自主映画のマーケティング・登場人物は出来るだけ多くすることで「当事者」を増やす
作品は人に見られて完成する
趣味の創作活動は、基本的には何をやっても、何をやらなくても自由です。
それを大前提にしつつ、私が実践している事、実践したいと思っていることをお伝えします。
創作物というものは、そもそも「観客の存在」が想定されています。
「絵を描くのが好きで、描いている時間が楽しければそれでいい」
という場合でも、自分で「完成した」と判断した次の瞬間に封印してしまい込んで、その後、一切、人に見せない、ということはしないでしょう。
小説を書き上げた後、発表はしない、という人もいます。
しかし、しばらく時間をおいて客観的に読み直してみると、「どうしてこれで完成したと思ったんだろう?」と呆れるくらい、アラを簡単に発見できます。
実際のところ、人に見せて客観的な判断をしてもらった方が、作品を早く、しかもレベルの高い状態で完成させられる、という側面があります。
もちろん、「一切、他人の批判は受け付けない」というスタンスを取るのも自由です。
ただ、「どうせ作るなら、満足度が高い方が嬉しくないですか?」という事です。
「承認欲求」というと、それに振り回されてしまうという、マイナスのイメージで語られることが多く、「承認欲求はバカバカしいから捨てろ」という意見もあります。
でも、そもそも、人はなぜ承認されたいかを考える必要があります。
簡単に言うと、小さな自己満足より、承認されたときの方が、幸福感が高いからです。
- 喜んでもらえる
- 褒めてもらえる
ということで、大きな嬉しさを感じるので、自然とそれを求めるという訳です。
- 創作活動中の楽しさ(産みの苦しみも含んだ楽しさ)
- 人に見せることで得られる嬉しさ
この2つを味わってこその「創作」ではないでしょうか?
一般観客はアマチュア作品を見るほど暇ではない
そういうわけで、完成した作品は出来るだけ多くの人に見てもらいたいところですが、ここには大きな壁が存在します。
余程のことがない限り、「わざわざあなたの作品を見はしない」という現実です。
「退屈を持て余していて、他に見るべきコンテンツが無い」という状況なら別ですが、実際には各自、処理しきれないほどの情報に追われています。
特に楽しい訳ではなく、半ば中毒になってしまっているゲームには時間を使っても、アマチュアが手作りしたコンテンツに使う時間は無いんです。
「見てくれた?」
「ごめん、色々と忙しくて」
こんな会話がよくあります。
心の中では
「10分間の空き時間もないほど忙しい訳ないよね」
「暇つぶしのゲームはやってるよね」
と思いつつも、あなたの作品の鑑賞に、その時間を費やす価値が無いと思われているのですから、仕方ありません。
では、どうすれば見てもらえるのでしょうか?
実は確実な方法があるんです。
基本:人は自分にしか興味が無い
これは、ビジネスの世界、特に「広告」の世界では常識で、徹底的に意識すべき事です。
人は、驚くほど自分の事にしか興味が無いんです。
これは、人間の習性ですから仕方ありません。
「いや、自分は常に周りの人の幸福を優先している」
という人も、仲間と撮った集合写真を見たとき、真っ先に自分の顔の映り具合を確認している筈なんです。
この「習性」を利用しない手はありません。
具体的にはどうするかというと、タイトルにあるように、「登場人物を増やす」という事です。
もちろん、キーパーソンを増やしていくと、物語づくりも複雑になって、難易度が上がりますから、簡単におススメは出来ないんですが、エキストラ的な登場の仕方であれば、物語の邪魔はせず、結構簡単に設定することは出来るはずです。
話題になった大作映画でも、一般の人が群衆としてエキストラ出演しているシーンが数か所入っている事があります。
そのシーンに参加した人は、かなりの確率で、劇場に足を運んでいるのではないでしょうか?
規模こそ違いますが、私たちの作るDIY映画でも、全く同じ現象は起こせる筈です。
演技のうまい役者さんを2人だけ使って、仮にそこそこよく出来た映画を作っても、全くの他人にとっては、その作品を見る動機がほとんどありません。
しかし、たとえ端役だとしても、自分が出演していたらどうでしょうか?
完成作品を無視できないのではないでしょうか?
その人の知り合いにとっても、「全くの他人事」という訳ではなくなります。
連続殺人事件の被害者の顔写真だったり、容疑者の一人の顔写真だったり、というような、残念な役だったとしても、参加しているとその作品自体が「楽しい自分事」として認識されます。
そういう「仕掛け」を組み込むことで、「見てもらう」という可能性は飛躍的に高まると思います。
つまりは、関わった人たち全員の満足度が上がる、という事です。
この「満足感」は創作活動を続けるためにとても有効な要素です。
そして、絵画や小説ではなかなか難しい、「大人数の存在を作品の中に取り込む」という芸当が出来るのが、DIY映画作りだと思うのです。
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