恐竜化石模型の制作

博物館といえば恐竜の骨格標本です。

かねがね、かなり精巧な骨格模型が作れないかなあ、と思っていたのですが、とうとう制作をスタートしました。第1弾として選んだのはタルボサウルスです。そもそもティラノサウルスとの区別が出来ないので、ティラノサウルスにしてもよかったのですが、すでにたくさんの商品が出ているので、ちょっとひねってみました。

実は有名なティラノサウルスは発掘された個体数がそれほど多くはなくて、近縁のタルボサウルスの方がはるかに沢山見つかっていて、研究も進んでいます。

そもそもはアメリカで百竜の王と呼ぶのにふさわしい、ティラノサウルスが発見されたのに対抗して、ライバルのソ連が国費を注ぎ込んで発掘隊をモンゴルに送り込み、アジア版ティラノサウルスとも言えるタルボサウルスを発見した、ということらしいです。存在するかどうかも分からないのに、「国の威信にかけて見つけろ」と言われて見つけてしまうというのも凄い話です。

モンゴルのゴビ砂漠で発見される化石は、保存状態がいい上に、化石に特有の歪みが少ない特徴があります。先日、タルボサウルスの写真を撮りに行った、モンゴルの恐竜展でも、数千万年経っている化石とは思えない、原生動物の骨格標本のようなきれいな化石がありました。

ちなみに、羽毛の形状などがはっきりわかる、異様な保存状態で有名な中国の化石の多くは、平面に押し潰された形に変形しているのが特徴です。

恐竜に限らず、動物の骨格標本には魅力を感じるのですが、根本にあるのは機能美だと思います。子供がはしご車やブルドーザーや飛行機を好きなのも、機能美を感じている部分がある気がします。

そういう見方で言うと、ちょうど昨夜からタルボサウルスの骨盤部分から制作を始めたんですが、骨盤ですらかっこよく思えてくるんですね。

一つ一つパーツを作っていって50センチのタルボサウルスの骨格模型を作る予定です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です