ビデオ教材と手作りプロンプター

アマチュアによるDIY映画、いわゆる自主映画製作の趣味を、事あるごとにオススメしています。

正直、これだけ満足感の大きい、しかも、文章術や絵を描く技術がもなくても形に出来る、ストーリー性の創作物はなかなかありません。

一人で机の上だけを舞台に作品作りをするスケールから、商業映画に匹敵するような本格的な規模のものまで、条件に合わせたスケールの作品作りも楽しめます。

しかし、一向に普及しない。

そもそも、ビデオカメラを使わない。

これだけビデオカメラが安くなって、誰もが持っているくらいに普及しているのに、です。

その原因を考えると、そもそも、ビデオカメラの基本的な使い方が知られていない、という事実があります。

アマチュアが撮影したビデオ映像を編集する機会の多い業者の方の意見として、「この10年、撮影技術はまったく進歩していない」というものを見つけました。

確かに、ビデオカメラは、新製品の新機能が宣伝されるばかりで、普遍的な撮影のコツなどは、あまり教えられていないように思います。

そこで、「失敗しないビデオ撮影術」という、オンラインで講座を作って販売しよう、ということで、このところ、講座用の原稿執筆を続けていました。

オンライン講座は基本的にビデオコンテンツとなるので、解説も講師である私がカメラの前でしゃべることになります。

しかし、問題は原稿の量が多すぎて、全く覚えられないことです。

原稿を確認しながらしゃべっても、ダメという事は無いのでしょうが、お金を払って講座を受講してくれるお客さんに、料金に見合ったコンテンツであると感じてもらうためには、最低限、つっかえずにスムーズに話す必要があります。うろ覚えのフリートークでは、脱線必至で、構成もグダグダになりそうです。

そこで、今回、講座の撮影をするのを期に、プロンプターというものを使うことにしました。

プロンプターは、カメラの前に原稿を表示することで、カメラ目線のまま、原稿を読める装置です。

大統領の演説や、政見放送にも使われています。

よく、「カンペ(カンニングペーパー)」といって、紙に書いたセリフなどをこっそり読むことがあります。あれは、カメラ目線で話さない、ドラマのような撮影では使えます。名優、森繁久弥も、セットのあちこちにカンペを貼っていたそうです。

しかし、カメラ目線で話さなければいけない場合に、カンペを使うと、どうしても目線がちょっと外れるのがはっきりとばれてしまいます。

そこで、目線をカメラから外さなくても原稿が読める、プロンプターが活躍するわけです。

構造は簡単で、カメラのレンズの前に斜めにガラスを固定して、テロップの映像を反射させるだけです。

カメラの前の人物からは反射した文字が読めますが、カメラに文字は写りません。

こんなタイプのものが売られています。

もちろん、本物は私が小遣いで買える値段ではないので、自作でこういう構造のものを作ろうと思っていたのです。

7インチのタブレットを持っているので、そこに鏡文字に反転させたテロップのムービーを再生させて、カメラの前にセットしたガラスに写そう、という考えでした。

ただ、7インチだと画面が小さくて、文字を読むためにはカメラの近くで撮影する必要があるなあ、とか、作った装置をどうやって固定するか、など、課題はありました。

しかし、別のタイプの製品を見て、工作の方針を変えました。

これは、いかにもアメリカの大統領が使っているタイプのものです。こっちのほうが高いんですが、見るからに構造がシンプルです。

ここから考えると、カメラの前にはアクリル板を斜めに固定するだけにして、モニターは、タブレットより大きい、パソコンを置いて、そのモニターを反射させればいいだけじゃないか、と思えてきます。

それで作ったのがこれです。

100円均一ショップで買った木製のフレームに、家にあった透明アクリル板を接着しています。フレームについていたアクリル板はペラペラ過ぎて反射した文字がゆがみそうだったので使いませんでした。後は、木製フレームにT字の金具を付けただけです。

カメラの下には、いつも舞台の2カメ撮影をする時に使っている道具の組合わせ方を変えて装着し、金具を取り付けます。
アクリル板の角度も自由に調節できていい感じです。

後は、下に置くノートパソコンの台です。モニターを水平におきたいので、、ダンボールをこんな形に切ります。

これが基本の配置。

後は、アクリル板とレンズに黒い布を掛けて、正面から見たときにアクリル板が真っ黒に見えるようにします。それによって、文字が反射するわけです。

これが、テスト中の様子です。

読みやすい文字の大きさ、フォントを確認中です。

見てくれはともかく、思いの外、使えそうなので安心しました。

今回の工作に掛かった金額は¥300くらい。

製作費が大きいことを自慢する人がいて意味不明ですが、MVGでは、安く仕上げることこそ、自慢すべきことと考えています。

今週中に一通り撮影を行なう予定です。講座開講は今月中に準備を完了する計画です。

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