「殺人事件」と 物語創作の関係
ドラマに殺人事件があふれる訳
テレビドラマや映画を見ても、殺人事件を扱ったものが非常に多いと思います。
昔はテレビで「サスペンスドラマ」が大流行で、再放送も含めると、1日に何件もの殺人事件をドラマの中で見ることになっていました。
エンターテイメント小説の原型は「探偵小説」だそうです。
探偵が解決すべき事件としては、殺人事件が圧倒的に多いので、その名残りでエンターテイメントは殺人事件を扱うことが非常に多いということだそうです。
物語を作る側としては、「人の死」という大きな事件を扱うと、当然、強制的にドラマチックな展開になります。
ところが、「死」を扱ってしまうと、全ての尺度が大雑把になりがちなんです。
細かな表現とか、小さな面白さを感じられなくなってしまう恐れがあります。
殺人や多重人格のインフレ
「殺人事件」や「多重人格」という要素は、面白い物語を作る時に非常に便利な道具です。
特にあらすじ作りの練習では、とても有効な要素です。
けれども、ちょっとその要素が「インフレ状態」になっているのではないでしょうか。
「人の死」というのを扱うと、強制的に物語がドラマチックになったかのように見えます。
物語の中で、「死」は便利な道具です。
ですから、かえって安直な印象を与えます。
学生が作る、まだレベルの高くない自主映画や小説などの物語を見ると、相当の確率で人が死にます。
サマになるので、安心するんです。
ちなみに、「サマになる」という意味でいうと、昔は8割の素人映画には「タバコを吸っているシーンがある」と言われていました。
なんとなく、タバコを吸うと「サマになる」印象が刷り込まれているせいでしょう。
ドラマや、舞台のお芝居で、
- 殺人事件
- 多重人格
という便利な要素を、直接使うことを禁じ手にしてはどうでしょう。
その上で面白い物語づくりを追求すると、結果的に「エンターテイメントとして成り立たせる引き出し」が増えるのではないでしょうか。
まとめ
- エンターテインメントの起源は探偵小説なので、どうしても殺人事件をネタにすることが多い
- エンターテイメントの物語を作る側としては、殺人事件や多重人格を禁じ手にする方が、作り手としての腕も上がるし、違う内容を求めている観客の期待にも応えられる可能性がある
ということです。
参考になれば幸いです。
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