プロとアマは行動力の差
自分の得意なことがあるとして、例えばそれを仕事にするとプロと言っていいと思います。
大事なことは、その得意なことがプロのレベルに達しているからプロになれる訳ではない、ということです。
私も含めて、多くの人は何かの得意分野について「それで商売をすればいいじゃん」と言われても、「いや、まだそんなレベルじゃないから」と言って行動を起こせずにいます。
プロとしての資格が必要な分野であれば、プロとアマチュアの違いがはっきりしてそうですが、資格を持っているからといって、プロとしての成果を出せるか、というと、そう言うわけではない事は多々あります。
昔、映画監督の大林宣彦さんが若い人からの「どうしたら映画監督になれますか」という質問に対して「今日から、私は映画監督です、と宣言しなさい。その瞬間から映画監督です」と答えていました。これには色んな意味があると思います。映画監督には資格がないのだから、自覚さえ持てばプロと同格ですよ、という励ましにもなりますし、肩書きが欲しいだけなら名乗ればいい、問題は映画監督という肩書きを手に入れる事ではなく、作品を作る行動力だ、という厳しいアドバイスとも取れます。
世の中でプロとして活動している人の多くは、資格や技量を十分に整えてからプロになった訳ではない筈です。俳優の丹波哲郎さんは、本当は英語にそれほど堪能では無かったのに、「英語は出来ます」と言い切ってGHPの通訳をしていたことがあるそうです。プロの通訳としてです。
そう考えると、プロとしての技量に達しているかどうかではなく、当たり前の顔をして多少得意なことをやり、報酬を受けとる、という行動力さえあれば、スタートはできる、ということです。
最近は作家志望の人が増えたり、自己表現、自己主張の願望が強い人が増えているといいます。また、発信するための手段も容易に手に入ります。バイタリティーがある人は、トラブルにならないような最低限の配慮をしたうえで、どんどん行動を起こすべきだと思います。