メイキングの魅力とそれを伝える方法
「舞台裏の魅力」を認識してますか?
様々な創作活動があります。
発表を伴う創作活動の場合、通常、人前に出すのは「完成品」だけです。
「小説」にしても、「演劇」にしても、「絵画」にしても、「音楽」にしても、キレイな完成品だけを見せるのが習慣になっていると思います。
しかし、多くの場合、「作り手」と「観客」の間で重大なギャップがあることに気付いているでしょうか?
「キレイな完成品」が希少だった時代は、完成品が一番の魅力で、それを見るだけで十分に満足出来ていました。
創作物を生み出す過程は、人に見せるべきものではないとさえ考えていたフシがあります。
プロスポーツ選手が、観客の前で華麗なプレーを披露して、練習は人目に触れないところで黙々とやるような状態です。
ところが、「キレイな完成品」が多くなってくると、完成した創作物の面白さには麻痺してくるようになります。
そして、その完成品を作るための「舞台裏」の面白さに気付くようになってきます。
例えば、レストランで、本来は裏方の作業である「調理」そのものを客席から見えるようにして、「店の売り」にして成功する例があります。
映画も、映画館で完成品を上映するだけでなく、販売されるDVDやBlu-rayには、本編よりも遥かに長い「メイキング映像」が収録されていることが普通です。そのメイキングを見た後で作品を見直すと、新たな面白さを感じたりします。
端的に言って、「メイキング」は面白いんです。
そして小説や絵画などに比べて、「映画」は、メイキングをコンテンツとして面白く伝えやすい分野と言えます。
私達、自主映画制作者は、誰もが「自分だけのオリジナル作品を作った」と思っていますが、客観的に見れば、テレビや商業映画からは技術的に数段落ちるレベルの作品しか作れないのが現実です。
「面白かった」と思わせる作品は、なかなか作れません。
「十分に見ていられる」という作品に仕上げられれば、かなりの上級者と言えるでしょう。
ただ、メイキングは違います。
たとえ拙いストーリーであったり、見ていて楽しくはない物語だったとしても、その「舞台裏」は大抵面白いんです。
それは、映画の撮影自体に「トリック的」な要素が多くて、「こうやって撮っているのか」という発見があったり、非常に暴力的なシーンであっても、現場では和気あいあいと、お互いに工夫しながら撮影している、そのギャップ自体に魅力があるんですね。
創作者としては「完成品で評価して欲しい」という崇高な思いもあるとは思いますが、それよりも優先すべきは、やはり「楽しさ」だと思うんです。
使命感を持って、ストイックに創作に打ち込んだ、という自己満足があっても、観客や関係者が同じ様に満足感を得られるとは限りません。
どうせ、エネルギーを注いで創作するなら、より多くの「楽しさ」を生み出したほうがいいと思いませんか?
工作風景を見やすく撮影する工夫
手芸などの分野では、作業風景をそのまま撮影して公開することが一般的です。
販売用の教材として、そのような動画の需要は多いようです。
私達の、「工作系映画」のメイキングを作るとすれば、本番撮影以上にエネルギーと時間を注いでいる、小道具などの工作を利用しない手はありません。
特に私は、大道具、小道具、撮影機材、衣装の一部なども自作するので、もし、うまく撮影さえ出来れば、膨大なコンテンツが用意できます。
しかし、やってみると分かりますが、メイキングの撮影は非常に面倒です。
撮影そのものが目的ではありませんから、どうしても片手間の撮影となります。
机の上で作業しているところを、真上に固定したビデオカメラで撮影する、という手法が多くなります。
これは、撮り忘れを防げるやり方ですが、机の上で行わない作業は撮れませんし、手元が隠れるなど、意外と死角が多いんです。
例えば、部品に垂直の穴を開ける場合、通常は机の上で真上からドリルを使って穴を開けます。
そうすると、真上に据え付けたカメラからは、穴を開けている様子が全く見えません。
全てドリルの陰になってしまうからです。
そこで、どうしても欲しいのが、「作業者の目線に近い角度から撮影できる装置」です。
私は、これまでも、中国製の安価なウェアラブルカメラを活用できないかと、試行錯誤しています。
これは、GoProの類似品で、値段なりの問題は色々とあるものの、4000円ほどで購入できるのが大きな魅力です。
ちなみに、一番の問題は、バッテリーの性能(安全性)のようですが、私は元々、長時間撮影が前提なので、バッテリーは取り外して、モバイルバッテリーからケーブルを繋いで使っています。
少なくとも安全性の心配はありません。
GoProの類似品は、販売時に公開されているスペックも、かなり出鱈目です。
記録方式が「mp4形式」となっていても、実際には「mov形式」だったり、「画角170度」となっていても、実際に測定してみると、「画角110度」前後です。
私は、同じような廉価版のカメラを3つ購入して調べましたが、ほぼ同じスペックでした。
これは「値段なり」と割り切る必要があります。
表示の性能よりかなり低いものの、110度の広角で撮影できるのであれば、手元の撮影には十分使えます。
問題は、自分の手が死角になったりしないように、「いかに目線に近い位置から撮影するか」です。
カメラが目線に近ければ近いほど、実際に目で見ている映像に近くなるので、死角が少なくなります。
私は、これまでいくつかの道具を作って、試してきました。
実際に作業で使ってみて問題になるのは、
- 角度の微調整が面倒
- 撮影中、対象が画面に入っているか確認できない
ということです。
長時間撮影した後で録画映像を確認してみたら、作業の大半が画面の外にはみ出ていた、という失敗をすると、もう取り返しが付きません。
また、頭に装着するタイプの場合、「顔の動きが連動しすぎて見づらい」という問題も発生します。
そこで今回は、ダイソーで購入した、スマホ用のネックホルダー(200円)を改造することにしました。
これにスマホを装着して、カメラ用の穴を空ける方法もありそうに見えますが、スマホを固定するためのスプリングの構造が本体に詰まっていて、実際には穴は開けられません。
今回は、やはり、ウェアラブルカメラを使用する前提で改造しました。
これは、同じく100均で購入した、プラスチック製のトレイ。
- カメラのモニターが透けて見えること
- 加工中に割れにくいこと
を条件に、ポリプロピレン製の半透明のものを選んでいます。
以下が、用意した主な材料です。
左の半透明の部品は、トレイを切って作ったものです。
ネックホルダーは、本来とは逆の向きにして使います。
スプリングによるスマホを固定する機能は、そのまま利用することにします。
簡単な構造図です。
完成。カメラ装着状態。
カメラ本体の後面にあるモニターが、半透明のプラスチック越しに見えるので、必要な部分が画面からはみ出していないことを確認しながら撮影できます。
ボールジョイントでカメラ角度の微調整も出来ます。


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創作活動としての映画製作は最高に楽しいものです。
昔はネックだった撮影・編集環境も、現代では簡単に手に入ります。スマホをお持ちの時点で最低限の環境はすでに揃っているとも言えます。
