツ化」です。
授業そのものを、
流れていってしまう、「ライブ配信」にするのではなく、ストックできる「動画」にして、配信するということです。
生徒は、
- 自分の都合の良いタイミングで
- 理解力に合わせて
情報を得ることが出来ます。
- 既に理解していて、自分に不要な情報を飛ばせる
- 理解しづらい部分、確認したい部分を繰り返し見られる
というメリットもあるということです。
生徒からの質問事項等は、別途、個別にやり取りすれば問題ないでしょう。
その質問のやり取りも、「Q&A」の形でコンテンツ化しておいて、他の生徒が検索できるようにしておけば、それも資産として蓄積されていきます。このメリットの大きさ、無駄なコストの少なさが理解できるでしょうか?
情報を発信する側のメリットとして、
- 都合の良い時に撮影を行なって、動画化出来る
- 動画コンテンツにする際に、情報の体裁を整えられる
- 動画コンテンツが、「資産」になる
- 動画コンテンツは、不測の状況でも活用しやすい
などが挙げられます。
教室ビジネスにおいて、1年間の授業を全て動画コンテンツにすることを想像してください。2年目は、同じ内容の授業に関しては、動画配信で済むかもしれません。
節約したコストを別の所に掛けられるだけでなく、その動画コンテンツは販売用の教材にもなり得ます。バーチャルな教室の展開拡大も狙えるでしょう。教室ビジネスをしている人は、すぐにでも、すべての授業の動画コンテンツ化を検討すべきだと思います。
全てのビジネスの中にある「コンテンツ化」の可能性
分かりやすく「教室ビジネス」を例にしましたが、「うちは教室ビジネスを行っていないので無関係」と思っていませんか?報告や提案など、様々な場面で同じ手法が使えませんか?
他にも可能性があります。
例えば、仕事の中で培った
- ノウハウ
- 問題対処法
があるはずです。それは、その会社の財産です。分野は多岐にわたるでしょう。ノウハウや、問題対処法の多くは、経験者から経験の浅い人に継承されていくものですが、それが上手く行っていないことが多いのではありませんか?
ベテラン社員も、教えるプロではありません。
伝統的に教育体制が整えられている会社でない限り、せっかくの知識や技術が、社内で効率よく共有されていないことが多いと思います。それらの「ノウハウ」や「問題対処法」をコンテンツ化する発想を持ってください。
コンテンツは「商品」としてもストックできる
その情報を動画コンテンツ化することで、社内で情報を共有しやすくなる事は、もちろん有益です。しかし、用途はそれだけではありません。
ノウハウや問題解決方法は、同業他社にとっても、非常に価値のある情報です。「情報自体が商品になり得る」ということです。
「競合する他社に、自分の会社の情報を出してどうするんだ?」という人もいます。
もちろん、企業秘密を出す必要はありません。あなたが、「業界では当たり前」と思っていることも、2,3歩後ろを歩いている会社にとっては、為になる情報である可能性があります。
それに、多くの場合、ビジネスには地域性、特異性があります。自社と商域が違う会社であれば、アドバイスを与えることによって、先方がビジネスを発展させても、自社には何のデメリットもないはずです。しかも、その情報をことさら独り占めしようとせず、同業者に与えることによって、相手は自分のことを「先生」として見てくれる筈です。大抵の場合は、恩を仇で返すような事はしないでしょう。
こういう、オープンな姿勢が、信頼を高めたり人脈を広げるなど、ビジネス上の立場を良くすることは、既にご存知だと思います。
昔ながらの「ものづくりの現場」にある技術、ノウハウも、「動画コンテンツ化」することによって、オリジナルの商品・資産になり得るということを覚えておいてください。
不測の事態に備えて、動画コンテンツ化出来る内容を棚卸しして、商品化・資産化を検討してみませんか?