特撮映画としての「ジュラシック・ワールド」
「ジュラシック・パーク」への壮大なオマージュ映画
特撮映画のエポックメイキング作品「ジュラシック・パーク」は、その後、4年おきに「2」「3」が作られました。
私の印象としては、
- 「ジュラシック・パーク2」は恐竜図鑑
- 「ジュラシック・パーク3」は古典的恐竜映画への応用
という感覚を持ちました。
そして第1作から22年後、第4作「ジュラシック・ワールド」が作られます。
「ジュラシック・パーク」がそもそも「キング・コング」へのオマージュ的シーンがあって、特撮技師である、ウィリス・オブライエンをはじめ、「伝説の特撮の神様たちへの尊敬」が表れていました。
そこが古い特撮映画ファンとしては嬉しかったのですが、この「ジュラシック・ワールド」は第1作へのオマージュ映画と言えるでしょう。
序盤、パークならぬワールドに入園するシーンでは、映画の世界にもかかわらず「とうとうこれを実現させたか!」というような妙な感慨が湧きました。
これは22年前、リアルタイムで「ジュラシック・パーク」に衝撃を観客ならではの特権的な感動です。
出てくる恐竜や、恐竜時代の爬虫類(海竜や翼竜)も多彩で、「大味な映画だなあ」と半ば呆れながらも楽しみました。
一方で、特撮映画として観ると、前に紹介した「特撮映画としての進撃の巨人」と全く逆の印象になります。
私の基準からすると、やはりCG特撮は「画面の出来」とは別の問題として、作り手目線で考えると楽しくは無いんです。
第1作のパンフレットと今回のパンフレットを比べてみるとよく分かります。
「ジュラシック・パーク」では、主役である恐竜を
- 実物大の恐竜を作りました
- 着ぐるみも使ってます
- CGを使ってます
という解説が盛りだくさんで、それを組み合わせて、生き生きとした恐竜を登場させている、という映画ならではの楽しさが伝わってくるんですね。
一方で、「ジュラシック・ワールド」では、1シーンを除いて、全てCGで作られていて、恐竜の着ぐるみなどは造っていないそうです。
それを言わなければ分からないレベルまで向上したCG技術は、確かにものすごいものと言えますが、解説としては、「全てコンピューター内で作りました」の一言しか言えないのです。
「特撮」というよりはアニメーションの世界です。
特撮は特殊撮影のことですが、コンピューター内で作った映像は撮影すらしていません。
オープンセットの巨大さや、エキストラの尋常ではない数などで、ハリウッド的物量にモノを言わせている大作映画であることには間違いありません。
しかし、主役の「恐竜」はデジタルデータしか実在しない。
純粋に「映像」として幻のように恐竜が出てくる「映像作品」なんだなあ、という一抹の寂しさがあります。
もちろん、これは「工作系映画」が好きな私の偏った個人的な感想です。
メイキング資料や撮影裏話ではなく、あくまで完成した「映画」だけ楽しむという「本来の観客」の皆さんの期待は裏切らない映画と言えるでしょう。
その上で、私は「ジュラシック・パーク」シリーズを見事にまとめてくれた事に感謝しつつ、ミニチュアやマペットを多用した、オリジナル特撮恐竜映画を作ってみたいという思いを強くしました。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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夏の娯楽大作として、ニヤニヤしながら観ました。
特にラストの展開。
やっぱり恐竜と言えば…。
すでに続編が決まっているようですが、遺伝子操作した恐竜より怪獣がウジャウジャ登場する映画になりそうで心配です。
商業的には延々と続編を作りたいだろうけど、もう厳しいでしょうね。ただ、世代の違う人たちの嗜好は全く理解できなかったりするので、自分たち以外には、まだまだ受ける要素があるのかも。
個人的には、舞台が髑髏島の「キング・コング」続編完成が楽しみです。