CG的映像をアナログで作る楽しさ・コンピュータグラフィックスが残念なのはデータしか存在しない事
CG的映像を作成した実例紹介
最初にCG的映像をアナログで作ったのは、「未来記」という作品の一部分です。
(技術的な問題から編集作業がストップしていますが、いずれ仕上げる予定です)
この作品では、紙工作で作った、超高層ビルの模型を、CGの立体映像風に合成しています。
(https://youtu.be/4INHABJDwf8)
今回、新たに紹介するのは、最新作の1シーンです。
現在、「チームウェンズデイ探検シリーズ第3弾」の「ツングースの楽園」という作品の編集作業を進めています。
このシリーズは、往年の「川口浩探検隊を特撮映画にしたら」、というコンセプトで制作を続けています。
特にこの第3弾は、極端に特撮映像を多くすることで、映像的に楽しいものにしよう、という狙いから、編集作業に非常に手間が掛かってしまっています。
全てのシーンで、何かしらの特撮や映像合成をしているからです。
その中で、サングラス型の端末内で表示される、3DCGの映像が登場します。
私は、この映像ももちろん、いつものように、アナログ的に模型を撮影して合成することで表現してみました。
撮影風景と完成映像をリンクからご覧ください。
(https://youtu.be/sgIHvl2CmDk)
私が3DCGを使わない理由
「3DCGの映像は、実際に3DCGで作ればいいじゃないか」という意見もあるでしょう。
確かに、3DCGアニメはもちろん、3DCGを多用した作品であれば、作業効率の面から言っても、3DCGの環境を整えて、ソフトの使い方を習得すべきでしょう。
しかし、一般的な映画の中で、3DCGの映像を使う場面は限られています。
最近のB級モンスター映画では、モンスターそのものを3DCGで表現するのが一般的ですが、3DCGであるがゆえに、映像がつまらなくなってしまっているケースが多いと感じています。
そういう理由からも、少なくとも私は、CG映像を作るスキルを身に付ける必要を感じていません。
それともう一つ、CGを使いたくない理由があります。
それは、CG映像の制作工程が、私にとって楽しくないからです。
メイキングの資料そのものが魅力なのが「映画」
創作の成果物は何か。
もちろん、完成した作品です。
小説やマンガ、絵画など、商品となるほどの価値を持つのは、「完成作品」です。
それは映画も同じです。
ただし、映画が他の創作と大きく違うのは、「完成作品」と同様に、「メイキング資料」にも大きな価値や魅力がある点です。
小説などのメイキング資料も、もちろん存在します。
各地の「文学館」を訪れると、有名な小説の手書き原稿が展示してあったり、文豪の使っていた筆記具や当時の写真などを見ることが出来ます。
ただし、当然ですが、地味なんです。
それに比べて、映画のメイキング資料はどうでしょう?
- 絵コンテ
- ミニチュアセット
- 撮影風景
という資料には、どれも視覚的な魅力があります。
メイキング映像などを見れば、
・え!あのシーンにはこんな小さなミニチュアセットを使ってたの?
・危険に見えたあのシーンは、こんなにのどかに撮影してたのか
というような、驚きを含んだ「楽しさ」があります。
映画の舞台裏を紹介する「メイキング映像」や「展示会」は、場合によっては、完成した作品以上の魅力があります。
私達は、映画という創作物を人に見てもらって楽しませよう、と企んでいるわけですから、「完成作品」以外に「メイキング資料」を充実させることは有効な筈です。
特に、有名なスター俳優を出演させるわけではない、低予算のDIY映画においては、メイキング資料による魅力の追加は、もっと意識すべきではないでしょうか?
特に、アナログの特撮手法を採用すると「メイキング資料」は非常に豊かになります。
仮に、同じ効果をもたらす画面づくりに、CGを採用してしまった場合、メイキング資料はほとんどありません。
工作途中の模型は見ていて楽しいものですが、作成途中のCGのデータを見ても、普通は魅力を感じないでしょう。
作っている側も楽しめて、観客も楽しめるのが、アナログ手法の特撮だと思うのですが、いかがでしょうか?
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