水曜スペシャル vs 木曜スペシャル

「水曜スペシャル」といえば、我が「川口浩探検隊」ですが、その番組が人気の頃、別の局の「木曜スペシャル」という人気番組もありました。スポーツやバラエティーなど、「水曜スペシャル」と同様、番組の枠の中にいくつものパターンを持っていたのですが、中でも人気だったのが「矢追純一のUFO特集」でした。矢追純一という人は当時、テレビ局のディレクターであって、いわば裏方のスタッフです。当初は番組名に名前は付いていなかった筈ですが、次第に人気が出てくるのつれて、矢追純一ブランドというものが確立していきました。これはなかなか凄いことです。

この人は元々、ドキュメンタリーの演出に非常な手腕を発揮した人で、洞窟探検のドキュメンタリー番組を作るときに、周りの人たちが事前に「どう撮れば面白くなるだろうか、そもそも面白い番組になる素材なのだろうか」と悩んでいるのを尻目に「そのまま撮れば、面白いに決まってるじゃないか」と言って簡単に番組を成功させたそうです。確かにドキュメンタリーは「そのまま撮る」ものですが、単にそのまま撮っても魅力的な番組など作れないのは言うまでもありません。臨機応変な柔軟性と対応力、優れた構成力が備わっていたディレクターだったのでしょう。

後に聞いた話では、アメリカ現地取材を元にしたUFO特集を作る場合は、本当に行き当たりばったり、とりあえずは現地に入り、取材に応じてくれる人の撮影をしながら、とにかく何でも撮る。次々と他の人を紹介してもらい、さらに取材を繰り返す、そうしながらテーマを決め、構成を練ったそうです。まるで「藁しべ長者」のような作り方です。当時の番組を見直すと、時代を考えれば、かなりハイテンポに映像を積み重ねて、シャワーのような大量のナレーションで視聴者に情報を与え続ける構成です。恐らく、見ている方はその情報量に圧倒されて、「消化は出来てないけど面白い」という印象を持つのではないでしょうか。エンターテイメントなので、これも有効な戦術です。

テレビ局が違うので実現は不可能とわかっていても、私は「矢追純一の演出による川口浩探検隊」を作ったら最高に面白いだろうなあ、と思っていました。夢の最強タッグです。

そんな妄想の延長で、今でもDVD制作を続けている自主映画「チーム・ウェンズデイ探検シリーズ」の主人公の役名を「川口」と「矢追」にしているのです。

 

チームウェンズデイ探検シリーズ2

チームウェンズデイ探検シリーズ2

 

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