過去の成功例から見る「超低予算映画」の方が大きな可能性がある事実
「つまらない」と感じる映画
あなたも、映画を見て「つまらない」と感じる事があるでしょう。
もちろん私も同じです。
でも、映画には「楽しむ技術」も必要で、何にでも揚げ足を取ったり、「現実にはあり得ない」というような批判をするような人になっては悲劇です。
気を付けるようにしたいものです。
その上で、やはり「つまらない」と感じる映画は存在します。
ところが、改めて「何故つまらないのか?」を分析しようとすると、これは簡単ではありません。
私の場合
- 物語に興味を持てなかった
- 登場人物の行動に納得が出来なかった
- 登場人物に魅力を感じなかった
- 内容が良く分からなかった
- うるさかった
という理由が多いような気がします。
低予算だとつまらない?
昔であれば、素人の観客が「日本映画は予算が無いからね」と分かったような言い方をすることが多かったのですが、ほとんどの場合、これは違うと思います。
「予算と迫力」
は比例しても、
「予算と面白さ」
は単純に比例しないからです。
特に昔の日本映画の場合は、10倍の予算を掛けて、着物を本物の職人に作らせたりすることが多かったのですが、それによって興奮するのは現場の人たちだけです。
画面で見ても、せいぜい魅力は一割増くらいにしかなりません。
大ヒットした「マトリックス」は経費節約のため、衣装はほとんどビニール製の安価な素材で作られていたそうです。
あの映画を見て「衣装の素材が良ければ、もっと面白くなったのにね」という人はいないと思います。
「面白さ」の要素はさまざまで、大掛かりなスペクタクルシーンで面白さを出すタイプの映画を、低予算で作ろうとしても無理があるかもしれません。
映像がチャチで興ざめになりがちだからです。
でも、そんなタイプの映画はごくわずかです。
よく思い返してみてください。
「この映画、話は面白かったのに、映像がチャチくて勿体無かったね」
という映画がどれだけありますか?
大抵の場合、「映像」以前に、話がつまらなかったのではありませんか?
自分で映画を作ってみると、「つまらない映画」が完成していく過程を体験することになります。
映像化する以前の、脚本段階で、十分に面白い作品に仕上げる必要があるのに、ほとんどの場合、脚本の完成度が低い状態で映像化作業に入ってしまいます。
商業作品の場合はいろいろな制約や約束事があって、それに納期が厳密です。
脚本作成の力量が足りないとこうなりがちです。
「後はなんとか映像の魅力でカバーしよう」となっても、大抵の場合はカバーできず、「つまらない」という印象が強くなります。
「役者の熱演でなんとかカバーしよう」などと思うと、それに加えて「うるさかった」という悪印象が追加されてしまいます。
結論としては、「低予算であることがつまらなさの原因であることは少ない」ということです。
面白さのほぼ全ては、紙と鉛筆レベル、つまり脚本で決まるんです。
超低予算映画のメリット
とは言っても、「プロの脚本家でさえなかなか面白い脚本の作品が作れないのに、私たちがそれ以上のものを作れないだろう」という話です。
もちろん、物語づくりの教科書的な本や講座で勉強することは、とても有効ですし、是非、続ける必要があります。
最低限の知識と技術を使うことで、最低限の面白さを担保した映画も作れるはずだからです。
そうなると、何千万円、何億円も人のお金を使って作る商業映画よりも、個人の小遣いレベルの資金で作れる超低予算のDIY映画の可能性が広がります。
一言で言えば、超低予算映画は、慣れれば誰にでも作品が量産できるので、「面白いとはどういうことか」を探せるんです。
借金をして作った映画を「つまらなかった」と評価されると立ち直れませんが、超低予算映画なら、「じゃあこんなのはどう?」と次のトライが簡単にできます。
- 思いついたアイデアを試せる
- 気楽に参加できる
というのが超低予算映画の大きなメリットです。
実は、出来の良し悪しに関わらず、「やりたい事を形にする」ということで、非常に大きな達成感を味わえます。
そして、一つを形にすることで別のアイデアが浮かぶようになるので、「やめられない遊び」になってしまうんです。
超低予算映画では、完全無欠な大作映画はそもそも目指しません。
目指すのは「トップレベルのB級映画」です。
そう割り切ると、細かいアラを気にして、製作が進まない、ということを防げます。
まずはスピード重視で作ってみると、
- 映画作りの楽しさと難しさ
- 製作における課題解決の面白さ
を味わえます。
そうすると、映画を見たときの楽しみ方の種類が増えて、それまでは「つまらなかった」としか思えなかった映画の中に、いろいろと「面白味」を発見できるようになります。
参考になれば幸いです。
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