趣味は映画作りという時代

「凄いですね」と言われる趣味

「趣味で映画を作っています」と言うと、大抵の人はは「すごいですね」という反応をしてくれます。

実際にやっている方からすると、

  • 趣味でプラモデルを作ってます
  • 趣味で盆栽をやってます

と言うのと全く変わらなくて、別に凄いことではありません。

 

なぜ、すごく感じるのかなと想像すると、「映画作り」、「映像作り」には、「技術」が深く関わっているからだと思います。

 

例えば「絵を描く」のにも様々な技術は必要ですが、「映画作り」には

  • 撮影のカメラ
  • 編集のパソコン

を使う要素があります。

そういった「技術を駆使して創作活動をしている」という点で、「すごい」というような印象を持つ人がいるんだろうと思います。

実際はすごいことは何もなありません。

映画作りの種類は色々

私は折りに触れて、「映画作りという趣味が楽しいですよ」「敷居はそんなに高くないですよ」ということを紹介しています。

時々主催する「映像制作講座」でも、初心者の人が「自分の映像作品を作る方法」について解説をしたり、ワークショップで体験してもらったりということをしています。

 

「映画」というのは、一口で「映画」とくくれるほど単純なものではありません。

ジャンルが様々で、違うジャンルにおいては、ほとんど共通項がないと思えるくらい、違う要素があるんです。

ですから

  • 演劇が好きな人が作る映画
  • プラモデルが好きな人が作る映画

これらは全く毛色が違うわけです。

 

だから、「映画が好きなんです」と言った人同士が話をしてみた時に、「全く話が噛み合わない」「好みが合わない」ということもよくあるわけです。

 

逆に言うと、どんな趣味を持った人でも、映画を作る技術さえ持っていれば、「映画作り」という趣味を楽しむことができます。

 

例えば、スポーツが好きな人。

サッカーでも野球でもいいんですが、スポーツが好きな人が仲間と一緒に「スポーツの映画を撮らないか」となった場合は、しっかりとしたストーリーさえできれば、傑作ができる可能性があるわけです。

 

演劇をやってるような人たちが、舞台でお客さんに芝居を見せるだけではなくて、「映画」という形にして、もっと手軽に見てもらえるようなコンテンツを作ったりすると、非常にレベルの高いドラマが作れる可能性もあります。

特撮の魅力

私は、自分が模型好きなので、「ミニチュアの模型を使った映画」というものの可能性を、長年追求しています。

いわゆる「特撮(特殊撮影)」というものです。

「特撮映画」と言うと、怪獣がミニチュアの建物を壊したり、爆発のシーンがあったりとか、そういう派手な効果をイメージすると思います。

実際には、特撮は、もっと幅広く使える技術です。

 

例えばヒットた日本映画の「三丁目の夕日」という作品。

これは、ノスタルジックな雰囲気を出すために、古い商店街の街並みがあったり、いかにも昔の「空き地」の風景が出てきたりする作品です。

 

この作品は、コンピュータグラフィックスによる合成映像もたくさん使っているんですけれども、古い商店街の建物は、ミニチュアセットの写真を多く使っているんです。

  • アナログな工作でミニチュアセットを作る
  • それを撮影してデジタルデータを作る
  • 写真データをコンピュータグラフィックスの技術で画面に融合させる

こういう凝った作り方をした映画です。

 

あの作品の「温かみ」というのは、そういうアナログの部分からにじみ出ている要素が大きと思います。

制作者としても、パソコンの中でコンピューターグラフィックのデータを作るだけではなくて、紙とか木材を使って、「精巧なミニチュアセット」を作る方が、私は魅力的に思えます。

 

私は、高校生の頃に、「映画好きな同級生」の影響もあって、特に特撮映画の裏側に非常に興味を持ちました。

今のようにインターネットがありませんから、書籍を中心に情報を集めて研究しました。

その中で、よく出来た古い恐竜映画の恐竜は、ミニチュアで作られているんだろうな、ということは想像ができるわけですけれども、そのミニチュア模型と俳優が、こういう技術によって一つの画面に収まっているのかという裏話、その仕掛けの解説が非常に面白くて、興味を強くしました。

同時に不満もありました。

 

当時は、今のようにビデオカメラが普及してませんから、撮影をするというのもなかなかハードルが高かったわけです。

ましてや特撮映画のような合成映像を作る装置は、何千万円もするような装置です。

なんとか自分でも実現可能な特撮映像を作って楽しんでいましたが、その実現可能な領域は非常に限られたものでした。

映画作りの環境は既に手に入れている

ところが現在は、パソコンが普及しました。

ビデオカメラはもう溢れてます。

スマホのカメラでも、一昔前の業務用のカメラ以上の映像が撮影できる時代です。

 

当時からすると、「夢のような環境」が一般的になっているわけです。

1980年代は、プロの映像クリエイターが大金をかけて、特殊な装置を使ってようやく作れたような映像を、今は、あなたや私のような個人が、超低予算で作ることができる時代です。

  • スマホは持っている。
  • パソコンは持ってる。

というところからスタートすると、ほとんどタダで特撮づくりを楽しめるのが実情なんです。

アイデアと工夫次第で、迫力ある特撮も含め、色々な映像コンテンツを楽しく作れる時代です。

創作活動というものは、全般的にとても楽しい、魅力のある趣味ですが、私はその中でも「映画作り」が、とても大きな満足感を得ることのできる、魅力のある趣味だと思います。

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創作活動としての映画製作は最高に楽しいものです。

昔はネックだった撮影・編集環境も、現代では簡単に手に入ります。スマホをお持ちの時点で最低限の環境はすでに揃っているとも言えます。

  • 趣味がない人。新しい趣味で楽しみたい人
  • 自分の創作がしたい人
  • 映像作品に出演して目立ちたい人、目立つ必要がある人

にとっては最適の趣味であることに間違いありません。

 

ただ、実際の映画製作には多くの工程があり、全てのノウハウを一人で身に付けて実践しようとすると大きな労力と長い時間が必要になります。

 

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