シナリオ作成の注意点・より簡潔で的確な表現を探す


TBSラジオ「ウィークエンドシャッフル」という番組の中に、映画紹介のコーナーがあります。パーソナリティーの宇多丸(ライムスター)が毎週、無作為に選ばれた映画を観てきて、分析し、解説をするコーナーです。

恐らく今、この人ほど的確に映画を分析できて、エンターテイメントとして解説できる人は、他に居ないのではないでしょうか。映画好きの方、創作好きの方にはオススメです。

映画の7割、8割はシナリオで決まる、というのはよく言われることで、その通りなのです。

しかし、素人シナリオ作家としては、物語を作って、辻褄を合わせをして、「撮影」という現実問題をクリア出来そうなものを書き上げるのが精一杯で、その段階の原稿を「完成シナリオ」として使用してしまいます。

宇多丸氏の解説を聞いていると、つくづく、「本当のシナリオ作りはそこから始まるべきなのだ」という事を痛感します。

具体的には、舞台の設定、状況の説明、登場人物の性格などを、わかるように表現しているつもりでも、それは必要条件に過ぎなくて、さらに深く考えて「この表現より簡潔的確な方法はないか」というアイデアを振り絞ることが大切なのです。

が、実際には最低限のレベルのシナリオを書いた時点でスタミナ切れ、時間切れとなって、次の段階である撮影に突入してしまうのが常です。

場合によっては、シナリオが完成する前に撮影開始、という事態にもなりがちです。出演者など、協力者のスケジュールを優先するためです。

筋はシナリオ、見せ方は演出の役割、という考え方もあるでしょう。

シナリオと演出を担当するのが別人で、役割分担が上手く出来ていれば、それも機能するかもしれません。

しかし、自主制作映画などの場合は、プロデューサー、演出、シナリオが大抵、同一人物だったりします。

できれば第三者、いなければ自分が宇多丸視点でシナリオ、演出プランを見直してから撮影に入りたいものです。

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