インタビュー撮影をマスターするススメ

手法としてのインタビュー

インタビュー撮影は、出演者の前にカメラを設置して、質問に答える形で、証言をさせたり、考えを述べさせたりするものです。

出演者に動きが無いので、撮影はシンプルです。

基本的に気を付けるべきは、構図と録音状況だけと言っていいでしょう。

 

私たち、アマチュア映像作家は、この「インタビュー撮影」が出来ることで、様々な創作に応用することが出来ます。

今回は応用例をいくつか紹介します。

 

もちろん、筆頭は、ドキュメンタリー制作。

通常、インタビューは、ドキュメンタリーの構成要素の一つとして使われます。

取材してきた内容の紹介だけでなく、その出来事の当事者の「証言」をインタビュー映像で見せることによって、出来事が現実感をもって感じられるというメリットがあります。

インタビューする相手が複数いると、色々な立場からの証言になるので、その出来事を、より立体的に描けます。

 

また、インタビューは、フィクションの作品にも使えます。

フィクションを映像にする場合、ポイントになるのは、「その架空の物語がいかにリアルに感じられるか」と言うことです。

 

インタビューは、物語をリアルにします。

これを極端に応用したのが、宮部みゆき原作、大林宣彦監督作品の「理由」です。

この作品は、総勢107名の出演者が、インタビューという形で画面に登場します。

ある複雑な事件について、その周辺にいる人たちの様々な証言を集めて組み合わせることによって、リアルな物語にしている、非常に変わった面白い映画です。

 

「理由」は一流の俳優たちが、リアルな演技を披露していますが、この手法は、私たちが作るような、アマチュア映画でも、効果的に使えるかもしれません。

 

特に、素人役者を使って映画を撮る場合、

  • セリフが覚えられない
  • 演技ができない

という問題があります。

 

そこを工夫しながら撮るのは、実はアマチュア映画ならではの面白さなのですが、インタビュー形式の映画であれば、セリフを覚えずに撮影が出来る可能性があります。

 

もちろん、登場人物が知っているべき知識を頭に入れて、役柄上の立場を理解した上でのことですが、セリフを決めずに撮影したらどうでしょうか?

 

インタビューは、質問に答える形で展開します。

実際に、質問をして、役としてそれに答えれば良いわけです。

 

言葉は綺麗には出てこないかもしれません。

言い直すことがあったり、言葉に詰まったり。

 

しかし、ドキュメンタリーの型式をとる時点で、その「言葉の乱れ」はプラスに働きます。

むしろ、リアルに見える可能性もあります。

 

シナリオによっては、面白い作品が作れると思いませんか?

 

インタビューを別の創作にも応用する

もう一つ、私たちがインタビュー撮影をマスターすることで出来ることを紹介します。

それは、「自分史作成」です。

自分史というのは、自分の生い立ちや経歴を記録として残した書籍です。

一定の人気があって、生涯学習センターにも大抵、「自分史作成のクラス」があります。

 

しかし、多くの人は、本一冊分の文章を書くことに慣れていません。

ですから、途中で挫折するか、履歴書を多少膨らませただけの、内容の薄い自分史が完成するか、そのどちらかになってしまいます。

 

私は、この自分史作成にも、「インタビュー撮影」がそのまま応用できると考えています。

 

  • 自分史を構成するために、必要最低限な内容
  • 紹介したいエピソード
  • 個別の交友関係

など、たくさんのキーワードを、あらかじめ準備しておきます。

それについてのインタビューを、ビデオで撮影します。

 

インタビュー映像ですから、流暢に話をする必要はありません。

当時のエピソードを思い出しながら、そのエピソードを知らない人に伝えようとするだけで十分です。

カメラマンは、話を引き出すために、キーワードについて質問していきます。

 

人は、聞かれると答えられるものです。

脳がそういう働きをするようになっているからです。

 

そうやって、1日もしくは2日かけて、合計5時間程度、インタビューを撮影します。

このエピソードというのは、かなり膨大な分量です。

これを映像編集して、「映像版の自分史」を、まず先に完成させます。

最速の場合、撮影の数日後には作れるでしょう。

 

「映像版の自分史」「エピソード集」を作ると、本来、自分史を書いて見せたい、

  • 知り合い
  • 仲間
  • 家族

そういった人に、すぐに見せることができます。

 

書籍の自分史を作る場合は、たっぷり数ヶ月あるいは数年かかります。

しかも、大半の人は途中で挫折します。

 

それに対し、「映像版・自分史」は準備から撮影完了までは、賞味一週間。

次の一週間で、映像版の自分史が完成します。

このスピード感は、圧倒的な魅力だと思います。

 

そして、「やはり書籍の自分史が作りたい」という場合は、この「映像版・自分史」を文字に書き起こしてから、書籍用の文章に書き直していくという作業をすることになります。

この作業では、「何を書こうか」ということに頭を使う必要はありません。

エピソードは全て出ていますから、「いかに読みやすい文章にするか」ということだけに注力すればいいので、わずか数週間で書き上げられる可能性が高くなります。

 

また、映像を基に文章に書き直す作業なので、この作業を、「文章を書き慣れている第三者」に依頼することもできるでしょう。

 

そして書き上げた原稿を印刷業者に預け、「書籍版・自分史」が最短で作れます。

 

この、圧倒的なスピード感をもたらしているのは、「インタビューの映像を使う」というアイデアです。

 

あなたも、インタビュー形式の撮影をマスターして、

  • ドキュメンタリー映画
  • フィクション映画
  • 映像版自分史

を作ってみてはいかがでしょうか?

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