低予算で本格B級モンスター映画を作る方法(8)・背景映像の撮影

3日目・背景撮影(その1)

ようやく、「7日間でB級モンスター映画を作る」の本来の計画の3日目・背景撮影を行ないました。

今回のショートムービー企画では、

  • 登場人物の撮影を1日で済ませたい
  • 登場人物を後から入れ替えられるようにしたい

という非常識な仕様を条件としているため、人物はグリーンバック合成、背景は別撮り、という手法を採っています。

実は2日目に作成したシナリオと言うのは、執筆した時点で、ある程度、撮影場所を想定しています。これは、良し悪しは別にして、ストーリーを書くときの私の癖で、無意識のうちに撮影を前提に考えてしまうのです。これが悪いほうに働くと、小説を書いているのに「ちょっとこのシーンはロケが大変だなあ」などと感じて手が止まってしまうことがあります。今回の企画には、この癖はプラスに働きそうです。

人物無しで、背景だけを撮影する、と言う作業なので、一人で身軽に行なえるため、強行軍も可能です。

まずは、以前に来たことがある公園です。ここの、普段は無人の管理事務所が、何となく保安官事務所に見えるのです。(私には)

保安官事務所2

建物の中には入れないのですが、保安官が入り口に立っているところを、こっちから撮影して、ということを想像しつつ、背景となる映像を撮影しました。現場ではカメラとシナリオを片手に一人芝居をしながら、ウロウロしているので、いわゆる不審者です。

不審者と疑われるだけなら困りはしないのですが、おせっかいな人に通報されても面倒なので、対処法をお教えすると、コソコソした行動をしないことです。ある程度目立っても、堂々とビジネスライクに振舞う演技が有効です。

次に、同じ敷地内にある森の一角です。ここは太平洋戦争当時の防空壕がいくつも残っていて、地形的にも面白いので一度使ってみたかった場所なのです。

防空壕

実は今回のシナリオに出てくる洞窟は、この防空壕からイメージしています。この防空壕は現在は入れませんが、戦時中、単に空襲の退避用ではなく、日本海軍の戦闘機の組立工場や変電所などが入った地下施設だったのです。シナリオではそれを膨らませて、洞窟の中に戦闘機の残骸や武器が残っていることにしています。

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・1日目 企画会議
・2日目 シナリオ作成
・3日目 背景撮影
・4日目 絵コンテ作成
・5日目 グリーンバック撮影
・6日目 編集1
・7日目 編集2・仕上げ

このほか、工作系映画ならではの、数々の小道具制作のメイキング解説などを、各章に「番外編」として掲載しています。

一つのプロジェクトの読み物として楽しむだけでなく、本格的なストーリー系創作者を志す方、工作系創作者の方にも、参考になると思います。

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