論文作成の正しい順番は?
X:研究>論文 ○:論文>研究
研究者がその成果を公に認められるためには、学術論文で発表する必要があります。
何かで読んだのですが、日本の研究者とアメリカの研究者を比べると、アメリカの方が論文を書く本数が圧倒的に多いのだとか。
発表するためには、英語の論文が必要で、その意味でもアメリカの研究者は有利なのですが、本質的な違いは他にあるようです。
研究者は、あるテーマを決めて、例えば、「こういう条件を揃えれば、こういう反応が起きる」ということを証明して、論文にまとめるのですが、日本の研究者は、実験を行なって全ての結果が出てから、論文執筆に入ることが多いようです。
それに対してアメリカの研究者は、先に、自分の仮説に基づいて、論文を書き上げてしまい、実際の実験は、その「先に書いた記録」に沿って行なう、というのです。
もちろん、予測と違う結果が出れば、それに応じて随時、論文は修正していくので、最終的には当初のテーマと異なる成果に基づいて、予定外の論文になる事もあるでしょう。しかし、実験が終了して結果が確定したのとほぼ同時に、論文も完成してしまうのです。
同じ時期に競合する研究をしていて、同時に結果を証明出来たとしても、その時点から資料をまとめて論文を書き始めていては、発表時期で敵うはずがありません。
この話は大分、極端に簡略化したものかもしれませんが、私は自分でも応用できると感じました。
そこで、今回の自主映画関連本「B級怪物映画制作 7日間でB級モンスター映画を作る」はこれを応用して執筆する事にしました。
具体的には、プロジェクトの全体像が出来たところで、各作業工程について、「先に」記録を書き始めたのです。もちろん、予定していた2つの対談などは、相手とのやりとりですから予測が出来ず、細かくは書けませんが、自分ひとりで行なう作業は、計画に従って、あたかも出来事の記録のようなつもりで、先に書きました。そして、原稿に書いた行動を実際になぞるようにして、実作業を進めたのです。
結果、どうだったかというと、半分くらいは予定通りに進まずに、手法を変更したりしたので原稿そのものは使えませんでしたが、やはり、圧倒的に原稿執筆の負担は少なかったと思います。当初予定していた、「ショートムービー完成と同時に出版」とはならなかったものの、かなり早い段階で完成させられたと思います。
これは、電子書籍の執筆だけでなく、ショートムービーの制作期間の短縮にも貢献した感覚があります。
大げさかもしれませんが、これを応用すると、自分の生活ストーリーそのものを、自分である程度デザインできるようになるのではないか、という気がします。
(B級モンスター計画の関連記事をまとめて読むならこちらから)
B級怪物映画制作 7日間でB級モンスター映画を作る
観て楽しむだけの映画から、作って楽しむ映画へ。
果たして7日間でB級モンスター映画は作れるか?
これまでも趣味としてのDIY映画を提唱してきた著者が、今回、実践編として制作に挑戦したのは、レンタルビデオでも根強い人気のB級モンスター映画。
たとえ低予算でも「本格エンターテイメント創作法」と「邪道映画術」を駆使すればここまで出来る!従来のインディーズ映画の殻を打ち破る「参加型映画」の提案として前代未聞のプロジェクト。
ストーリーデザイナー:今井昭彦氏による特別レクチャーも丸ごと掲載。「面白いストーリーの作り方」の理論から、シナリオ化、映像化、小道具・クリーチャー制作などの工程を、豊富な蔵出し写真と一緒に全て見せます。
巻末には特別付録として、オリジナルショートムービー「暗黒魔獣 ワニガメイーター」の動画もリンク。
クリエイターマインドを持つ全ての人を刺激する一冊です。
学生時代から自主映画を制作してきた著者は、映画制作という趣味を楽しみながらも、「なぜ、これほど面白い遊びが広まらないのか?全ての環境は整っているのに」と疑問に思っていました。そして、その理由の一つが「映画制作はゼロから作り出す要素が多すぎるために敷居が高すぎる」と思い至ります。
一方、近年の「大人の塗り絵」「手芸キット」の人気商品は、同じ創作系の趣味でありながら、すでに下準備が出来ているため、仕上げの工程を気軽に楽しめるものです。創作欲を持った人の入門用商品として優れています。
そこで、「映画制作の入門キット」として「すでに完成した映画に、後から主演する」ということが可能な作品を作れば、極めて少ない負担で自分が映画に出演する体験を楽しめるだろうと考えました。
その第1段階として、「後から出演者を差し替えられる仕様での、ショートムービー制作」を開始したのです。
本書は、その制作過程をリアルタイムで記録してまとめたものです。7日間は以下の内訳です。
・1日目 企画会議
・2日目 シナリオ作成
・3日目 背景撮影
・4日目 絵コンテ作成
・5日目 グリーンバック撮影
・6日目 編集1
・7日目 編集2・仕上げ
このほか、工作系映画ならではの、数々の小道具制作のメイキング解説などを、各章に「番外編」として掲載しています。
一つのプロジェクトの読み物として楽しむだけでなく、本格的なストーリー系創作者を志す方、工作系創作者の方にも、参考になると思います。
既刊紹介
「邪道映画術 DIY映画制作のヒント集」
内容紹介:
映画作りの基礎は大事。でも、ある意味、仲間と余暇で作る自主映画は「資金不足」「時間不足」「経験不足」に加えて「下がるモチベーションとの戦い」など、プロより条件が厳しいのです!
アマチュアならではのインチキな裏技を駆使して、自主制作映画を楽しむための王道と邪道のハウツー集。
映画作りを趣味にしませんか?~DIY映画制作の勧め~
内容紹介:
価値観が多様化する現代ですが、仕事に追われ、日々の忙しさから、趣味らしい趣味を持っていない人は多くいます。ゴルフや釣りはちょっと…という人へ、奥深くて実は敷居が低い、映画作りという趣味の魅力を解説します。
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