運動会、おゆうぎ会のビデオ撮影方法(邪道映画術の応用)

ビデオカメラが普及して、生活の中で色々なシーンの撮影をする機会が多くなっていると思います。

そんな中でも運動会や幼稚園のおゆうぎ会などは、ビデオ撮影の格好の対象です。でも、正直に言って、これらの撮影は結構、難易度は高いと言えます。NGを出したらもう一回やり直せる映画撮影のほうが、ある意味易しいとさえ言えます。

こんな、失敗の許されない場面の撮影では、馬鹿馬鹿しく聞こえるかもしれませんが、とにかく最低限「映っている」ことを優先させてください。

優先順位としては、

1)被写体が画面に入っていること

2)ピントが合っていること(これはオートフォーカスに頼るのが無難です)

3)露出が合っていること(これもカメラに頼りましょう)

4)構図が良いこと

となるでしょうか。

ここで主に何が言いたいかというと、「構図」はある程度甘くなっても、安全に画面に入っている方を選択したほうが良いですよ、ということです。

ビデオカメラの手振れ補正は確かに最近すごくなってきていて、うまく使うと驚くほど見やすい映像が撮れます。ただ、電気屋で流れている運動会の映像などを見ると、「これと同じイメージで撮影できるのは、ある程度の上級者だろうな」という印象を持ちます。多くのサンプル映像は、運動会で走っている子供を、全身がいっぱいになるくらいのズームアップで捉えている映像で、「手振れ補正でここまできれいに撮れますよ」というものです。

ところが実際、動く被写体をアップのまま画面の中に捉えたままで追ったり、被写体を追いながらズームアップするというのは、技術的にかなり難しいことです。走ってくる子供を何度も撮っていれば、手が慣れてきて上手く撮れる確率は上がりますが、肝心の自分の子供が走っているときに成功するかどうかは分かりません。いくら高性能の手振れ補正機能といえども、画面から外れてしまっている被写体を、後から画面の中に入れることはできないのです。

そこでお勧めしたいのは、店頭のサンプル映像にあるような、構図的に無駄のないアップでは撮影せずに、ある程度余白を持たせた構図、つまり、被写体をあまりアップにしすぎない構図で撮影することです。走っている表情までアップで捉えたいのは分かりますが、見づらい映像になってはせっかくの撮影が台無しです。

そして、構図的にアップに修正したければ、編集で拡大するのです。

今、売られているような小型のビデオカメラの画質は、通常、「フルHD」と呼ばれるものです。これは、一昔前から考えると、信じられないくらい高画質です。編集で多少拡大しても、画質劣化はDVD画質くらいまでに抑えられます。その画質を利用するのです。

編集の手順としては、映像制作としては邪道な気もしますが、

1)撮影した素材の要らない部分をカットする(これだけでもかなりすっきりします)

2)編集ソフトの機能や、別ソフトを使って、手ぶれ補正処理をする

3)アップにしたい部分を拡大する

という具合でしょうか。

とにかく、やり直しがきかない撮影に関しては、一か八かで「いい映像」を撮影しようとするよりも、失敗しにくい「安全な映像」を撮影するように心がけるといいと思います。もちろん、編集で修正を加えると、カメラの持つ、フルHDの画質よりは落ちますが、DVD画質でも十分観ていられるはずです。

舞台上で演じる、おゆうぎ会の類などは、ついついわが子だけアップで撮影してしまいがちですが、ある程度全体を撮影しておいて、編集で部分的にアップの映像を作ると、複数のカメラで撮影したような、本格的な舞台映像風の映像ができて楽しいと思います。

アドバイス等が必要であれば、お気軽にご連絡ください。

せっかくのビデオカメラですから、大いに活用しましょう!

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