「凄い!ジオラマ」マイナーな方が価値があるという事

先日、「凄い!ジオラマ」という本を見つけて購入しました。この人の作品はテレビなどでも紹介されているので、見たことがある人もいるかもしれません。

これを見ると、ミニチュアは精巧であることは大前提ですが、ジオラマという作品においては、「目の付け所の面白さ」が大事だ、ということを痛感します。

空き地放置された廃車や昔なつかしいバキュームカーなど、「商品としての模型」とは違った面白さがあります。

もう一つ、魅力の一つとして、作品の裏側にある、作り方の紹介があります。
プラモデルをきれいに作る方法はYoutubeなどでも公開されていて、結構面白いのですが、この本のなかには「パンクしたタイヤの作り方」などが紹介されています。
もちろん、そういう状態のタイヤを作ろうとする人にとっては、直接、参考になる情報ですが、読者の大半はそれを作る機会がないでしょう。でも、面白いのです。映画のメイキングなどの面白さも、日常生活に役立って、参考になる情報ではありませんが、「特典映像」などのように、商品として成り立っています。

これは、例えば小さなビジネスを興そうとするときのヒントになる気がします。
ビジネスは需要と供給のなかで発生するので、どうしても「その事に需要はあるだろうか」と先に考えてしまいがちです。しかし、潜在的な需要というものは、まだ見えていないことが多いはずです。何の気なしにやってみたら受けた、という事も多くあります。

自分が何かを発表して、それが評価されると嬉しいものです。
でも、それは、「どういうことが評価されそうか」を考えてから行動しても、桁外れの才能が無い限り、なかなか上手くいきません。「評価されるかどうかはともかく、これは楽しい」などと思って全力で作るからこそ、魅力が生まれるのではないでしょうか?
最近読んだ本の中で共感した考え方があります。
「空気を読むのではなく、空気を作れ」「自分の作ったものが受けなかった場合、周りに合わせるのではなく、周りを置き去りにしてさらに突っ走れ」というような考え方でした。
これは、「人と違ったことをするのが苦手」「変わり者を思われるのが嫌」という人にはハードルの高い提案かも知れません。
しかし、私はここにこそ、希望を感じるのです。
「すごい!ジオラマ」の模型は一級品ですが、生活の役に立つものではありません。それ自体、量産して販売するようなものでもありません。「将来、ジオラマのプロになる」と決意したとして、「そんなものが仕事になるのか?」と需要を考えてしまうことは容易に想像できます。しかし、たとえマイナーな分野に思えても、自分の価値観で技を究めていけば、「魅力」が生まれ、「価値」と「需要」が後から生まれると思うのです。

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