旅先で出来る映画撮影

暑すぎる夏がようやく終わり、やっと観光シーズンに入ります。
今年はコロナの影響で、行動は大幅に制限されるでしょうが、いずれは、色々な対策を施した上で、観光旅行も本格的に再開できるようになるでしょう。

 

今回は、そんな観光旅行中に、片手間で映画撮影をしてしまう方法を紹介します。
本職の人からは「片手間で映画が撮れるか!そんなものは映画じゃない!」と叱られるでしょうが、私は気にしません。

 

旅行中に撮影すると言っても、観光地で役者のお芝居を撮影するわけではありません。
私が常々提唱している、「グリーンバック映画」のための背景撮影をするだけです。

 

グリーンバック映画とは、人物をグリーンバックで撮影して、背景映像と組み合わせることで全ての映像を作る映画のことです。(私が勝手にそう呼んでいます)

 

観光スポットは、当然ですが見栄えがします。
そこを舞台に映画のシーンを撮影すれば、サマになりますが、実際に撮影することは困難です。
仮に正式な許可が取れたとしても、周りの無関係な観光客にも大迷惑を掛ける事になるでしょう。
しかも、ほんの2、3分のシーンの撮影に、数時間かかることが普通です。
そのコストを考えると、普通の方法で観光地のシーンを撮るのは現実的ではありません。

 

しかし、人物なしに、背景映像だけだったとしたら?

 

慣れれば10分でそのシーン用の背景映像を撮り終えることが出来ます。

例えば、滝が見える観光スポット。
そこでのシーンを想像してみます。
ストーリーに関わらず、登場人物が立つ場所と、撮影する方法は限られます。

「人物はこのあたりに立って、滝を見上げながら会話をしている」
という状況だけ決めてしまって、そのシーンを構成する映像を分解して考えるんです。

  • 滝を含めて人物の位置が見える全体映像
  • 滝のアップ
  • 滝を見上げている人物Aの顔アップ
  • 滝を見上げている人物Bの顔アップ
  • AとBの2ショット(Aが手前)
  • AとBの2ショット(Bが手前)

例えば、この映像を組み合わせれば、大抵の会話シーンは成り立ちます。
実際の撮影としては、まず、所定の位置に登場人物が立っている事を想像します。
そして、それぞれのパターンの映像になるカメラ位置を探して、ビデオカメラやスマホで撮影していきます。
順不同でOKです。

 

会話の内容が決まっていないので、撮影時間が決められませんが、完成作品の中で、1カットの長さは概ね数秒から10数秒です。
そう考えると1カット20秒あれば、十分と考えられます。

 

例に上げた6種類の映像を撮影するのは、正味2分。
実際には撮影位置を探したり、全体映像を撮るために移動したりしますが、やはり数分で撮影は完了できるでしょう。

 

旅行先で、「ここは映画のシーンに使える!」と思うたびに、ほんの数分立ち止まるくらいであれば、観光にも支障が少ないのではないでしょうか。

「ストーリーも決まっていないのに、撮影をしてどうするんだ?」という声が聞こえて来そうです。

 

この撮影で何をしているかと言うと、映像ストックを貯めているんです。
背景映像としての映像ストックを整理して保管しておくことで、後々、映画を作る時に役立ちます。

「そういえば滝のシーン用のストックがあったから、この会話は滝の前の設定にしよう」
という活用が出来ます。

 

同様に、

  • 新幹線の中
  • タクシーの座席
    というように、機会があるたびにストック映像を貯めておいたら、新作撮影のスピードは格段に早くなります。

 

グリーンバック映画では人物は一箇所でまとめ撮りします。
5日間くらい掛けないと撮れない分量でも、1日で撮影を終えられたりします。
別撮りする背景映像がストックされていれば、改めて背景撮影に行かなくて済むので、効率が良いわけです。

 

もちろん、ストック映像は再利用できます。
全く別の作品の中でも使うことが出来ます。

もし、同じ手法で作品を作る仲間が出来たらどうでしょう?
お互いの撮影ストックを共有することで、シーンの選択肢が飛躍的に広がります。

ストック映像を見たからシーンが思い浮かび、ストーリーが出来上がる、という事もあるでしょう。

 

通常は、映画を作る際、ストーリー作りから始めます。
しかし、ストック映像のような素材を先に揃えておいて、それを使ったストーリーを考える、というやり方の映画があっても良いと思うのです。

 

参考になれば幸いです。最後までお読みいただきましてありがとうございました。

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