架空映画の予告編
映画の予告編というのは、言うまでもなく、映画本編の映像を使用して作った、宣伝用の短い映像です。
これを作るには、映画の本編が存在していることが前提になります。
しかし、私はあえて、本編が存在しない「架空映画の予告編制作」をオススメしています。
「予告編制作」は色々な意味で、映画制作の訓練に有効で、しかも作っていても鑑賞しても楽しい代物になり得ます。
映画の本編というのは、作ってみると分かりますが、全てのショットが作っていて楽しいとは限りません。
- やりたい映像
- やりたい映像を出すために必要な「つなぎの映像」
の組合せで出来ています。
そして、割合でいうと、ほとんどが「つなぎの映像」ということになります。
大抵の人が「こんな映画を作ってみたい」という場合、頭に浮かぶ映像は、「やりたい映像」であることに間違いありません。
作品を完成させたことがない人は、必要な、膨大な量の「つなぎの映像」の存在を軽視します。
そのため、企画をちょっと具体的にしていくと、すぐに頓挫することになります。
でも、「映画作りを楽しみたい」という場合、予告編だけを考えたらどうでしょうか?
予告編は、ほぼ、「やりたい映像」の組合せで成り立たせることが出来ます。
映像と映像の繋がりも、全く自由です。
映像の難しさの一つは、「別々の映像が繋がっているように見せる」ことです。
予告編は、その技術が無くてもいいので、思いつくまま「ありがちな場面」を再現して撮影して、「それらしく」編集すれば、正直、サマになります。
時間的にも短いので、見る方も負担がなくて楽しめます。
「こんな映画が作りたい」と思ったとき、まずは予告編を作ってみると、その作品については、それで気が済んでしまう事もあると思います。
それで良いんです。
本格的な作品に仕上げようとして、時間がかかって途中で頓挫することに比べれば、短い予告編が完成している方が価値があります。
その上で、やはり、予告編だけでは飽き足らない、という場合に、本編の制作に入ると、完成させられる確率も高くなるでしょう。
ただ、本編作品に比べればはるかに労力が少ない予告編ですが、完成時間の短さからすると、かなり手間がかかるものということは、認識すべきです。
楽しく、それらしい予告編にするコツは、10カットなり20カットなりの映像の種類を、出来るだけバラバラにすることです。
例えば公園でまとめて全部撮影したような映像では、「予告編」には見えません。
時間も場所も異なる、色々な状況の映像を集めます。
そうすることで、「幻の本編シーン」が感じられる、楽しい予告編が出来るでしょう。
参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
無料メルマガ「DIY特撮入門」
アマチュア映像作家や、映像作りに興味がある方に、超低予算で本格的な映像作りを楽しむ方法を、実例を交えながらご紹介していきます。登録されたメールアドレスに毎週土曜、メールマガジンが配信されます。