私有地以外で勝手に映画を撮ってはいけない?
実は違法?野外での撮影
横浜の大桟橋で撮影をしたら、料金を取られたという話題がニュースになっていましたね。
そもそも、「ここで本格的に撮影するには申請と料金が必要です」という場所で、「三脚を使わずに、ちょっとした記念写真を撮るくらいなら大目に見ますよ」という告知もあらかじめ明確になっていたようなので、結論から言うと「勝手に本格的な撮影はしてはいけなかった」という話です。
DIY映画制作という、私たちの創作活動には「撮影」という要素がありますが、実は、これには想像できないくらいの制約があるんです。
「ゲリラ撮影」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
正当な撮影が、
- 所有者に許可を貰い
- 警察に道路の使用申請を行なって
その約束の中で必要な撮影を行なうのに対して、無許可で街中などで撮影してしまうことを言います。
もちろんこれは、違法行為です。
でも、実際のところ、100%、撮影所やスタジオ内で撮影した作品で無い限り、ほぼ全ての映像作品は、無関係な周囲の人に迷惑を掛けない範囲でのゲリラ撮影を含んでいます。
例えば、オフシーズンの海岸。
人っ子一人いない砂浜で、現場を荒らすわけでも無く、ドラマのワンシーンを撮影したとします。
恐らく誰にも迷惑を掛けておらず、地元の人からも咎められないとは思いますが、これも「無許可撮影」という違法行為なんです。
全ての土地は誰かが所有しているので、本来は、国有地であれば国に対して申請が必要なんです。
こういう、「厳密にいえば違法行為」に対して、非常に厳しく非難する人も一定数います。
「そんな常識も知らない奴が、映像クリエイターを名乗るな!」という論調の人です。
法律で争うと勝ち目が少ないので、私はそういう人と争う気はありませんが、少なくとも「知識」は持っていた方がいいと思います。
改めて言うと、映画の撮影などというものは、関係者以外にとっては何の得もなく、周りに迷惑を掛けがちなんだということです。
撮影所やスタジオを一歩出たら、たとえ完全に申請を出して許可を取っていたとしても、遠慮がちに活動しなければいけないんです。
特に映像は変に「発信力」がありますから、それを権力と勘違いしてしまいがちになる危険があるんです。
また「こういう映像が撮りたい」という欲望は、際限なく膨らむものです。
これは「カメラの魔力」と思って、常に自戒してください。
「商業活動じゃないからOK」という勘違い
数十年前は、「商売じゃなくて趣味なんだから大目に見てよ」という風潮が、なんとなくまかり通る時代でした。
もちろん、厳密には法律上は違反なんですが、例えば、音楽の著作権などについても、違法に使用して自主映画を作っても、それを販売しない限り、問題にはなりにくかったと思います。
最も大きな理由は、日本が「権利ビジネス」というものに対して、非常に意識が低いことにあります。
これはいまだに意識レベルが低いままですし、権利という「ソフト」で商売することに対して「ずるい商売」という感覚を持つ人が、まだまだ大勢いるようです。
それはともかく、
- これを使って商売をするから、使用料を払う
- これはお金を目的としない趣味の活動だから、使用料は大目に見て欲しい
という区分けは、もはや全くできない時代です。
完全に趣味として、地元のお祭りの動画を撮影してYouTubeに投稿したら、ニュース映像として使いたいテレビ局から「動画を売って欲しい」という話になるかもしれません。
ご自身のYouTubeチャンネルに人気が出て、その動画から広告費が入ってくるようになる可能性だってあります。
そうなると、ビジネスだから、趣味だから、という区別は付かないんです。
撮影時に
- 業務用の機材を使っていたらビジネス向け
- スマホ撮影をしていたら趣味
という判断もされるようですが、これもいずれ意味は無くなります。
商業活動の撮影にスマホしか使わない、という人もすでに大勢いますし、実際のところスマホの特性を理解したうえであれば、テレビドラマだってスマホだけで撮れるようになるはずなんです。
ですから、「これは趣味だから」というのは、色々な意味で通用しなくなるんです。
限られる撮影場所
撮影機材が高価で、映像編集の設備を整えるのも大変だった時代からみると、「道具」の面では、現代は夢の時代です。
一方で、昔のように、公園の片隅などで自由なゲリラ撮影がしにくくなった時代でもあります。
自由な撮影ができるのは、学校や、使用許可を貰った「私有地や室内」だけと思った方がいいでしょう。
厳密には、ゲリラ撮影は違法行為なのですから仕方ありません。
ただ、そんな環境の中でも、私は自由に発想した映像を組み合わせた、本格的な映画を作る望みを捨ててはいません。
その切り札が「グリーンバック撮影を使った合成映像」なんです。
「特撮」が映画創作活動を救う
実際に駅の改札の前で演技をして、それを撮影するのが「本物志向」だとすれば、改札の動画に、後から人物の映像を合成するのは「邪道志向」です。
でも、思い出してみてください。
三脚を使って、その場を占拠して撮影するのは、商業撮影とみなされて規制の対象ですが、手持ちのスマホやデジカメで撮影することは、今のところ見逃すという基準が一般的なんです。
他の人の邪魔にならないように、ほんの数秒から10数秒、スマホで背景用の映像を撮影することは、一応、咎められずにできます。
(もちろん、人物の映り込みなどには配慮しないといけません)
こうして撮影した背景動画に、別撮りした人物を後から合成すれば、たとえ邪道だとしても、「改札の前のシーン」が実現させられるんです。
さらに安全に撮影したければ、精巧な改札のミニチュアを作って、背景映像として撮影するという方法があります。
ここまですれば、誰にも文句を言われる筋合いはありません。
「そんなのは映画として邪道だよ」という本物志向さえ捨てられれば、ほぼ完全に自由な映像を、あなたにも作ることが出来ます。
問題は、「どの程度にリアルな合成映像が出来るのか」ということですが、これは、ひとえに技術に掛かっています。
練習あるのみですが、十分、視聴に耐えうるレベルにはなると、私は判断しています。
私が主宰する「DIY映画倶楽部」では、この手法をメインに活用することを前提に、会員の皆さんに撮影や編集だけでなく、この手法特有の映像設計の方法をレクチャーしています。
素晴らしい創作の趣味である、「映画作り」ですが、昔の時代の「本物志向」を追求していては活動もままなりません。
その課題を克服する武器が「特撮」だという事をお伝えしました。
参考になったら記事をシェアしていただけると幸いです。
以下、参考になる書籍を紹介しておきます。
DIY映画倶楽部のご案内
創作活動としての映画製作は最高に楽しいものです。
昔はネックだった撮影・編集環境も、現代では簡単に手に入ります。スマホをお持ちの時点で最低限の環境はすでに揃っているとも言えます。
- 趣味がない人。新しい趣味で楽しみたい人
- 自分の創作がしたい人
- 映像作品に出演して目立ちたい人、目立つ必要がある人
にとっては最適の趣味であることに間違いありません。
ただ、実際の映画製作には多くの工程があり、全てのノウハウを一人で身に付けて実践しようとすると大きな労力と長い時間が必要になります。
DIY映画倶楽部は入会費無料の映画作り同好会です。
広い意味でのストーリー映像を作るためのノウハウを共有し、必要であれば技術的な支援もしながら、あなたの創作活動をお手伝いします。
詳しくは以下の案内ページをご確認ください。
Can You Film Movies Outside of Private Property Without Permission?”
