メディアミックス展開を意識してコンテンツを作り効果的に活用する方法
撮影途中で頓挫した未完成作品はありませんか?
そもそも、私が自主映画制作で「特撮を積極的に活用しましょう」と提案している理由の一つは、制作期間を大幅に短縮できることです。
何故、短縮したいか。
「納期があるわけでもない趣味なんだから、じっくり時間を掛けて楽しんで作ればいいじゃないか」
と思う人もいるかもしれません。
私も以前はそう思っていました。
しかし、それは浅はかな判断でした。
何故なら、じっくり時間を掛けると、制作が途中で頓挫して、作品が未完成に終わる確率が、グンと跳ね上がるからです。
長い長い時間を掛けて、構想を練り、具体的に準備をし、低予算とは言え、自分の小遣いをつぎ込んで制作に入ったものの、何らかの理由で撮影の途中で進行がストップする事があります。
そんな時は危険です。
撮影は、ある程度、勢いで一気に撮らないと、本当に撮り終えられなくなるんです。
これは、実際に作品を制作している人には分かるはずです。
自分で創作活動を続けていると実感しますが、日々、自分の目が肥えていきます。
半年前ならその出来に十分満足できていたのに、後から見ると、色々と拙いところに気付いてしまって、「いっそのこと撮り直したい」と思うようになります。
でも、ただ、目が肥えているだけであって、経験を積んだわけではないので、実力は向上していません。
撮るたびに「思い通りにいかないなあ」とストレスがたまるようになるんです。
そこで
「どうせ作るならじっくり準備をし直して、良いものにしよう」
と思ってしまったら、もうアウトです。
相当に高い確率で、撮影が頓挫します。
必要なのは、その時点での実力の範囲内で、一日も早く撮り終えてしまうことです。
撮影さえ済めば、編集は完全に個人作業ですから、少しずつコツコツと進めることが出来ます。
作品を完成させて初めて、その経験が自分の力量を押し上げます。
少なくとも私の場合は、これまで何度となく「アウト」のパターンを実行してしまいました。
また、「撮影」に早く手を付けたくて、シナリオが完成していないにもかかわらず、準備が出来たところから撮影を始めたことも何度もあります。
後に、シナリオの破綻に気付いて、その調整に四苦八苦しているうちに時間が経ち、撮影が再開できなくなった、というパターンになります。
中には70%の撮影は済んでいるのに、そこでストップしている、という長編作品もあります。
これらは、文字通り「死蔵コンテンツ」です。
そこにつぎ込んだエネルギーが、全く無駄になってしまった例です。
もしかしたら、これをお読みの方の中にも、そんな捨てるに捨てられない「死蔵コンテンツ」をお持ちの方がいるかもしれません。
新しい作品スタイルの提案
映画はストーリー映像です。
物語創作の一形態です。
物語創作は「映画」という手法の他に
- 小説
- コミック
- オーディオドラマ
などの形態も考えられます。
そもそも私は、これら、映画以外の形態で物語を味わうことも大好きです。
ただ、映像作品だと、趣味の模型工作を要素として盛り込めるので、より楽しんでいるだけです。
仮に、「シナリオまでは出来たけど、映像化しなかった」という作品がある場合、例えばそれを小説化して形にする、という選択肢は思いつきます。
もちろん、コミックやオーディオドラマにするのも是非、挑戦したいところです。
では、「途中まで撮影した作品がある場合」はどうか。
結論を言ってしまうと、一つのコンテンツの中に複数のメディアを組み合わせてしまう、という選択肢もあるのではないかと思うのです。
例えば、
- オープニング
- アクションシーン
- エンディング
だけ撮影していて、肝心のドラマ部分は未撮影のまま未完成に終わっている作品があるとします。
撮影した部分をいくら綺麗に編集したとしても、作品としては成り立ちません。
せいぜい、予告編風の映像が作れるくらいでしょう。
しかし、シナリオに従って、撮影していないシーンを、小説やコミックとして補完して、順番に並べたらどうでしょう?
