ビッグワンガム的商品の主従関係
20枚くらいの紙を揃えて裁断できるローラーカッターを以前、通販で購入しました。
当時、作家の京極夏彦氏の「書楼弔堂」という小説の冒頭部分を小冊子にしたものが書店で無料配布されていて、その出来がとてもよく、同じようなものを作りたくなったためです。
早々に自作の短編小説の小冊子を作ったりしましたが、表紙の紙の選定なども、なかなか楽しいものでした。
私は趣味で自主映画を作っているのですが、そのストーリーの元にした自作短編小説の小冊子をつくり、本編のDVDとセットにして、サイトの売店コーナーで販売しています。現在は、第二弾のDVDとセットにする小説に加筆をしています。原稿用紙にして二十枚程度の短編なので、手頃なオマケ小冊子になると思います。
この、オマケという考え方で、興味深い意識のズレがありました。
自主映画のDVDは以前から販売していて、本編の映像のほかに、特典映像として使用した小道具の解説や雑談のようなものを収録していました。特典映像はオマケのつもりです。ところが、観た人の多くは「特典映像が面白かった」という感想をくれました。相対的に本編の映像がつまらなかった、という意味では大いに反省すべきですが、もしかしたら本編映像がメインの商品とは限らないのではないか、という考え方が面白いと思います。
ちょうど今は、グリコのオマケが話題になっていますが、昔から、オマケのオモチャがメインで、商品のガムは申し訳程度に入っているという駄菓子もありました。
例えば旅番組を作ろうとした場合、その裏舞台の撮影をしておけば、メイキング映像というオマケができます。しかし、そのオマケをメインにした実例があります。
大人気番組「水曜どうでしょう」がそれです。
あの番組は言ってみれば裏舞台だけを撮影していて、本編の撮影をしていない旅番組のようなものです。映像のクオリティー的にも、ラフなメイキング映像レベルです。ところがそれがすこぶる面白い。DVDのシリーズも異例の売り上げだそうです。
そう考えてみると、私の自主映画のビデオも、バラエティー的な雑談をメインにして、そこで話題になっている本編映像がオマケ、という方がしっくりくるのかもしれません。
(2015.03現在、自主映画のDVD販売はしておりません。動画のダウンロード販売に変更しています)