安いビデオ撮影用ライトを買ってみた
私は、1980年代に自主映画を作り始めました。
今では想像もつかないことですが、当時は
- フィルムで撮るか
- ビデオで撮るか
が議論になる時代です。
フィルムの大きなメリットは、緻密なカット編集ができること。
ビデオの大きなメリットは、コストが数十分の1に押さえられることです。
私はいくつかのテストフィルムを作った後に、ビデオを選択しました。
当時、手本になったのは、個人向けの映画撮影教則本です。
今のように情報が簡単に手に入るわけではなかったので、殆どは本などで仕入れた知識でした。
中でも難しかったのは「照明」です。
特にフィルムを使って室内撮影をするような場合は、照明を使わないと何も写りません。
感度が悪かったんです。
ビデオで撮影する場合も、フィルムより写りはするものの、実際のイメージより薄暗く映ってしまいがちだったので、教則本を参考にしながら、懸命に照明を使おうとしていました。
しかし、照明(ライティング)はとても難しいんです。
「不気味な感じ」などの効果を出すのは比較的簡単ですが、「自然な照明」はなかなか作れません。
出来上がった映像が、どうしても照明によって不自然に見えてしまいがちになるのです。
2000年代になって、映像仲間が増えた時期があります。
その時に知り合った監督は、レフ板などは使って女優さんをキレイに撮るものの、照明は一切使っていませんでした。
この頃になると、ビデオカメラの感度も良くなってきたこともあって、明るい室内であれば、補助の照明がなくてもある程度キレイに撮影できるようになったんです。
聡明を使わないことで得られる最も大きなメリットは、撮影が早くなることです。
照明を使った撮影や、同時録音をする撮影では、撮影時間が数倍に膨れ上がるからです。
その監督の影響もあって、私は長らく、「室内シーンでは出来るだけ照明を使わない撮影」をしてきました。
もちろん、野外の夜間シーンには照明を使うしかないのですが、室内は、基本的に部屋の明かりだけで撮影してきました。
通常の映画作品であれば、「自然さ」を優先するので、「下手な照明によって不自然な映像になるより遥かにマシ」ということが言えたわけです。
ところが最近、映画制作でグリーンバック撮影を多用するようになると、補助的な照明が欲しくなりました。
また、仕事関係でインタビュー映像などを撮ることもあり、いつもの「照明なしの撮影」では厳しい場面がでてきたんです。
特にインタビュー映像などは、ユーチューバーの活躍によって、「明るくてきれいな映像」が視聴者に浸透しています。
自然な光かどうかよりも、とにかく明るく照らした映像が好まれます。
そういったニーズに応えなければならないという意味もあって、コンパクトな照明が欲しくなりました。
手持ちの照明といえば、夜の野外で使うための結構強力なLEDライトや、昔ながらのレフランプです。
光が強すぎる上、かさばってしまって持ち運びに不便なわけです。
そこで、試しに安いLEDライト(2個セット)を購入することにしました。
ライトは最低でも2個は無いと撮影用の照明が出来ませんから、2個セットというのが割安で良いわけです。
しかも、恐らくやわな作りだとは思いますが、スタンドも2本付いています。これは重宝します。
値段からすると、この2本のスタンドだけでも良いくらいです。
唯一のネックは、単3電池6本でしか使えない仕様です。
でもそこは、規格に合わせたACアダプターを買ってきて、簡単な改造をすればAC電源も使えるようになるはずです。
今後はこの照明を活用してみることにします。
使い勝手等は、いずれ追記します。