観たい映画を自分で作るという選択・自主制作でこそ創作の醍醐味が味わえる
インディーズ映画こそ純粋な創作?
DIY映画、自主映画は、文字通り「自主的に」作るものです。
商業映画のように、「商業的な成功を計算して、製作者のオーダーに従って作品をまとめ上げる」という性質のものではありません。
そうは言っても、自分以外、誰にも面白さが伝わらない作品を完成させてしまっては、膨大な労力が無駄になってしまいます。
第一の目的は、初めの観客である自分自身が見たい作品を完成させることです。
作った本人は、誰よりも作品のアラが目に付きますから、なかなか客観的に鑑賞することは出来ないでしょう。
でも、「もし、この作品を自分で作った記憶が無い状態で見たとしたら、きっと楽しめるだろう」という内容のものは作りたいものです。
第二の目的は、家族なり、知り合いなり、第三者の人に見せて、できるだけ面白がってもらうことです。
テレビドラマも映画も、一切見ない人ならともかく、普段からプロのエンタメ作品を見慣れている人達を楽しませる事は、実際にはとても困難です。
観客としては、ドラマや映画などを見て、やれ脚本がつまらないだの、演出がおかしいだの、演技に魅力が無いだのと批判はできますが、それらの作品も、私達が作るDIY映画に比べれば、何もかもレベルが高いものなんです。
実際に、自分の作品を完成させてみれば、痛感するでしょう。
最近は、撮影機材や編集機材の性能は、プロとアマで極端に大きな差は無くなっています。
とは言え、アマチュア作品に比べ、桁違いの予算とスタッフの技術をつぎ込めるプロ作品に、品質的に勝つことはほぼ不可能です。
面白いドラマを見たいだけであれば、テレビを見れば済むんです。
「映画を作ったから、時間がある時に見てよ」と言われた人が、録画しておいたテレビドラマでなく、あなたの作品を見るには、何かしら、テレビドラマにはない魅力があるなどの動機がなければなりません。
独特の魅力を出すことが出来る方法の一つは、テレビドラマで見慣れていない「要素」や「切り口」をふんだんに盛り込むことです。
幸いと言って良いのかどうか分かりませんが、昨今の商業作品、特にテレビドラマは制約だらけです。
不特定多数の人が見るために、ちょっとしたことでもクレームの種になります。
そのクレームを避けるために、二重三重に安全策を講じた内容にする必要があると言われています。
一方で、私達のDIY映画は、法律に違反しない限り、何を作っても自由です。
スポンサーにお金を出してもらうために、大人数の視聴者に受ける要素を盛り込まなければいけない、という制約もありません。
仮にあなたの嗜好が、
- 時代劇
- UFO
- 超常現象
だとしましょう。
その要素を組み合わせて、「江戸時代に街中で起きる不可思議な事件を、秘密裏に調査して記録しつつ、庶民の目からは隠すような工作をする役人コンビの話」を企画しても良いわけです。
そんなレアな内容は、テレビの企画ではまず通りませんから、完成させるだけで、あなたの作品は「テレビドラマでは見たこともない」という、差別化されたものになります。
その作品を見る動機として、差別化は重要です。
オリジナリティが強い作品であれば、特に、プロの作ったレベルの高い作品と比べられないからです。
見たこともない作品であれば、当然、新鮮ですから、面白味も感じやすいでしょう。
この時に重要なのは、あなたが得意としている分野の要素を詰め込むことです。
多少、消化不良なくらい、無理やり詰め込んだほうが、楽しさが感じられると思います。
消化不良を避けるために、スッキリとまとめると、確かに作品としてのまとまりは良くなりますが、物足りない印象が強くなります。
まとまりの良い作品は、テレビでも見慣れているので、それ自身は魅力にはならないんです。
あなたが好きな要素を詰め込めば、同じ趣味の人はもちろん喜びます。
そんな作品が他に存在しないのですから、ファンになってくれるかもしれません。
また、全く趣味が違う人が見ても「良くわからないけど、これがよっぽど好きなんだなあ」というエネルギーは感じてもらえます。
エネルギーを感じられる作品からは、魅力がにじみ出るものです。
私は、20歳くらいで初めて映画を作った時に、その作品が最初で最後になる可能性が高いと思って、自分が好きな要素を全部詰め込みました。
- 川口浩探検隊
- 超文明の遺跡
- 恐竜
- ブルース・リーのアクション
など。
何もかも初めての創作だったので、もちろん全体的に拙い出来ではありますが、自分が本当に好きなものだけを、無理やり凝縮しているので、センスよくまとまっているだけの作品より、魅力は出せたと思っています。
映画を作る動機は、人それぞれです。
商業映画やテレビドラマを見て、そっくり同じようなものを作ってみたい、というものでも、もちろん構いませんし、それはそれで作り手は相当に楽しいでしょう。
でも、映画作りの趣味の面白さは、パロディー作りだけではありません。
パロディー作りは1回か2回で飽きるかもしれませんし、所詮、パロディーとしての魅力しかありません。
それに対して、あなたの好きなこと、詳しいことををこれでもかと盛り込んだ作品は、組み合わせを変えたり、切り口を変えたりすることで、商業作品に無い、「強いオリジナリティー」を持ちつつ、魅力を発揮出来ると思うのです。
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