Is Filming Outdoors Illegal?
Recently, there was news about a filmmaker being charged a fee for filming at Yokohama’s Osanbashi Pier. The area had clear rules: while casual, tripod-free photos were allowed, “professional filming” required permission and fees. In short, they shouldn’t have conducted professional-level filming without authorization.
For DIY filmmakers like us, filming is an integral part of our creative process. But what many don’t realize is how restrictive this activity can be.
Have you ever heard of “guerrilla filmmaking”? This refers to shooting scenes on location without obtaining the necessary permissions, like approval from property owners or roadway use permits from the police. While guerrilla filming is undoubtedly illegal, almost every outdoor film production—unless entirely confined to studios—relies on it to some extent, provided it doesn’t disturb others.
Imagine shooting a dramatic beach scene during the off-season on a deserted shoreline, leaving no trace of your presence. Though it might seem harmless, this too is an unauthorized and technically illegal act.
Some people vehemently criticize such practices, insisting, “Anyone unaware of these rules shouldn’t call themselves a filmmaker!” While I avoid conflicts, it’s crucial for filmmakers to be informed. At the end of the day, filming often inconveniences others, even when permits are in place.
The Fallacy of “Non-Commercial Filming is Fine”
A few decades ago, people generally turned a blind eye to hobbyist filmmakers creating non-commercial works, even if they used copyrighted music without proper permissions. Back then, Japan had limited awareness around intellectual property and rights-based business models.
Today, the line between commercial and non-commercial activities has blurred. For instance, a hobbyist might record a local festival and upload it to YouTube, only to have a TV network request to purchase the footage. Even smartphone-shot content can monetize through ad revenue.
This evolving landscape renders the “it’s just a hobby” argument obsolete.
Limited Filming Options and the Role of Special Effects
While advancements in equipment and editing software make filmmaking more accessible, finding places to film has become increasingly challenging. Unless you have access to private property or secure permissions, most locations are off-limits. This is where green-screen technology and compositing come to the rescue.
Imagine needing a train station scene for your movie. Filming actors at an actual ticket gate may be prohibited, but you could shoot a few seconds of background footage with your smartphone—ensuring no one is disturbed or filmed without consent—and then later composite actors into the scene using green-screen techniques. Alternatively, you could build a miniature set of the ticket gate, shooting it as your backdrop.
Is this approach “less authentic”? Perhaps to some. But it’s a perfectly viable way to maintain creative freedom while adhering to regulations. With skill and practice, such scenes can reach a level of realism that’s more than sufficient for audiences.
At my DIY Film Club, we focus on these techniques, teaching members not just how to shoot and edit, but also how to design scenes tailored to this method.