うつし世はゆめ よるの夢こそまこと
大乱歩とも呼ばれる文豪、江戸川乱歩。2015年の7月末に没後50年が経過します。著作権の保護期間が終了して、二次利用等が可能になるのです。
他人である作家の作品に手を加えて商用利用したりすることには賛否両論あるかもしれません。しかし、魅力のある作品は、二次利用作家の手を介してでも、自ら露出の機会を増やそうとする力がある、とも言えるかもしれません。
江戸川乱歩というと、子供向けの作品も多いので、誤解している人もあるかと思いますが、一般向けの作品は名作揃いです。
実は私も誤解をしていたクチで、天地茂主演のテレビドラマの影響で、原作もチープな特殊メイクの似合う、B級の小説だと思い込んでいたのです。
今では、あの一連の小説を、テレビドラマに落とし込んで、独特のブランドを作った、という、別の感心をしていますが。
私は「読書が趣味」と言えるほどの深い読書もしていないので、浅い印象に過ぎませんが、乱歩作品は京極夏彦作品と共通点が多いような気がします。荒唐無稽さと、それをねじ伏せる論理性、適度なエログロ趣味が好きな人であれば、楽しめるのではないでしょうか?
これまでも多くの映画、ドラマ、ラジオドラマに変換されてきた乱歩作品ですが、著作権が切れるのを期に、レベルの高い二次利用作品が多く出てきて、改めて原作の評価も上がるといいなあ、とファンとしては思うのです。