あなたの観たい新作映画は存在しますか?・面白い作品に出会う究極の対処法
本当に多様性の時代?
「価値観の多様性の時代」と良く言われます。
テレビ番組を家族で一緒に見る事が無くなった時代、各個人が、それぞれバラバラに自分の好きなものをみる時代です。
そのため、「みんなが知っている大ヒット」というものも無くなり、それぞれのファンの嗜好に合わせて、いろいろなものが作られるようになりました。
嗜好の分散に伴って、テレビの視聴率もそれぞれ低いのは当たり前となっています。
しかし、私は疑問に思うことがあります。
これだけ「多様性が実現している」と言われている割には、随分と作品のジャンルが偏っていませんか?
それは、本屋に行って小説のコーナーを見ても感じます。
ある作品に人気が出ると、数年間、似たようなジャンルの作品で一杯になって、その分、個性的な作品を見かけない気がします。
もちろん、本の売り上げがどんどん減っている中で、少しでも売れるものを作ろうとすれば、こうなるのは仕方がないことだとは思います。
売れないから存在しないのか、存在しないから売れないのか
ベストセラー作家でも、小説だけで生計を立てられるのはほんの一部だけ、とも聞きますし、安定して利益を出しやすいジャンルに企画が偏るのも、無理はないのかなと思います。
特に、売れ残った場合はそのまま損失になってしまう、「印刷物」である書籍は、「売れやすい本」でないと、そもそも企画が通らないことは容易に想像できます。
本の内容が完成した後、印刷して流通させる莫大なコストが掛かりますから、「最低でもxx冊売れないと赤字になる」という高いハードルが存在します。
逆算すると、数万人の熱心なファンが存在するジャンルでないと採算が取れないことが先に分かっているので、「ファンの数が少ないジャンルの作品出版には手を出さない」という構図です。
私は昔に比べて書店での「こんな本が読みたかった!」という出会いが激減しています。
恐らく、私の読みたいジャンルや、世みたい種類の本が極端に少なくなっているのだと思います。
これは、需要が少ないジャンルの作品が好みの人にとっては、仕方のない受難です。
でも、例えば印刷や流通コストを伴わない電子書籍ならどうでしょう?
少数のマニア的なファン向けのジャンルの作品を出せば、かなりの確率で売れる事にはならないでしょうか?
本が売れない、と言われますが、実は私のように「読みたいジャンルの本が減ったから読まない」という人も多いのではないでしょうか?
流通している作品のジャンルの少なさは、小説だけではなくて、ドラマや映画でも感じます。
創作者の特権
ドラマや映画などは、莫大な製作コストが掛かりますから、書籍以上に「売れる事」が優先されて当然です。
創作活動と商業活動を分けたがる人たちがいますが、「見世物」としての価値があることも創作活動の健全な姿だと思っています。
ですから私は、「採算度外視で芸術作品として創作するために、資金援助や支援が必要だ」という意見には反対です。
ドラマや映画などの健全な娯楽は、商売も絡めて自然発生して発展してこその存在です。
そして、映像作品のジャンルですが、近年は、安全策として、人気マンガや小説を原作としたものが主流です。
当然、書籍と同じ「偏り」が反映されることになります。
その結果、作られている作品群が、あなたの好みにぴったりなら何の問題もありません。
それを堪能すればいいからです。
でも、私は正直、ジャンルのバリエーションに大変、物足りなさを感じています。
だからこそ、長年、映像の自主制作に挑戦しているのかもしれません。
例えば、ホラー映画というジャンルは、日本の得意分野とされていますが、海外作品のように、造形美術的にバリエーションに富んだ作品はほとんど見つけられません。
「美術にはお金が掛かるんだよ」というように、日本映画の場合、表現の制約の理由を「予算」にする傾向が昔からありますが、それ以前に「少ない予算の中で工夫する」という風土が無さすぎるように見えてしまいます。
求めているのは「お金の掛かった映像」ではなく「工夫が面白い映像」なんです。
工夫して作った映像がチャチだった場合の批判を極度に恐れ過ぎではないでしょうか?
揚げ足を取って批判自体を楽しむ人たちではなく、チャチくてもいいから、「こういう種類の映画が見たかった」という観客の要望に応えるわけには行かないでしょうか?
自主制作映画ならそれが可能です。
「そのジャンルのファンは全国に5000人しかいない」という場合、大手の商業映画であれば企画が通りませんが、誰の依頼を請けるわけでも無く、自主的に創作する私たちのようなDIY映画の製作者は、「自分が見たいから作る」という理由で作品を作れます。
宣伝活動やマーケティングそのものは、以前であれば専門の会社の独壇場でしたが、インターネット時代は、小規模の個人活動でも十分に可能です。
もし、正しいマーケティング活動が機能すれば、全国に5000人しかいないファンを全て味方に付けられる可能性があります。
大予算の大手作品だと、5000人に支持されても大赤字です。
しかし、何もかも低予算で作れる私たち「インディーズ創作者」は数百分の一の予算で作品が作れますから、採算を取ることは十分に可能です。
スモールビジネスの成功パターンの一つは、
「こんなものがあったら売れそうだな」
という想像で作るのではなく、
「自分が欲しいもの」
を作ることです。
案外、
「自分はこんな映画が見たいが、存在しない。だから作った」
という作品を作ると、
「こんな作品が見たかった」
という人が多く存在していることに気付くかもしれません。
参考になれば幸いです。
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