自主映画で収益を出す方法
アマチュア映画は蕎麦打ちと一緒
趣味でアマチュア映画を作っている作家にとって、完成した作品がお金になるかどうかは、あまり問題ではないと思われてきました。
それはちょうど、「蕎麦打ち」が趣味の人が、蕎麦を売ることを目的としていないことに似ています。
作ること自体が目的なので、その後のことは考えていないことがほとんどです。
しかし、実際問題、作ったそばを無駄にしたくはありません。
蕎麦打ちを楽しく続けるためにも、出来上がった蕎麦が利益を出してくれるに越したことはありません。
販売したくない理由は批判されたくないから
昔から個人映画、アマチュア映画は存在していました。そして、その作品を販売したり、有料で上映したりする人と、一切、お金を取らない人が存在していました。
これは、映画に限らず、無料で提供する人の本心は、自分の作品を批判されたり、「値段に見合っていない」とクレームを付けられることが嫌なんです。
無料で提供する限り、基本的に観客は寛大です。
しかし、その作品を気に入ってくれる人と巡り合うために、もっとも効率がいい方法は、販売することです。
タイトルや内容の紹介を見て、興味を持って作品を購入する人は、その作品を気に入ってくれる可能性が格段に高いんです。そういう理由から、私は、自分の創作物は積極的に販売するべきだと思っています。
「創作物で利益を得るのが魂を売るようで嫌だ」という人は、全額、どこかに寄付すれば良いんです。
しかし、残念ながら、自主映画は売れません
映像コンテンツが売れない時代
映像作品をVHSで販売するところから、DVDに変わった辺りまでは順調に見えましたが、その後、ブルーレイを普及させようとした辺りから、急速に映像コンテンツは売れなくなったように見えます。
映画のビデオを見る、といえば、かつてはレンタルビデオが主流でしたが、今では絶滅寸前です。
映画は各種のストリーミングサービスで配信されたものを見る時代です。
そのような、有料サービスだけでなく、GYAO!のように無料で映画やドラマ作品を見られるサービスもあります。
今現在、商業作品でさえ売れないのに、私たちのような無名の映像作家が作った映像作品が売れるわけが無いんです。
私の周りにも、下手な商業作品よりも面白い作品を作る、アマチュア作家たちがいました。
プロのスタッフになった人たちもいますが、アマチュアやフリーの作家として作った作品自体を販売して、収益をあげることに成功した人は、ほとんどいませんでした。
それでも映画を売るにはどうしたらいいか
映像制作者にとって恵まれた現在、日本で作られる自主映画、インディーズ映画の数は、史上最高だそうです。
作品のレベルはまちまちですし、エンターテイメント作品ではないものも多いので、ほとんど一般の目に触れることはありません。
しかし、中には標準的な商業作品と比べても遜色のない作品もあるはずです。
私たち、アマチュア映像作家はなんとかして「作ってしまった作品群」をマネタイズすることは出来ないのでしょうか?
一つの可能性は、アマゾンビデオダイレクトです。
これは、アマゾンのプライムビデオとして公開して、販売するものです。
手続自体は無料ですし、電子書籍を出版するのと同じ手順で登録ができます。
一部の映像制作者や演劇集団は、ここでの販売に成功しているようです。
ただ、最近では審査が厳しくなって、アマゾン側が独自に設定した基準を満たしていないと、登録しようとした時点ですぐに却下されます。
これの厳しいところは、一度却下された作品は、二度と受け付けないという点です。審査が通るように修正をして再挑戦することが出来ないわけです。
販売できる条件の映像作品を持っている方は、挑戦してみてもいいでしょう。
メイキングの魅力を活かせるメディア
映画を作る側としては、完成作品こそ人に見せるもの、という意識がありますが、見る側として安定した魅力があるのは、実は「映画のメイキング」です。
販売されている映画のDVDやブルーレイなどでは、収録されているメイキング映像の長さが、本編の2倍以上あるものも少なくありません。そして、興味深いことに、本編の面白さ、つまらなさに関わらず、大の大人が映画を作っている裏の姿は、どこか滑稽で、まず間違いなく面白いんです。
最近はレストランでもあえて厨房が見えるようにしたり、施設のバックヤード見学も人気です。
私は、このメイキングの面白さを活かした発表の仕方にすれば、自主映画も商品に成りうるのではないか、と考えています。
そのアイデアを活かせるメディアは、「電子書籍」です。
ご存知のように電子書籍は、インターネットで購入して、PCやスマホ、タブレットや専用端末で閲覧できます。
電子書籍、とはいうものの、単なる書籍の電子版と思ったら大間違いです。
文字と写真はもちろん、インターネット上にリンクを張ることで、映像や音声も再生することができるメディアです。
一昔前の言い方をすれば、「マルチメディア」そのものです。
私は、この電子書籍で「ビデオマガジン」を出版し、その中の「付録」という形で、自主映画を提供したらどうかと思っています。
メインは、「読み物」です。
読み物は、映画本編のシナリオも含められます。原作小説や絵コンテ、メイキングの裏話などもいいでしょう。もちろん、本編以外にもボーナス動画も多数、付けられます。
私は今回、川口浩探検隊へのオマージュとして作っている、映像のミニシリーズを使って、このビデオマガジンを創刊しました。いろいろと試行錯誤しながら、順次、ラインナップを増やしていく予定です。
あなたがもし、製作した自主映画をお持ちであれば、ビデオマガジンを作ることで、マネタイズ出来るようになるかもしれません。
内容紹介:
昭和の名物番組「川口浩探検隊」のDNAを勝手に受け継ぐべく製作している、オリジナル探検シリーズを、電子書籍として出版。
本編の動画はもちろん、メイキングの裏話、対談動画、特典映像、原案小説、撮影メモなど、ビデオとしても読み物としても楽しめるビデオマガジンとして出版しました。
インディーズムービーの新しい発表形式としての提案です。
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