川口浩探検隊の「本気のヤラセ」は無罪である
根強い人気を誇る「水曜スペシャル」
2015年3月から「EX大衆」で《プチ鹿島の「川口浩探検隊」探検隊 》というコーナーが連載中です。
上記記事の中にある著者のコメントとして「私は新しく始めた連載で「川口浩探検隊」の探検隊に出発した。「水曜スペシャル」を半笑いではなく真面目に探りたかった。」とあります。
連載は未見ですが、テレビ番組のフォーマットとしての水曜スペシャルの貢献について触れられていく気がします。
期待しています。(記事はいずれ書籍化する予定とのことです。大変楽しみです)
ヤラセ問題とは何か
「水曜スペシャル・川口浩探検隊」の話題には必ず「ヤラセ問題」がつきまといます。
いつも同じようなことを言っていますが、「問題のあるヤラセ」というのは、報道など、情報が正しいことが前提の映像であるべきところを、代役がインタビューに答えたり、編集のトリックによって印象を操作したり、逮捕された容疑者がいかにも犯人であるかのように演出してニュースとして流すことです。
ニュース自体にBGMを付けるのも不要なヤラセだと思います。
一方、川口浩探検隊の「ヤラセ」は「問題の無いヤラセ」と言える筈です。
視聴者の一部が、「ドキュメンタリーだと思っていた。だまされた」と憤慨することが多かった番組で、批判を受けていましたが、それは「ミスターマリックが超能力者だと思っていたのに、手品師だった」と批判するようなものです。
むしろ、本物に見えることを楽しむべき対象のはずです。
一般のドラマにおいて「このドラマはフィクションです。」という画面を出すのは、単にクレーム対策というか自主規制で行っているだけで、ルールではありません。
B級映画などで、冒頭「この映像は全て真実である。」と出ることがありますが、実に楽しい要素です。
これらに対してクレームを付ける人が増えて問題になることを防ぐには、テレビや映画を全て真に受けてしまう人に視聴制限を与える方が手っ取り早いかも知れません。
川口浩探検隊の「ヤラセ」は「本気のヤラセ」
隊長の川口浩がピラニアに噛まれて怪我をするエピソードがありました。
その怪我自体は正に事実で、事故でした。
しかし、私は撮影の裏話を聞いて感動しました。
実際は、釣ったピラニアを共食いさせて、骨だけになった状態の映像を撮影した後、カメラが回っていないところで川口浩たちがその死骸をつついて遊んでいるときに、事故が起きました。
顎の強力な神経が生きていて、口の中に入れた指に反応して噛み付いたのです。
指先は切断寸前の深い傷で、指の骨を残して上下の肉が切断された状態でした。
私は後に川口浩が出演しているテレビ番組で、その話題になって「まだ傷が残ってますよ」と言ってカメラに見せた映像を覚えています。
「傷が残っている」というレベルではなく、「ひどい傷跡」でした。
事故の現場ではみんながパニックになりましたが、川口浩本人は「バカ!カメラを回せ!」と言って、血だらけの状態を撮影させたそうです。
そして、応急処置をした後、傷の痛みを隠しつつ「噛まれる瞬間のシーン」を改めて撮影した、というのです。
もちろん、映像としてそれがないと繋がらないからです。
私はこれを「本気のヤラセ」として大いに評価します。
こういう姿勢で番組を作っていたからこそ、私をはじめ、多くのファンも惹きつけたのだと思います。
ちなみにMVGの第1弾作品は「水曜スペシャル The Movie 水晶ドクロ伝説」。
この作品は、アマチュア映画やバラエティー番組にありがちな、「川口浩探検隊」の単なるパロディーではありません。
「テレビの川口浩探検隊を、もし劇場版映画にしたら?」というコンセプトで、設定から根本的に見直して、和製インディー・ジョーンズのような、本格冒険映画を目指して製作しました。
主人公の名前は川口浩。
国際探検協会日本支部にある7つの調査チームの一つ「チーム・ウェンズデイ」の隊長で、その優秀なチームは尊敬をこめて「水曜スペシャル」と呼ばれている、という設定です。
前述のピラニアに噛まれるシーンを彷彿とさせる、オマージュシーンなどもふんだんに登場しますが、一切、笑いの要素は入れていません。
この作品は、本家・川口浩探検シリーズで使われていたBGMを出来る限り再現しています。
私が長年かけて集めた映画サントラLPの音源から使っているため、残念ながら権利上の問題があり、テレビ以外での公開や、販売することが出来ません。
公開の要望が多ければ、BGMを入れ替えたバージョンを製作する構想はあります。
その後、チーム・ウェンズデイのその後を描いた新シリーズとして、「チーム・ウェンズデイ探検シリーズ」を製作しています。
動画&読み物の新しい電子書籍
内容紹介:
昭和の名物番組「川口浩探検隊」のDNAを勝手に受け継ぐべく製作している、オリジナル探検シリーズを、電子書籍として出版。 本編の動画はもちろん、メイキングの裏話、対談動画、特典映像、原案小説、撮影メモなど、ビデオとしても読み物としても楽しめるビデオマガジンとして出版しました。 インディーズムービーの新しい発表形式としての提案です。
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紹介しているKindle本は全てunlimited読み放題です。 前述「チーム・ウェンズデイ探検シリーズ」は、「川口浩探検隊と特撮を組合わせたらどうなるか」という実験のシリーズでもあります。
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