「創作」の意外な効用

インターネットの功罪

インターネットの驚異的な普及によって、一般人が情報を発信できるようになりました。

これは素晴らしい一面があります。

私もこうして発信者としてネットを利用させてもらっているので、ありがたい限りです。

 

しかし、手軽に発信できるようになって陥りがちな間違いは、「偉そうになってしまうこと」です。

 

ネットのニュースに対するコメントは、これまでは記事の内容が全てであったニュースに対して、「その報道の仕方はおかしいんじゃない?」というような意見が見られて、有意義だと思うのですが、半数以上は「偉そうな意見」です。

  • 人前で同じことを言えますか?
  • あなたは非難できるほどの人物なんですか?

と問いたくなる事もしばしばです。

 

映画やドラマについての批判も同じで、例えば役者の演技についてケチをつけ始めると、批判者はどんどんエスカレートします。

 

実は、私も映画を自分で作る前は、そういう批判者でした。

まだ、自主映画を作り出す前、テレビドラマで「スケバン刑事」というのがヒットしていました。

今では演出の一環と判断できますが、当時は、若い出演者達の演技が、とにかく稚拙に見えたんです。

 

「俺たちのほうが上手く演技出来るよな」などと好き勝手に演技の批判をしていました。

居酒屋でプロ野球選手の技術批判をするド素人と同じです。

 

やがて、自分達で企画をしてスタッフ兼、役者としてカメラの前で演技してみると、当然のことながら上手く演じられません。

練習をすることで、自分達なりには上達するのですが、わざとらしくて稚拙に思えた「スケバン刑事」の出演者達のレベルには、遠く及ばないことを痛感しました。

 

「テレビの俳優っていうのも、大したもんだよね」

「やっぱりプロなんだね」

 

私と仲間による俳優の演技批判は、急速に少なくなりました。

これは、やってみることで難しさを実感して、謙虚になったということです。

 

謙虚になって、「自由に批判できなくなってつまらないか」というと全く逆です。

より深く楽しむことが出来るようになります。

 

人の批判をして、一時的に偉くなったような気がして、優越感に浸る、というような、浅はかな満足感とは違う次元の楽しさを知ることになります。

 

全ての創作は、一朝一夕に極められるほど浅いものではありません。

楽しみつつも、人を謙虚にする面が多い活動です。

そういう意味でも、「創作活動」はオススメなのです。

 

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