合成を馴染ませる工夫

オーソドックスな映画作りには「合成映像」は不要です。

 

必要な映像の元になる状況をカメラの前に用意する、あるいは、必要な映像が撮れる場所に行く、ということが出来るのであれば、それで事は足ります。

 

しかし、頭で考えた理想の映像を再現しようとすると、非常にコストが掛かることがあります。

 

一般的には

  • コストを掛けてでも、イメージを再現しようとする
  • 条件に合わせてイメージを変更する

という選択肢から、答えを出そうとします。

 

現実的には、趣味の活動や低予算の映画づくりでは、コストは掛けられません。

つまり、

  • 条件に合わせてイメージを変更する

という選択肢しか残らないことになります。

 

私は、

「コストは掛けられないけど、イメージは出来るだけ変えたくない」という考えが強いので、昔から特撮技術を使って、合成映像を作ることを選択肢に加えて、積極的に採用しています。

 

その際に、ネックになるのは、ズバリ言って合成映像特有の「映像の不自然さ」です。

 

そもそも、映画は、様々な「不自然さ」との戦い、と言えるのではないでしょうか?

 

ドキュメンタリー以外、ストーリーも作り話です。

演技も、俳優の佐藤浩市氏が言うように、突き詰めれば「ごっこ遊び」。

仮に、リアルな芝居を再現できたとしても、撮影がうまく行かなかったり、編集がまずいと簡単に「不自然な映像」になってしまいます。

 

映画作りにおいて、様々な「演出」は魅力ですが、私は正直、「出来るだけ不自然さを減らす」ということで精一杯です。

また、不自然ささえ、一定の範囲内に押さえれば、その作品が本来持っている「面白さ」「魅力」を感じてもらえて、存在価値が生まれると信じて創作しています。

 

その中での、合成映像の不自然さ。

これを、「どう抑え込むか」、言い方を変えれば、「どうごまかすか」は軽視できない課題になります。

 

合成映像の要素を分解すると、例えば、

  • 背景の景色
  • 手前の人物

の2つの階層となります。

 

この2つの要素が、いかに自然に合成できるかが勝負です。

しかし、何らかの理由で上手く合成できないこともよくあります。

 

それは、2つの要素の色の違いだったり、光の状態の違いだったり、そもそも、クロマキー合成がきれいに出来ていないという、技術的な問題がほとんどです。

しかし、合成していないオーソドックスな映像に比べれば、多かれ少なかれ不自然にはなります。

別々に撮影された映像を一つにする、という、不自然な作業をしているので、ある程度は仕方がありません。

 

大事なことは「作品を完成させること」です。

多少の不自然さはねじ伏せる技術が必要になってきます。

 

その際に有効な方法の一つが、映像合成の階層を手前に増やすことです。

 

背景の景色に人物を合成する場合、一番手前に来るのは、人物です。

合成映像で不自然に見えがちなのは、手前に合成した要素なので、「背景+人物」のさらに手前に、もう一つ、別の要素を合成できれば、「人物が浮いた感じ」を和らげることができます。

 

具体的には、テーブルの前に座っている人物を前から見た映像などで、

  • 室内背景
  • 座っている人物

の手前に

  • テーブル

を合成している例があげられます。

 

この場合、一番手前が、テーブルとなります。

 

背景から浮いてしまいがちな「人物」の前にテーブルの映像を合成することで、強制的に人物を背景とテーブルの間に挟み込んでしまいます。

一つ一つの合成自体のレベルが同じだったとしても、これだけで「人物だけが浮いて見える」という感覚を軽減させることができます。

 

文字通り「ごまかし」ではありますが、自分の実力の範囲内でベストを尽くした撮影を行なった後は、編集段階において、全力で「不自然さをごまかす」という作業にエネルギーを注ぐことは、現実問題として必要な作業です。

 

そして、その作業は後ろ向きで、敗戦処理のような虚しい作業かと言うと全然そんなことはなくて、むしろ、なかなか面白くて工夫のしがいがある作業だったりするのです。

 

今回は、人物合成の不自然さを軽減させるために、人物の手前にも合成要素を追加する方法を紹介しました。

 

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

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