撮影会だけ楽しむか?完成した映像作品を楽しむか?
「映画製作の魅力」の一つは「撮影」です。
大の大人が、大掛かりな「ごっこ遊び」を楽しむ、という一面があります。
これは、間違いなく楽しい活動です。
さらに「自主映画の撮影」となると、「プロの撮影隊の真似をして楽しむ」という要素が加わります。
様々な役割を持ったスタッフのチームワークによって、登場人物たちを魅力的に撮影する、という楽しみがあります。
私は、これらを否定する気は全くありません。
出来ることなら、私自身がこのチームワークを存分に体験して楽しみたい気持ちで一杯です。
しかし、ここに一つ、問題があります。
あなた自身、趣味で映画を作るための余暇が、どれだけありますか?
あなたの協力者は、あなたの映画作りのために、どれだけの時間を共有してくれますか?
「趣味で映画を作る」と言った場合、ネックになるのは「使える時間の長さ」です。
特に問題になるのは「撮影時間」です。
撮影前の「ストーリー作り」「脚本化・絵コンテ化」は毎日の通勤電車の中や、就寝前などにコツコツと楽しみながら進めることが出来ます。
撮影後の編集作業も、毎日の空き時間にコツコツできます。
しかし、「撮影」だけは、毎日少しずつ、というわけにはいかないんです。
まとまった時間、それも複数の人のスケジュールを調整しつつ予定を立てた、貴重な時間を使って行う必要があります。
しかも、厄介なことに、天候等の運に左右されます。
当日に雨が降ったら中止にして、また、数週間後に予定を組み直す必要が出てきます。
私は日頃から、「撮影期間を長くして良いことは無い」と思っています。
実際問題として、期間が長くなると、なし崩し的に映画製作自体が頓挫してしまうことが多いからです。
仮に、プロデューサーであり、監督である、あなた自身に、強い信念をもって、作品を完成させる意思があったとしても、協力者の方々はあなたほどのモチベーションは保てません。
撮影期間が長引けば、必ず、やる気が下がってきます。
必要なのは、スタッフ・出演者のやる気が高まっているうちに、一気に撮影を完了させてしまうことです。
その「撮影期間短縮化計画」のための秘密兵器とも言えるのが、「グリーンバック撮影・クロマキー合成」の多用です。
私の作品では、通常であれば映像合成など使わない普通のシーンにも、いわゆる「特撮」的な手法を使います。
例えば、喫茶店のシーン。
お店にお願いして、店内の写真だけ数枚撮らせていただいて、登場人物はその映像に合成します。
「そんなの、実際に喫茶店で撮ればいいじゃん」と笑われることがよくあります。
しかし、彼らは、喫茶店で撮影する、ということのコストが全然わかっていません。
撮影に使うとなれば、お店にも負担を掛けますし、数カットのシーンのために、かなりの時間を使います。
仮に、撮影自体は1時間で済むとしても、喫茶店の近くで撮れるシーンが存在しない限り、その日は「喫茶店の数カット」を撮影することしか出来ずに終わってしまうんです。
せっかく調整して作った、貴重な撮影日であるにも関わらずです。
その作品には他のシーンもたくさん存在しています。
全てのシーンについて、こんなペースで撮影していたら、完成までに一体どれくらいの時間が必要になるでしょうか?
しかし、グリーンバック撮影による映像合成を前提にした人物撮影であれば、30分で「喫茶店シーン」の撮影を終えた後に、移動時間無しで「浜辺のシーン」「森のシーン」「バスの中のシーン」と続けて撮影できます。
これが、どれほど画期的なことか分かるでしょうか?
グリーンバック前で行う撮影に、演劇的な「楽しみ」は極端に少なくなります。
また、そもそも少人数で撮影できるようになるため、スタッフのチームワークを楽しむ、という要素も少なくなりがちです。
これは、「撮影会を単体で楽しむ」ということよりも、「作品を完成させること自体を楽しむ」ということを優先した手法です。
1日でも早く作品を完成させて、人に見せて楽しみたい、というためには、「グリーンバック撮影」が最強の手法だと思っています。
私は、自分でも仕事の合間に映画作りを楽しみ続けていますが、その独特の手法を紹介する場として、「映像制作講座」を毎月開催しています。
2019年2月は「グリーンバック撮影編」です。
http://wp.me/P4vWPD-1iv
私が普段、小さなレンタルスペースや自宅で行っている、グリーンバック撮影のためのセッティングやデモ撮影を体験していただきます。
ご都合の付く方は、お早めにご連絡ください。
2019.2.16(土)
会場:小田急線・桜ヶ丘駅近く
10:30-12:30 概要編(無料)(定員数名)
13:00-16:30 グリーンバック撮影編(¥3000)(定員数名)