大人の塗り絵 ヒットが意味するもの
ナゼ「塗り絵」?
不振が続く出版業界と言われる中で、この数年、爆発的に売れているのが、この「大人の塗り絵」です。
絵画を見たときに「自分も描いてみたいなあ」と思う人は多くいます。
絵の種類にもよりますが、大抵の場合は、我々アマチュアでも安く画材等を揃えて、絵を描く環境を整えることは可能です。
しかし、「描いてみたい」と思った人のうち、本当に始められる人は、ほんの一部です。
それは何故か。
環境を簡単に整えられても やはり、まだ「敷居が高い」のです。
白い画用紙を前に「自由に好きなものを描いていいよ」と言われても、まず、何を描こうかと迷ってしまう人が大半です。
このあたりは、個人の性格にもよりますが、失敗を恐れずやってみる人と、出来るだけ準備を整えて、少しでも失敗しないようにしたい、という人には大きな差が出てしまいます。
私も本来、決して「失敗を恐れずやってみる」タイプの人間ではないので、実行できない気持ちは良く分かります。
絵画で言うと、例えば水彩画の絵の具のぼかし方の技法が面白くて「ちょっとやってみたいなあ」と思っても、まずは基礎のデッサンから練習しなければ絵の具を使うところまで行き着かない訳です。
そうなると、「いやいや、自分は絵の具を使ってみたいだけだったんだ。絵の基礎から身に付けたい訳じゃない」ということで、スタートすらできない状況になるのです。
「塗り絵」は基礎の骨組みとしての「下絵」がしっかり用意されています。
大抵の場合、色を塗りさえすれば、それなりに完成しますから、安心して手軽に色を塗り始められる利点があります。
しかも、子供向けの塗り絵と違って、かなり細かくて、出来上がると見映えがするので、達成感を味わえます。このあたりがヒットの要因でしょう。
「大人の塗り絵」の次に来るのは?
私は、この「大人の塗り絵」のヒットは多くのことを示唆していると思います。
以前、手芸店で材料や道具がセットになった「キット商品」がたくさん並んでいるのを見た時も思いましたが、「スタートの手助けをする」ということが多くの場面で求められている、という事です。
何か楽しい事をすでにやっている人から見れば、「簡単だからやってみればいいのに」と思えることでも、未経験の人には思いのほか敷居が高いのです。
私は自分の趣味でもある映画作りを、多くの人に紹介して、一緒に仲間を増やしていこうと企んでいます。そのための第一歩として、電子書籍で小冊子「映画作りを趣味にしませんか?~DIY映画制作の勧め~ 」も出版してみました。
これは、文字通り、「映画作りは趣味になり得ますよ。楽しいですよ」という紹介です。
おかげさまで多くの方に読んでいただきました。
映画作りの趣味の輪を拡げるには、「大人の絵本」方式で、下絵としての準備を整えた「キット」と「講座」が必要でしょう。
「大人の塗り絵」に対して、個人が趣味で映画を作るのは、「大人のごっこ遊び」かもしれません。
「絵を描いてみたい」と思った人が「大人の絵本」で絵画の趣味をスタートするように、「映画を作ってみたい」という人が映画作りの趣味をスタートするのをサポートするのが、MVG博物館です。
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