背景カメラマンの仕事とは?

全く新しい映画の作り方

通常の映画は、それぞれのシーンとして使う場所に俳優を連れて行って、そこで演技を撮影して編集して作っていくものです。

 

それに対し、私が提唱している「スーパープリヴィズ方式」は、舞台となる「背景の映像」だけ先に撮影します。

次に、人形を「グリーンバック撮影」と呼ばれる手法で撮影して、背景の映像に合成して編集を進めます。

人形だけが登場する、全編映像が先に出来上がるわけです。

 

そうすると、人物の撮影をする前に、あらかじめ映像の流れがチェックできて、追加撮影や撮り直しという大きなコストが節約できます。

 

また、人物の撮影を始める前に、BGMや背景の音響なども整えていく事ができます。

そして、最後に出演者を「グリーンバック撮影」して人形の映像と入れ替えます。

 

出演者は各自の都合に合わせて、一人ひとりまとめて一箇所で撮影するので、場合によっては会ったことのない人同士が共演したり、一人何役も演じることもできます。

これが、升田式「スーパープリヴィズ方式」による映画製作です。

 

もちろん、細かなデメリットは様々ありますが、最も大きなメリットは、「圧倒的に短期間」「低コスト」で物語を映像化できるとことです。

「そんなものは映画ではない」「作る意味がない」という価値観の人には、全くオススメしない手法です。

 

しかし、私はあえて、「通常の映画の撮り方」は、お金や時間のある、他の人に任せて、今後、升田式「スーパープリヴィズ方式」で作品を量産するつもりでいます。

独特の作業である「背景撮影」

このやり方では、物語を作った後、「ラフな絵コンテ」を作り、その「ラフな絵コンテを元に、「背景」の撮影をします。

感覚としては、かつてのロケハンも兼ねた作業です。

 

ロケハンというのは、元々は「撮影をする場所」を探して、下見をすることです。

  • ここに俳優が来て、撮影をするためにはどんな問題があるか
  • 移動時間がどれくらい掛かるか
  • トイレは近くにあるか

という事を考えながら、ロケハンする必要があったわけです。

 

しかし、「背景カメラマン」という役割は、そういった考慮は無用です。

その場で、「背景の本番撮影」を一人で済ませて、作業完了です。

その後、その場所には、誰一人行かずに、その場所のシーンを後から作るのが、スーパープリヴィズ方式の特徴です。

 

背景の撮影は、それほどシビアなものではありません。

その場所で俳優が芝居をする、「色々なパターン」を想定して、「通常映り込むであろう背景」を撮影しておくだけです。

 

多くの場合は静止画で済みますが、漏れがないようにするために、私は「ビデオカメラ」を使って、動画撮影をしています。

広い画角に設定したカメラを録画状態にして、任意の位置で、ぐるっと周囲を見渡しながら周囲の景色を撮影します。

これを繰り返して、その場所で考えられる背景を、もれなく撮影するようにしています。

 

静止画を使うのであれば、手持ちカメラで構いません。

撮影した動画から、静止画を書き出して使います。

 

背景に動いているものが写っている場合、例えば

  • 川の水
  • 桜の花びらが散っている
  • 落ち葉が散っている
  • 草が揺れている

というような場合は、三脚に固定したカメラで1分程度撮影します。

 

時間は、1分程度あれば十分だと思います。

 

この背景用に撮影してきた映像は、素材としてストック化します。

例えば、今回の映画のために撮影してきた背景の映像でも、別の映画でも使えるのであれば使って構わないわけです。

あるいは、「使い道は考えてはいないけれども、景色が綺麗だから背景だけ先に撮影しておこう」とか、海に行ったついでに「浜辺の背景」を撮影して、ストックすることが有効です。

 

こういったストックがたまることによって、その後、映画を作る時に、「この背景映像が使えるから、こういうシーンにしよう」というような選択もできるようになります。

ストックが溜まれば溜まるほど、撮影期間は短縮できます。

背景撮影の分担という新しい関わり方

また、この「背景カメラマン」の撮影方法を身に付けることにより、例えば、「遠方に住む人が、自分の地元の背景を撮影して提供する」ということで、その映画に関わることが出来るようになります。

 

海のない土地に住む人が、浜辺のシーンを作りたい時に、「海の背景の撮影を依頼する」というやり方ができるわけです。

そういった意味でも、「背景カメラマン」という役割を作ることが、新しい映画の作り方の一端を担うようになると思います。

参考になれば幸いです。

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