コケリウム・プロジェクト2
陶器用の粘土を使ってオブジェを作るためには、焼く必要があります。焼く(焼成する)事によって、水に濡れても粘土に戻らなくなる、陶器になるわけです。
本格的に焼くためには窯を使って温度を上げる必要があります。粘土の説明書には、必要な温度として1200度とあります。
しかし、陶器とは言っても、強度が必要な食器を作るわけではなく、縄文時代の土偶程度の強度で十分ですから、土偶と同様、今回は野焼きで焼いてみました。
野焼きで焼き物を作るやり方は色々なサイトで案内されています。概ね、5, 6時間焼くと書かれています。
しかし、7月現在、連日、熱中症で多くの方が亡くなっているような暑さです。野焼きは夕方から行うことにしました。
場所は時々、釣りや自主映画の撮影で行く浜辺です。
何回かに分けて作成した粘土細工は結構な数になっていますが、焼くときにかなりの割合で割れる、と言われているのですが、これだけあれば、コケリウムサンプルを作る分は生き残るだろう、と判断。明るいうちから野焼きを始めました。
まずは調べた通り、火の周りに粘土を並べ、ゆっくり温度を上げていきます。急激な温度変化は割れる原因だからです。
気温の暑さと炎の熱さで汗だく状態です。
粘土の温度が上がっているかどうかはよくわかりませんが、続いて粘土を火のなかにくべて、上からどんどん薪を追加して焼きます。あんまり炎が大きくなると危ないので、追加のペースが難しいところです。
出来れば粘土がおき火に埋まった状態で焼き続けたいのですが、炭で粘土を埋めるのはなかなかうまくいきません。
そのうち、乾燥が甘かったり、中に空気が入っていた粘土が炸裂を始めました。
割れることは覚悟していましたが、まるで火薬を仕込んでいるかのような勢いで、粘土が炸裂するとは想定していませんでした。
粘土が炸裂する際、火のついた薪も弾け飛ぶため気が気ではありません。当たると痛いほどの勢いの上、熱いわけです。のんびりと椅子に座ってもいられず、飛び散った薪を集めたりその場で火を消したり。
しばらくすると炸裂は収まりました。
辺りが暗くなってきて、一体、どれくらいの粘土が無傷で残っているのかわからないまま薪が燃え尽きるのを待ちます。
本来は6時間焼く予定でしたが、粘土がおき火のように真っ赤に焼けているので、焼成は十分だろうと判断して、3時間で終了させました。
薪の中から割れているもの、割れていないもの、様々の粘土を取り出し、自然冷却させる間に消火活動。
第一回目の野焼きを終了しました。
(コケリウムプロジェクト3に続く)