特撮って何のためにあるの?
「特撮」とは何か?
特撮は「特殊撮影」の略です。
撮影という行為自体、舞台のお芝居に比べても、かなり特殊なものなので、線引きが難しいのですが、次のような基準が考えられます。
- 映画の基本は人物ドラマ
- ドラマは芝居で表現される
この芝居の様子を丹念に撮影して編集したものが、映画の基本です。
その上で、場合によっては、芝居だけでは映像的に表現できない部分が発生してきます。
例えば、映画「ロッキー」。
この作品は、シンプルなストーリーとオーソドックスな作りの良作ですが、特撮も使われています。
クライマックスのボクシングシーンで、主人公の顔が腫れ上がっている特殊メーキャップなどです。
「本当は顔が腫れていないのに、映像の中では腫れているように見える」
この様に、地味な特撮は映画の中で随所に見られます。
この「本当はxxなのにxxに見える」場面を作り出す工夫の全てが、「特撮」と言えます。
最終的に実現させたい映像を、実際にカメラの前で再現できる場合は、それをそのまま撮影するのが映画の基本です。
しかし、次のような場合は、カメラの前で状況を再現できず、特撮という工夫の出番があります。
- 場面を再現するのが危険な場合
- 物理的に撮影出来ない場合
- 撮影対象がそもそも現実に存在しない場合
- 撮影はしたものの、何らかの問題がある場合
つまり、作品としてこういう映像が欲しいけど、撮影するだけでは手に入らないから何とかしたい、という状況の解決策として「特撮」があるということですね。
手法としては
- 特殊メーキャップ
- ミニチュア
- ダミー
- スタント
- 合成
などの他、単にカメラを傾けて撮影するだけのトリックなどもあります。
元々は、「問題解決の必要から生じた技術」ですが、特撮は、その工夫自体がとても楽しいものです。
私は、80年代の終わり頃から特撮映画に興味を持ち始めました。
ハリウッド映画でも、エンターテイメント性の高い特撮映画が花盛りだった時代です。
しかも、今と違って、「何でもかんでもCGで映像を作ってしまう」というワンパターンの手法ではなく、まさに手作り感覚で楽しい映像を作っていたのです。
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