使用したビデオ機材の変遷

初めてビデオカメラで自主映画を撮り始めたとき、カメラは友人のVHS一体型でした。フィルムと違って安く撮れる、撮影してる最中、カメラの音がしない、と言うようなカルチャーショックを受けました。次に使ったのは別の友人から借りた8mmビデオカメラ。有効画素数がはねあがり、画質の良さに驚きました。ほどなくして自分でもようやく8mmビデオカメラを購入して、その後、中古でHi8のビデオカメラを購入して使い始めます。パソコンに映像を取り込んで編集を始められるようになったのはこの頃です。

映像作品の質というのは画質だけではありません。むしろ画質がいい分、構図やカメラワーク、全体の構成のレベルの低さが目立ってしまって、残念な印象になるということもあります。そういう意味ではHi8でも十分だったのですが、問題はパソコンとの相性でした。パソコンに映像を取り込む、ということはカメラで録画したアナログ映像をデジタルに変換しながらデータ化するということです。実はこの処理が当時のパソコンにとってはなかなか負担が大きくて、コマ落ちというような欠損をしたりする。コマ落ちしないために取り込む画質を落とす選択をせざるを得なかったりして、実はパソコン編集で作った映像の方が画質がかなり悪かったのです。

そんな頃、デジタルビデオカメラが登場します。ソニーのVX1000という機種です。これは世界中でヒットしたカメラで、ビデオジャーナリスト達もよくこれを使っていました。当時、このカメラを使えば画質的にも編集的にも、Vシネマレベルの物が作れそうだ、という印象を持ちました。デジタルビデオカメラの映像は、あまり画質を劣化させずにパソコンに取り込めるメリットがあるのです。そして初めてのデジタルビデオカメラによるSF作品を撮り始めます。やはり画質の良さは段違いで、編集も快適に進みました。事情があって、次に予定していた長編コメディーを前倒しで作る事になり、そちらが先に完成しました。

画質面では大満足のVX1000でしたが、非常にバッテリーを食う事、LPモードで長時間の撮影が出来ないこと、ファインダー以外のLCDが無いこと、というような弱点もありました。LPモードでの長時間の撮影がをする必要があったことと、Hi8のアナログ映像をデジタルテープにコピーする必要から、5万円で安いデジタルビデオカメラも購入してみました。

しかし、やがて後継機種VX2100でそれらの弱点が解決されたこともあり、買い換えを行います。趣味の出費としては痛手でしたが、結果的にはそのカメラを使って舞台撮影の小遣い稼ぎなど出来たので、カメラ代と、同時に買い換えたPC代は回収できました。

(つづく)

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