さらばMac
私は始めて買ったパソコンがマッキントッシュでした。それは単に、大学を卒業して入社した会社でマッキントッシュを使っていたので、操作環境(一つボタンのマウス)に慣れていたから、という理由です。
当時はスペックも低いものだったので、趣味の自主映画のシナリオ入力と出力くらいにしか使えませんでした。そういえば、会社の先輩に見繕ってもらって外付けのHDDとプリンターも買いましたが、HDDの容量は2Gでした。それでも当時としては無限に近い大きさに感じたものです。
当時、パソコンに詳しい先輩たちが「近い将来、個人のパソコンでもビデオ編集ができるようになるよ」と話してくれていて、半信半疑ながらワクワクしていました。パソコンには未だに詳しくなくて、それ自体、あまり好きではありませんが、ビデオ編集できる道具、という一点があればこそ、使い続けています。
やがて、映画監督の岩井俊二が「スワロウテイル」という作品で本格的にノンリニア編集をし始め、徐々にパソコンレベルでも、画質さえ大幅に落とせば、本当にビデオ編集できるようになってきます。
しかし、致命的なことに、当時のMacはとにかく動作が不安定で、作業の途中で強制終了してしまうことが日常茶飯事だったのです。
これは大きなストレスでした。
この不安定さは常識としてまかり通っていて、その後、Macは新しいOSが出たときのテレビCMで「OS Xにしてから、一度もフリーズしてません」というような事も売りにしていました。
これは、車に例えたら「今度の新車は交差点で一度もエンストしてません」と自慢するようなものです。
実際、新しいOS以降は飛躍的に安定性が増したそうなのですが、それまで長年、Macの不安定に起因するストレスが溜まっていた私は、2005年くらいに編集した作品を最後にMacを見限り、初めてウィンドウズの環境を整えました。
ウィンドウズ環境での作業性はそれまでの不安定なMacと比べ、雲泥の差でした。嬉しい反面、なぜもっと早くウィンドウズに乗り換えなかったのか悔やみました。
そして今は、3台目のウィンドウズPCを使っているのですが、Macで編集した作品を修正するためや、Macで編集途中の作品もあったので、一応、最後のMac本体をとっておいたのです。しかし、現実的に、いまさら古い環境で編集を再開するより、改めてウィンドウズ版で映像の取り込みからやり直したほうが効率がいいだろう、ということになり、ようやくMacを廃棄することにしたのです。
最近は物価が安くて、PCのような機器も安く買えますが、廃棄がなかなか面倒です。しかし、PCの場合は、着払いの宅急便で回収業者に送れば、データ消去も含めて処分してくれます。参考までにリンクを張っておきます。
サイトでは、ビニール袋で簡易梱包して、ヤマト便で送る例の写真が載っているのですが、奇しくもそのパソコンが今回廃棄したのと同型のMacでした。