例えばこんな感じです。
ホームページの中に、その作品のページを用意します。
ホームページには動画のリンクも出来ますから、オープニングの動画を冒頭にリンクして再生できるようにします。
動画はオープニングだけで終わりますが、その下には、続きが小説の形で続きます。
コミック版を作れる仲間がいれば、あるシーンのみコミック版になっているのも面白いかもしれません。
イメージ写真や、オーディオドラマも組み合わせて、ページに貼り付ける事ができます。
そしてアクションシーンはまた映像版をリンクして、映画として見られるようにします。
鑑賞者は、一つの物語を、シーンごとに
- 映画
- 小説
- コミック
という別のメディアで鑑賞していくわけです。
もちろんこれは、映画作品とは言えません。
賛否両論はあるでしょう。
でも、このような形で、作品を最初から最後まで再構築したら、映画とはまた違った楽しさが出るかもしれません。
物語創作のスタイルとして、新たな魅力が生まれそうな気もするのです。
今の例は、未完成の作品を再利用して、映像を活かすアイデアですが、この、言わば「メディアミックス版」の作品として最初から企画することも可能だと思うんです。
例えば、照明を作り込んだ暗いステージの上で、物語の朗読をしている映像と、映画的に撮影したシーンを交互に見せるような映像作品、というような組み合わせをはじめから想定するという形です。
もし、映画の撮影が困難な場合は、そのシーンの撮影をやめて朗読で表現する「逃げ」の手を使うことで、物語のコンテンツとしては未完成にせずに済みます。
実は映画を作りたいと思った時、実際は「このシーンを作ってみたい」という、ピンポイントの映像化が動機な場合も多いんです。
映画にする場合は、それ以外も全て映像化する必要があるのですが、この「メディアミックス版」制作のノウハウを身に付けると、通常の映画制作よりさらに短期間で、「作りたい映像」に特化しつつ、自分のオリジナル物語創作コンテンツが完成させられる可能性があると思うのです
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How to Create Content with a Focus on Media Mix and Use It Effectively
Do You Have Any Unfinished Projects Shelved Midway?
One reason I advocate actively using special effects (SFX) in independent filmmaking is their ability to drastically shorten production time. But why prioritize speed?
Some might argue, “It’s a hobby without deadlines, so why not take your time and enjoy the process?” I used to think the same, but I learned that dragging out production significantly increases the risk of the project stalling and remaining unfinished.
Long, drawn-out planning, combined with investing personal funds, can lead to unexpected halts during filming. This is a dangerous situation because filmmaking often requires maintaining momentum. Experienced creators understand this well—hesitation or interruptions make it much harder to resume. Moreover, as time passes, creators often find themselves becoming more critical of their older efforts without necessarily gaining the expertise to improve them. This frustration can lead to abandoning projects entirely.
The solution? Wrap up filming as quickly as possible, even if it means working within your current skills. Once filming is complete, editing can proceed at your own pace, making it easier to see a project through to completion. Completing projects enhances your abilities far more effectively than aiming for perfection mid-process.
Introducing a New Creative Style: Media Mix Storytelling
Film is but one form of storytelling. Stories can also take the shape of novels, comics, or audio dramas. As much as I love films, which combine elements like model crafting, I equally enjoy exploring these other formats.
For instance, if you have a completed script but never filmed it, why not adapt it into a novel? Or consider creating a comic or audio drama as alternatives. But what about projects where filming started but wasn’t completed?
The idea here is to combine multiple media formats within a single piece of content. For example, if you’ve only managed to film an opening, an action sequence, and an ending—but not the critical drama scenes—you can supplement these gaps with novels or comics. Imagine structuring the storytelling like this:
- A homepage dedicated to the project.
- The homepage begins with the linked opening video.
- Following the video, the story continues in text form (like a novel).
- Some scenes could even appear in comic format if you have the collaborators.
- Supplementary visuals, audio dramas, and additional videos (e.g., the action scenes) can be linked along the way.
The audience would experience the story by alternating between media formats—film, novel, comic—offering a multi-faceted narrative journey. While this isn’t a traditional film, it could bring its own unique appeal and charm.
Planning the Media Mix Concept from the Start
This approach doesn’t just recycle unfinished projects—it can be planned from the beginning. For instance, imagine alternating filmic sequences with scenes presented as narrated monologues on a dramatically lit stage. Using “media mix storytelling” allows you to complete projects faster and focus on creating the scenes you’re truly passionate about while still presenting a cohesive story. It’s a flexible and innovative way to share original narratives.