USP(独自の強味)は誰にでも既にあるが本人には見つけられない?
顧客の判断材料は「売り」
安定した下請けの受注を維持するためにせよ、ユーザーへ直接、商品・サービスを提供するにせよ、必要なことは共通しています。
それは、「顧客から選ばれる理由の提示」です。
この理由が弱いと、選んでもらうために、不本意ながら「値下げをしなければ売れない」ということになります。(この場合は「安さ」が「売り」になります)
あなたは、自分のビジネスで「顧客から選ばれる理由」、つまり「売り」を挙げられますか?
「売り」は当事者には分からない?
ビジネスの「売り」として、自分たちだけの「唯一無二の売り」を探そうとしがちです。
例えば
- 特殊な技術
- 独特の装置
- 革新的な工程
がない場合、唯一無二の売りは、なかなか見つからないのではないでしょうか?
結論から言うと、「売り」は「自分たちだけが持っているもの」である必要はありません。単に、「他の人が言っていないこと」を言うだけでも売りになります。
ビール会社の「売り」を見つけた例
アメリカのビール会社でこんな例がありました。
売上1位のメーカーから、大きく遅れを取っていた2位のビールメーカーが、新しい広告をプロに依頼しました。広告のプロは、最初にビール工場を見学して、ビール瓶1本1本を熱湯消毒していることに驚き、それを広告でアピールすることを提案します。
当初、会社側は、この広告内容に反対しました。なぜなら、ビール瓶の熱湯消毒は、全てのメーカーが行なっている、業界では常識的な作業だったからです。これを「売り」のように告知したら、同業他社に笑われかねない、と危惧したのです。
しかし、「当社の工場では、ビール瓶1本1本を熱湯消毒しています」と真実を伝えただけで、結果としてこの広告は大当たりし、「あの会社のビールは清潔で安心だ」という評価を受けて、売上を大きく伸ばしたということです。
売りは特別なものでなくて良い
このエピソードは、広告やビジネスの差別化を考える上で、いくつかの示唆を与えてくれます。
それは、
- 顧客が評価する情報は、気付かれず埋もれていることがある
- 同業者からでなく、顧客からどう見られるかを考えるべき
- 業界の常識が一般的に知られているとは限らない
ということです。
大切なのは、顧客が安心して自分たちを選んでくれる「判断基準」を提示することです。その内容は、唯一無二の特殊なものである必要は無いわけです。
そして、ビール会社の例からも分かる通り、その業界に精通している「内部の人」には、何をアピールすべきか判断がつかない可能性がある、という特徴があります。(これは、「知の呪縛」と呼ばれます)
隠れた「売り」を探すには、同業他社が当たり前と思ってアピールしていないことを検討する他に、「切り口を変えてみる」という方法があります。
例えば、一つの製品を売ろうとしたときに、ユーザー目線に立って考えると、本来想定していなかった使い方にも魅力があったりします。これも、開発者目線では思いつかない事がほとんどです。
商品・サービスに「売り」が無いという事はありえません。探し方が悪いか、顧客情報の不足や想像力不足が、売りを見つけられない原因です。
以上の点を考慮しつつ、自社の「売り」「アピールポイント」を改めて検討して、情報発信してみてはいかがでしょうか?
動画活用のご相談は升田企画まで
「売り」について参考になりましたでしょうか?
新しく動画マーケティングに興味があっても、「うちには特筆すべき売りがないから、発信できることがない」と勘違いされている方の参考になれば幸いです。
記事の中でもお伝えしたように、課題解決には「部外者の判断」がヒントになり、役に立ちます。
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