ウェアラブルカメラの活用実験
数少ないヒットジャンル・ウェアラブルカメラ
4Kカメラ、3Dカメラというような、特殊な高性能カメラも家電店で普通に売られる中、圧倒的に支持されているのが、「ウェアラブルカメラ」というジャンルでしょう。
これは、ヘルメットや人の胸の部分などに取り付けて、その人物の見ている景色に近い映像を、手を使わずに撮影できることが、最大の特徴です。
Gopro、SONY、Panasonicなどから、工夫をこらした製品が数多く発売されています。
中でも、ユニークで豊富なアクセサリーと一体になった、Goproのシリーズは人気です。
私も数年前に、Victor製のウェアラブルカメラを購入しましたが、これは、ヘルメットに取り付ける以外、体に取り付けるのが困難で、元を取るほど活躍させられませんでした。
現在、Gopro人気に乗じて登場し、無視できないのが、類似品のラインナップです。
Goproが5万円前後の価格であるのに対し、類似品は一割程度の価格です。
もちろん、低価格商品特有の不具合などの危険も大いにあるのですが、それを考えても、コストを抑えたい私などにとっては、「試してみる価値がある」と思わせるものです。
身に付けずに使うという発想
元々、人から譲り受けたのをきっかけに、時期をずらして、同様の製品を2台購入し、3台の「Gopro類似品」を揃えました。
これで試してみたかったのは、ウェアラブルカメラの、「小型・軽量」という部分のみを利用した活用です。
具体的には、長い棒の上にカメラを取り付け、俯瞰映像によって、スポーツ競技などの撮影をする、というものです。
撮影場所に想定したのは、周囲をネットで囲まれた、フットサルコートです。
まずは、カメラをそのネットに引っ掛けるために、手製のアタッチメントを作成しました。
それを塩ビパイプを継ぎ足して、地上5mの高さから見下ろせる状態で撮影したのがこの映像です。
色々と実験を繰り返した後、地元のサッカースクール様が、試合形式の練習風景を撮影して、レッスン前に選手たちに映像を見せて注意点を確認する、という活用をしてくれています。
しかし、一連の作業をする中、大きな疑問が生じました。
それは、「撮影できる角度(画角)」が思ったより狭い、ということです。
画角の実際
人気商品の類似品ということで、付属している説明書に書かれているスペックは、かなりいい加減です。
手元には3つの異なるメーカーのカメラがあるのですが、全て、基本スペックはGoProのものを書き写したような状態です。
映像の保存形式は、「mp4形式」となっていますが、3つとも実際は「mov形式」の上、2台の映像はそのままでは、一般的なビデオ編集ソフトに読み込めません。
一旦、変換ソフトを使って、形式を変換する必要があります。
ビデオ変換ソフトを持っていない人は、この時点でカメラの使用をやめていると思います。
そして、問題の画角。
説明書には、「170度」と書いてあります。これもGoProに合わせたのだと思われます。
正確には「画角」の概念が違うのかもしれませんが、知りたいのは、どれくらいの広さで撮影できるのか、というデータです。
写真のような簡単なシートを使って、どこまで撮影できるのか確認してみました。
以下は結果です。
カメラA:115度
カメラB:130度
カメラC:105度
(参考 手持ちのハンディカム:70度)
ハンディカムよりはかなり広く撮影できるものの、170度というような、超広角ではないということです。
調べたところ、本家のGoProも、同じような数値らしく、いずれ入手した時に比較してみるつもりです。
ちなみに、類似品に特有の不具合事例は、大半がバッテリーに関することです。
私は、長時間の連続撮影が前提なので、もっぱら、カメラにバッテリーは入れず、USBケーブルでポータブルバッテリーに接続しています。
実際のカメラの設置の様子です。
塩ビのパイプを繋ぎ合わせ、それだけでは柔らかく曲がってしまうので、手製の部品でパイプが曲がらないように固定したものを、フットサルコートのネット上段のワイヤーに引っ掛けています。
長時間の撮影をするため、ウェアラブルカメラのバッテリーは外し、外付けのポータブルバッテリーから電源を取っています。(白い部品)