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The Appeal of Behind-the-Scenes Content and How to Share It
Recognizing the Charm of Behind-the-Scenes Work
Creative endeavors come in many forms. Typically, for creative works like novels, paintings, music, or performances, only the polished “final product” is shown to the audience.
However, have you ever noticed the significant gap between creators and their audiences? In times when polished works were rare, just presenting the final product was satisfying. Back then, the creative process was often considered private, unworthy of public display.
But as polished works have become abundant, audiences have started to find excitement in the “behind-the-scenes” process that led to those creations.
Take, for example, restaurants where the act of cooking—once strictly a back-end process—is openly showcased to diners, becoming a major selling point. Similarly, DVDs and Blu-rays of films often include “making-of” content, which, for some, is even more fascinating than the main feature.
In short, making-of content is fascinating, and compared to other forms of art like literature or painting, films can more easily transform their behind-the-scenes elements into engaging content.
Behind-the-Scenes as a Strength in Independent Filmmaking
For us independent filmmakers, while we may take pride in our original creations, it’s hard to deny that our works often fall short of commercial films in technical terms. Making a captivating final product is no easy task, and even achieving a “watchable” film can mark a significant accomplishment.
However, behind-the-scenes content is different. Even a simple or imperfect narrative often results in an engaging making-of, thanks to the tricks and discoveries involved in filming. The contrast between intense scenes and the cheerful, cooperative atmosphere on set adds an unexpected layer of charm.
As creators, we might yearn for our finished works to be evaluated on their own merit, but prioritizing fun can sometimes be more rewarding—for both the creator and the audience.
Capturing the Crafting Process
In areas like handicrafts, filming the crafting process has become commonplace, particularly for instructional materials. For filmmakers, focusing on the making of props, sets, and costumes can produce a treasure trove of content, as these often consume more time and energy than the actual filming.
However, documenting these processes can be tedious, as the primary goal remains the creation itself. For example, filming work on a table with a top-mounted camera can prevent missed moments, but it also creates blind spots, especially for actions like drilling.
To overcome these challenges, I’ve experimented with affordable wearable cameras and DIY setups that replicate the creator’s perspective. While budget-friendly cameras come with limitations, creative tweaks—like using a neck-mounted camera holder—can significantly enhance recording efficiency.
Making Behind-the-Scenes the Main Attraction
Behind-the-scenes materials often surpass the finished product in appeal. In fact, the idea of “making a film for the making-of” may seem counterintuitive but can open up a new way to enjoy creative work.